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【響鬼】鬼ストーリー(仮)【SS】

1 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:15:55 ID:Y8PaelJr0
「仮面ライダー響鬼」から発想を得た小説をとりあえず発表するスレです。
舞台は古今東西。オリジナル鬼を絡めてもとりあえずOKです。

番組が終わっても鬼達はとりあえず人知れず戦っている

○色んなな鬼のSSとりあえず募集中
○DA、クグツもおっけ! この際、設定だけもオッケーにしちまえ
○設定を共有する必要なし!俺響鬼もオッケー!

次スレは、950レスか容量470KBを越えた場合に、有志の方が
スレ立ての意思表明をしてから立ててください。
基本sage進行で
スレタイ決まったら落とすかも。

2 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:18:09 ID:Y8PaelJr0
【まとめサイト】
http://olap.s54.xrea.com/hero_ss/index.html

【用語集】
http://www.iiyama-catv.ne.jp/~walachia/index.html
※用語集へはTOPの「響鬼」でたどり着けます



3 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:21:19 ID:Y8PaelJr0
雪風問題は誰かスレたてお願いします。


4 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:24:36 ID:Y8PaelJr0
ageつつ連カキすまん。スレタイは仮です。
良いスレタイが出来たら移動しましょう。
このスレでは黒歴史の話は極力避ける方向で。

5 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:26:18 ID:JMXoJpGIO
スレ立て乙。
雪風の単独スレは別に要らんだろ。少なくとも特撮板でやるのは明らかに周りに迷惑。
絵師ももう何もいいって言ってるし、あとは各自で管理人の動向を監視するって感じで。

6 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:39:46 ID:AlSZhqBRO
VIPでスレたてたのむ。

7 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:41:43 ID:DO4g3Fta0
【仮面ライダー裁鬼まとめサイト】
http://www.geocities.jp/reef_sabaki/
こっちも。

1おつ。
だけど、スレタイの為だけにこのスレ捨てて移動ってのは、鯖資源的に良くない。
きちんと消化してから次スレに行けばいいんじゃないかね?
まだ炎上中の話題だけに、雪風を黒歴史と言って初っ端から封じるのは無理だろ。

雪風単独スレについてだが、俺は賛成。
この話になったら、そこへ誘導するようにして、
こっちではスレ本来の活動を続ければいいと思う。
だが、特撮板で二次創作の個人サイトのヲチスレ立てるのは板違い。
ID出て内容と合う板と言えば、ネトヲチ板くらいか?
前スレで出ていたが、VIPではは三日でスレ落ちするので、
この件で立てるのは向かないと思う。

8 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:46:41 ID:Y8PaelJr0
>>7
確かに。とりあえずこのスレは消化する方向がいいか。
まだ解決したとは言えないから雪風スレはあってもいいかもね。
俺はもうスレ作れないから誰か頼む。

9 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 17:56:09 ID:JMXoJpGIO
今立てても持て余すだけじゃないのか?
今回の絵師はこれで終わりと言ってるし、なんかトップの謝罪も復活したみたいだし、
新しい燃料が投下されない限り、今後はひたすら管理人の厨ぶりを語って笑うだけになる気がする。
VIPPERのサガとしてこんなのすぐ飽きるし。

10 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:00:47 ID:AlSZhqBRO
持て余すならそれはそれでいい。
ただ雪風がこれで終わると思えんし、そのとき扱う場がないとまた類焼するだろ。

11 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:05:35 ID:EIrW95OI0
雪風問題のまとめってこんな感じでおk?
スレ立てるからまとめが欲しいって言ってる人いたからまとめたけどさ
ttp://www.uploda.org/uporg598278.txt

12 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:08:51 ID:JMXoJpGIO
>>10
確かに一理ある
だけど、もう終わりだろうってのも、これで終わるはずないってのも、ただの推測だしな
必要になったらそのとき用意すればいいわけで今は要らんだろ。
特撮板だろうとネトヲチ板だろうと、いかなる板にも無駄なスレは立つべきじゃないし。

13 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:17:00 ID:5VSUD/yGO
>>11
前スレで中間部分のまとめ作った者ですが、>>460>>464のミスでした。すみません
以下前スレ464

464:「中四国支部鬼譚」作者sage2006/11/26(日) 10:48:28 ID:IJPgP+Cr0
 友人から件のログが届きましたのでうpします。
 開いたスレは専ブラに全てログが残るのでそこから拾い集めてきたそうです。「好みの〜」スレの住人さん方なら同様に専ブラにログが残ってるんじゃないかと思いますのでそちらから確認してみて下さい。

 http://www.geocities.jp/hibikigaiden/memo.txt

 >>405の「ほとんどの絵師さんのぶんは勝手に載せていた」というのは、やはりというか偽りの発言であったこと。また、絵師さん方は結構好意的に転載許可を下さっていたことなどがわかり正直安心しています。
 今までどの絵師さんともトラブルは起きなかったのに今回に限って突然こういうことになってしまったのは本当に残念です。

 さて、場所を移すとすれば俺は>>460に概ね同意です。絵師さんも本来の居場所であるVIPの方が来られやすいでしょうし。


14 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:24:30 ID:XtrVev+r0
雪風(苦笑)

15 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 18:35:43 ID:EIrW95OI0
>>13
把握
まとめ作り手伝ってくれてdwww

とりあえずまとめ用にスペース借りてきた
でも結局スレ立てないからまとめ作った意味ナス\(^o^)/
ttp://www.geocities.jp/soratobi_a/top.html

16 :7:2006/11/29(水) 18:54:27 ID:DO4g3Fta0
>11
>13
ヲチ板に単独スレ立ててきた。
まとめサイト乙。リンクを張らせて貰った。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
http://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/

17 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 19:06:39 ID:JMXoJpGIO
結局立てたのかよ。
じゃあこのスレは元々の住人に返還するってことでいいんだな。
雪風について語りたいVIPPERは新スレに移動で。

18 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 19:38:11 ID:CFOLeSXo0
前スレでも、異様に空気の読めない人がいたので、これは忠告として聴いて欲しい。

ここはしばらく、VIPPERのヲチ対象になると思います。

しばらくは、沸点の低いVIPPERを挑発しそうなことを言わない方がいいでしょう。

では。


19 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 20:03:50 ID:A8hM0AxRO
確かに空気読めてないのは申し訳ない。
そのつもりは無かったにせよ煽った形になったのも詫びる。
ただ単にSS読める環境を返して欲しいだけです。

20 :見習いメインストーリー:2006/11/29(水) 21:37:01 ID:q8i8jC5Y0
スレ建て乙です。前回は前スレ>>251から

十七之巻「止める王」

 傷だらけになった純友と大洋が「たちばな」にやってきたのは、その日の夕方だった。
「どうしたの、そのケガは……!」
 香須実が驚いて言った。純友は口の端を少々切った他は、何か所かの打撲だけだったが、
大洋は顔も体もそこら中がアザだらけだった。
 店員用の休憩室に連れて行かれた二人は、香須実によって手当をうけた。手当が済むと、香須実
は「猛士の間に行きなさい」と言い残して、一人で後片付けをしている日菜佳の応援に行った。
 顔や体に絆創膏や湿布をつけた二人が地下への階段を下りていくと、猛士の間に勢地郎とみどり、
それにイブキ・あきら師弟が席に着いて待っていた。
「やあ〜、大変だったみたいだねえ。ま、そこに座って」
 鷹揚に勢地郎が言い、二人も席に着いた。
「ここに帰ってきてから、あきらちゃんのディスクアニマルの中にこれが紛れているのに
気づいたんだけど」
 みどりが、机の上にディスク形態になった消炭鴉を差し出した。
「もしかして二人とも、あきらちゃんが倒れた時そばにいたの?」
 その問いに、大洋が答えた。
「居たっていうか──行ったら、天美が倒れてた。そこには、アヤシイ黒いカッコをした
ヤツもいて──ソイツとやり合ってこうなった」
 大洋は自分と純友を指さして言った。イブキが、純友たちに対して言った。
「君たちがあきらをその男から助けてくれたんだね。師匠としてお礼を言わせてもらうよ」
「アイツはいったい何なんだ? 手からナンか衝撃波みたいのを出して、ディスクアニマルの
動きを止めちまうし。あと、気づいたらおれたちのケータイの電池が切れてやがったし。
……後を追ってったけど、いきなり消え失せちまったし」


21 :見習いメインストーリー:2006/11/29(水) 21:37:58 ID:q8i8jC5Y0
 うなずいてから、勢地郎は純友たちに言った。
「まあまあ、何があったのかその辺り、あとで報告書にまとめてほしいんだけど──
君たちが何故あの場にいたのかも含めて──まあ、それはそれとして、だ」
 普段は絶やさぬ笑みを消して、真顔で勢地郎は言った。
「今後もし、『あれ』を目撃したとしても、二人だけで後を追うのは、絶対に止めて
ほしいんだ。これは、関東支部の『王』としての私からのお願いだ」
 若干の間を置いて、勢地郎は続けた。
「『あれ』は『クグツ』と言ってね、危険な存在だ。もう二度と近づいちゃいかん」
「クグツ」
 大洋は勢地郎の言葉を繰り返した。
「ダンキさんに聞いたことがある。童子と姫を操っている、そういう名前のヤツがいるって」
「約束してくれるね。『あれ』をみつけたら、我々に連絡してくれるだけでいい。
それ以上のことは……危険だ」
 純友が隣を見ると、大洋はだまって下を向いていた。
「──はい」
 と返事をして、純友は大洋にも返事をするよう促した。
「はい」
 大洋の返事を聞くと、勢地郎は満足そうに頷いて、笑顔で言った。
「それじゃあ、報告書をよろしくね。書き方は、みどり君に確認して」
 勢地郎が地上への階段を上がっていくと、みどりは言った。
「ええと〜、純友くん」
 小さくなって前屈み気味に座っていた純友は、か細くハイと返事をした。


22 :見習いメインストーリー:2006/11/29(水) 21:38:30 ID:q8i8jC5Y0
「展示室に行ったら、ディスクアニマルが全部いなくなっていたんだけど……
もしかして、君たち?」
「え? あ、いや、消炭鴉が呼んできてくれたみたいなんですけど、どこから
呼んできたのかは……」
「君たちが帰ってくると同時に、ほとんどのディスクが展示室に帰ってきたから、
消炭鴉が呼んできたのはここに居たディスクアニマルってことになるけど」
 みどりが机の上にすっと始末書用紙を出した。
「持ち出し許可も無しに、しかもあんなに大量のディスクアニマルを使っちゃいけないの。
消炭鴉に始末書を書いてもらうわけにもいかないから、ごめんね純友くん。これ書いて」
 純友は涙目になりながら始末書の記入をはじめた。
「今回はぼくのせいじゃないと思うんですけど……」
 大洋は、現場で回収した、クグツによって動きを止められたディスクアニマルを
みどりに差し出した。あきらは、イブキに促されて席を立った。
 イブキに階段を先に上がらせ、あきらは純友を振り返って言った。
「あの時、意識はほとんどなかったんですけど、須佐先輩の声はかすかに聞こえて
いました。本当に、ありがとうございました」
「え?」
 泣きながら始末書を書いていた純友は、あきらの言葉に顔を上げた。
「『ぼくの友達に、それ以上手を出すな』って、そう言っているのが聞こえました」
 大洋にも、あきらは頭を下げて言った。
「田島先輩も、ありがとうございました。そんなケガまでして、助けていただいて」
「言うだけあって、目上に対する言葉遣いってヤツが丁寧だなオマエ。見習わせてもらうぜ」


23 :見習いメインストーリー:2006/11/29(水) 21:39:08 ID:q8i8jC5Y0
 すっかり気を良くして大洋は言った。そして、純友に向き直ると笑いながら言った。
「ナニ? オマエそんなこっ恥ずかしいこと言ってたの?」
「きみがアイツに痛めつけられていたから、思わず……」
「こっちは必死で、聞いてる余裕なんか全然なかったけどよ。よく言えんな、そんな台詞」
「二度と言うもんか」
 やりあっている二人を見ながら、あきらは顔をほころばせて近くに立つみどりに言った。
「友達って、いいですね」
 みどりが笑顔でうなずくと、あきらは一礼して地上への階段を上がっていった。
「でも──不思議なのよね」
 みどりは腕を組んで首をかしげながら言った。
「純友君、ディスクアニマルどうやって起動したの? 音叉をディスクアニマルに持って
来させるにしても、その前に最初の一枚を起動する必要があるでしょ?」
「ああ……それはたまたまその場にあった天美さんの鬼笛で──」
 あきらが戻ってきて机に両手を叩き付け、えらい剣幕で純友に言った。
「信じられません、他人の鬼笛を勝手に──みどりさん、監督不行き届きです!」
 みどりに向き直って言うと、あきらは走って階段を上がっていった。
「ちょっ……待っ──」
 純友はそれ以上言葉にならず、ただおろおろしているしかなかった。
「とりあえず多美ちゃんにこのこと報告しとくわ。じゃあな〜」
 意地悪く笑い、携帯電話でメールを打ちながら大洋も階段を上がっていった。
 しくしくと泣きながら始末書を書き続ける純友にお茶を出し、みどりはしばらく
気の毒そうに見守っていたが、かける言葉が見つからず、研究室へと戻っていった。

十七之巻「止める王」了


24 :見習いメインストーリー:2006/11/29(水) 21:39:54 ID:q8i8jC5Y0
次回予告

『よくわかんないけど、人助けをしたんでしょ? すっごいね〜』
「鬼になった姿はなかなかカッコいいでしょ? あれ見て」
「うわ。これ、写真だけ新しくなってて、データが先代さんのになってる〜」
「ごめ〜ん、弟子として、師匠の私を助けて」

見習いメインストーリー 十八之巻「誤る履歴」


25 :名無しより愛をこめて:2006/11/29(水) 22:05:40 ID:ruoPdTwj0
>>1スレたて乙。


26 :竜宮:2006/11/30(木) 18:36:50 ID:w+wWOUwn0
スレ立てありがとうございます。もう一つ別に立ててくださっているようですが、
とりあえずこちらの方に投下させていただきます。

27 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:41:14 ID:w+wWOUwn0
明日夢十夜
第六夜「夢の国」
こんな夢を見た。
  自分はかなり年配の立派な髭をたくわえた偉い人のようだ。どうも東京の博物館の館長らしい。
夢なので夢の中の自分が喋るまま感じるままにまかせることにした。

濃い緑の葉が紅葉に変わる季節。奈良は東京よりもやわらかい緑が風に揺れている。
  厳かに正倉院開封の儀式に立ち会っている時、開いた扉から白っぽい守宮(ヤモリ)が這い出てきた。
「あ!」
 叫びに眩しそうに少し止まり、するすると人間たちの足元を通り過ぎると木々の暗がりに消えていった。

「校倉(あぜくら)の中に入っていたんでしょうかね」
「どこから入り込んできたのかな?毎年一匹は入っているんだよな」
 そんな雑談が交わされるのは儀式が終わり、ひとしきり宝物が修復の場に移された頃。
一般開放されるようになった大正の頃。


28 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:42:40 ID:w+wWOUwn0
 宝物を点検する者。修理する者。

螺鈿細工の五弦の琵琶を扱っている若者が目に入った。おとなしそうな色白な。
だが、年に似合わない熟練した扱い方に目をひかれた。
細い、けれど鍛えられた指が無駄なく琵琶の表面を調べ、目がきつく蕩けるような輝きで古えの細工の技巧をなぞっている。
「彼はずいぶん若いようだね」
「螺鈿細工の職人の跡継ぎです。まだ学生ですが、細工師の血筋なので螺鈿細工に関してはかなりの腕です」
 興味がわき、その若者のそばに立った。
風呂敷包みが広げられ、筆のような道具や小刀などが見えた。風呂敷は一見ただの三つ巴のようだったが、
小刀やよく見ると撥のような小物もいくつかあしらわれ、家紋としては珍しい気がした。
 声をかけられると、ほんわりした笑顔が返ってきた。
「はい、母の家系が奏者でした。私の腕はまだまだですが。」
 螺鈿細工は青貝とよばれる夜光貝やあわびの内側の真珠層を削り、漆糊で埋め込んだり貼り付けたりするもの。
職人からすれば、千年あまり昔の技術に目を見張り、使われた道具をあれこれと探りながら、
自分の体の中に技巧と図案を染み込ませてゆくのだろう。
「どうかね」
「南海の夜光貝が使われていて、細工も見事なものですね。夜光貝は屋久島のものが一番良いのですよ。」
 物怖じしない態度ではきはきと答えながら、自分でも気付かぬ内に弦の外された琵琶を愛おしそうに扱っている。
何よりも琵琶を傾ける時の仕草が奏者のようにリズミカルだ。
「君は弾くほうもやるのかね?」
 声をかけられると、ほんわりした笑顔が返ってきた。
「はい、母の家系が奏者でした。私の腕はまだまだですが。」
 
「この楽器を奏でたら面白いだろうな」
「このまま弾くのは無理でしょう。修復しても丁寧に扱わなければ傷めてしまいます。
この見事な技巧に触れられるだけで緊張します」
 少し残念そうな口調を聞きながら、僕は彼の側を離れた。



29 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:45:16 ID:w+wWOUwn0
                               ◆

あちこちに柿の実がなる。雨が柿の葉に黒い漆のような艶を与え、水滴が柿の実をいっそう紅く光らせる。
雨の日は校倉は開かない。着物と下駄の普段着で砂利道をどこということなく散策する。
奈良漬も買った。もう少し散歩を続けたら家に帰ってのんびりやろうか。
木立に入り、茂みの側を通り抜けた時、震えがきた。森のように生い繁る頭上から刃が飛んできた。
転ぶように伏せたが、巨大な爬虫類が腕をのばし、爪を突き立ててくる。
吸盤の付いた鋭い手が目をえぐろうとしてきた。
 キン!
澄んだ音がしたと思ったら稲光が当たり一帯に降り注いだ。伏せながら仰ぎ見ると、
雷に当たり震えているのはヤモリのような姿の異様な生き物。
ヤモリの体液が傷口からこぼれ、こちらにも飛び散った。炭のような匂いがした。
「音撃!一心入魂!(いっしんにゅうこん) 」
 現れた一本角の異様な人が叫び、掲げ持つ楽器を鳴り響かす。人というより鬼だ。
楽器から閃光が走るたびにヤモリは震えるが、目を赤く錆びつかせ、叫びながら角の男に飛び掛った。
男が槍のように弦の楽器を振り回したが、切り裂かれるたびに怒りをました妖怪の方が鬼の足に暗い付いた。
肉を噛み切ると跳び退り、次の攻撃に移る。鬼は倒れるのを踏みとどまり、半歩あまり片足を退き、
腰を落とすと飛び掛ってきたヤモリを引き付けるだけ引き付け、弦楽器の先端で突き上げた。
西洋の楽器に似たその楽器は槍のようにヤモリを突き通し、鬼は片手で腰の円盤状のものを取り出すと、
ヤモリに取り付けた。
「音撃!無為自然(むいじねん)」
 澄んだ音が鳴り響き、光が突き刺したところからこぼれ、激しい爆発が起こった。


30 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:46:53 ID:w+wWOUwn0
「!?」
 だが爆発したはずのヤモリが、かけら同士つながりあい、猛る目のまま元の形に戻った。
「音撃が効かない?!」
 鬼のような目鼻の無い顔から声がもれ、口が開き炎を吹いた。
だが炎よりも早く、ヤモリが鋭い叫びをあげ、頭上の木に跳んだ。枝がたわみあい揺れ、あっという間に逃げ去った。
鬼が腰に下げた円盤型の木細工と油紙の折鶴を取り出した。
「後を追ってくれ!」
 鬼が息を吹きかけると円盤が獣に変り飛び去り、油紙の鶴も雨をぱらぱらとはじきながら舞い上がり、
ヤモリの去った方角に消えた。
切り裂かれた足で立ち上がろうとする鬼を止め、傷口の具合を確かめた。
「大丈夫です。このくらいの傷すぐ治りますから」
 傷口が光りつながりはじめた。
「グッ」
 苦しげにうめくと鬼が膝をついた。小さくはなっているがかなり肉が深くえぐられているようだ。
溶液のようなもので溶かされているが、光が徐々にその傷を消している。
黒光りする金具のような体から肉がのぞき血が流れていることが興味深かった。
異物は入り込んでいないようだ。袂をちぎり包帯のように巻いた。
「送っていこう。肩につかまってくれ」


31 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:50:00 ID:w+wWOUwn0
 ぺしゃりとやわらかいものを踏んだ。足元につぶれた粕漬けが転がっていた。
「すいません」
「助けてくれて、あやまることはないだろう」
 こちらが笑うと鬼はますますしょげて、それからポンと手をたたいた。
「ちょっと待っててください」
 痛そうな足を、それでも意外なほど軽快に動かすと、がそごそと茂みの向こうに消えた。
小さな風呂敷包みを持って現れた。
「わたしもちょうど買ってきたところなんで。美味いですよ。よかったら食べてください」
「君の分は」
「わたしはいつでも買えますから」
そう言うと、ぺこりとお辞儀をして茂みの向こうに消えていった。
 雨はそぼろ雨となって降り続ける。包みを開け、包まれた奈良着けをぽりりとかじってみた。
「美味い」
 さあ、この風呂敷はいつ返そうか。三つ巴に小刀をあしらった変った家紋付の風呂敷を。
だが次の日、彼は来なかった。昨日の雨がうそのようにからりと晴れ、晴天が続いた。


32 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:51:38 ID:w+wWOUwn0
                       ◆

 翌々日、青年が再び校倉に現れた。生々しい記憶は薄れないが、心が平穏さを取り戻してきていた時だった。
職人ならばわずかの時でも触れていたいであろう宝物に向かいながら、考えこむような仕草が返し物を言いそびれさせる。
「先日はありがとう」
 頃合をみはからって、たたんだ風呂敷を差し出した。礼をして受け取りながら、青年の表情がはっと強張った。
おそるおそる目を上げ、それから悪戯を見つけられた子供のようにバツのわるそうな笑顔になった。
「体調を崩していたそうだね。うまくいかないのかい?」
「ええ。でもどこに潜んでいても必ず見つけますから」
 そう折り目正しく礼をすると、古楽器の状態を調べに戻った。だが初日の様子とは違っている。
宝物に触れられるわずかな期間、しかも修行中に身にとっては一日休むことも歯がゆかったことだろう。
だが冷静に見えるその心は、あの妖怪の行方を追いかけているのだろうか?
「他のことを考えているなら、ここには来ない方がいい」
 青年が目をしばたたかせた。
「君が命を護ってくれたことは分かっている。だが、この宝物はこの国の宝だ。
君もプロならば乱れた気持ちで触ってほしくない」
 青ざめて立ち上がる。
「分かりました」


33 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:53:01 ID:w+wWOUwn0
 その時、古裂を保存、整理する者達が通りかかる。塵芥の入った箱を大切そうに持ち、話している。
「このままじゃなく、少しでも元の形に戻してやりたいよな」
「粉になっていても奈良の都の頃からのものだものな。修復して次に伝えなきゃな」
 青年が打たれたように呟いた。
「粉……」
 青年は引き締まった表情で元の位置に座り、螺鈿琵琶を仰ぐように、目を凝らし見、修復すべきところを探し始めた。

 風呂敷にかかった飛沫(ひまつ)。鬼の体にはねた魔化魍の体液。
墨の香り。

 「そういえば、ここには古楽譜もあるそうだね。いずれにせよ許可はこちら(奈良)の管轄だろうがね」
僕の言葉を聞いたかどうかは分からなかった。
 空は晴れ、日は過ぎ、曝涼(ばくりょう[虫干し])の季節も終わろうとしていた。
 肌を刺す風が湿り気を帯び、久しぶりの雨が来る。



34 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:54:06 ID:w+wWOUwn0
                        ◆


  公園の茂みの陰に立ち、僕は何かを待っていた。滝のような土砂降りの中。
耳を澄まし、異国の言葉を聞き分けようとするように、何かが蠢きだす気配を。

「もうじき現れます。絶対にこの茂みから動かないでください」
側に鬼が立っていた。
 どう言って借り出したのか手には五弦の琵琶が握られていた。
鬼の力か、琵琶には薄く光る皮膜がかかり、雨をはじいている。
よりあわされた絹の糸が弦として張られ「ていた。

「よく絹の糸が用意できたね」
「助けてくれる仲間がいますから」
それ以上は聞くなという風情だった。

濡れて光る足元に、ゆっくりと墨の色が流れてきた。


35 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:56:25 ID:w+wWOUwn0
「頭上だ!」
「大丈夫!!」
 鬼の放った式神の鳥達がヤモリの妖怪を取り囲み、飛び掛るヤモリの速度を緩める。
緩慢と落ちてくる妖怪に向け、鬼が琵琶を奏でた。
 それはおそらく古楽譜を読み解いた音。
爪弾かれる音が鳴り響くたびにヤモリの落ちる速度がさらに緩み、弦の糸が一本ずつ切れてゆく。
音が雨粒の中に吸い込まれるような時間。
 最後の弦が切れた時、音の無い爆発が起こり、雨煙の中から、白い小さなヤモリが鬼の手に乗っていた。
きょとんとして、ふるふると頭を振ると、あっという間に鬼の手を滑り降り雨の中に消えていった。
 手に残った墨を式神達に吸い取らせると、鬼はぺこりと頭を下げた。
「助けてやったのかい?」
「とんでもない。先にヤモリの方が護られていただけですよ。
きっと魔化魍に変化させられる前に校倉の宝物に触れたのでしょう。
あそこには私よりもはるかに式神や陰陽の力に長けた方々の思いのこもったものがありますから」
 そうか、そう呟きながら無性に嬉しい気がした。
「ヤモリ(守宮)も毎年一匹ぐらいは校倉に入っているそうです。校倉を守るために入っていてくれるのかもしれない、
ここではそう言われていますから」
 鬼は笑い声をたて、礼をすると雨の中に消えた。

 明日は晴れるだろう。曇りのない青空の中、閉封の儀式が何事も無かったように行われることだろう。



36 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 18:57:30 ID:w+wWOUwn0

  人も鬼も気付いてはいなかった。僕が僕に戻り、彼らのはるか後ろを見ていた。
   去り行く人達を眺めながら、茂みのはるか向こうに男女が立っていた。 着物姿の童子、姫、
「心を込めたものが入れば、魔化魍も強くなるのだね」
「クグツの血でも良いかしら」
「そうだな。我らの想いが継がれてゆくのだから」
 なにか大切なことが彼らの心を通り過ぎた。だがつかめぬまま、その言葉はただ舌の上を通り過ぎ、
人の心の分からぬ生き物達は闇に消えていった。

 式神達の零(こぼ)した墨が雨の中に三十一字を(みそひともじ)を滴(したた)らせる。

夢の国 燃ゆべきものの燃えぬ国 木の校倉の 永久にたつ国(森 ?外)



37 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 19:10:19 ID:w+wWOUwn0
書き込み時に漢字変換がうまくいかなかったようですが、
 夢の国(以下略)の歌は森おう外の実作です。森鴎外なら書き込みできるかな?
 正倉院開封の儀の時にヤモリを見たというエピソードもほんとうですが、
いつどんな風に見たか、歌を詠んだ時はいつか、
その他もろもろ年代も全部空想なので本当にしないでください。
 屋久島の貝が螺鈿細工に良いということを聞いて使ってみたくて作った話です。
せめて正倉院展の開かれた11月中に投下しときたかったので投下させていただきました。


38 :竜宮:第六夜「夢の国」:2006/11/30(木) 19:37:01 ID:w+wWOUwn0
古裂、塵芥は正倉院にある古布のことです。塵芥はほとんど粉状になった
ものだそうです。

39 :名無しより愛をこめて:2006/11/30(木) 20:35:13 ID:4WAmnvG90
旧漢字は「JIS第一・第二水準」に含まれているものしか表示してくれません。
森鴎外の「鴎」の古いほうの字は残念ながらそれに含まれていないのです。

http://yasuda.homeip.net/misima/misima.html
こういう便利なものがありますのでご活用ください。

40 :名無しより愛をこめて:2006/11/30(木) 22:18:23 ID:6f2xoD8Q0
D年マダ?

41 :名無しより愛をこめて:2006/11/30(木) 23:44:07 ID:JJMIb4Zt0
気長に待ちんしゃい。

42 :名無しより愛をこめて:2006/12/01(金) 00:57:56 ID:KpLlP79I0
>>竜宮作者さん
本編中で
「はい、母の家系が奏者でした。私の腕はまだまだですが。」
というのが二回出てくるけど一回目のはミス?
前後の文とかみ合わないので…

43 :竜宮:2006/12/01(金) 01:36:41 ID:R4HC1JGr0
>39さん ありがとうございます。こういう便利なのがあったのですね。
自分のPCでは出ていたので書き込んでみて?マークにありゃ、と思いました。
>42さん うっかりしてました。28部分1回目はミスです。
後に入れたほうがつながりがいいかなと思ってコピーした時に
前の分を消すのを忘れていました。ご指摘ありがとうございます。
 夏目漱石の「夢十夜」の映画が新春ロードショーされるらしいので
自分の近くで公開してくれるかどうかはともかく
年内中に最終夜まで投下してしまいたいなとは思ってます。

44 :名無しより愛をこめて:2006/12/01(金) 23:23:59 ID:l4FagnkR0
まとめサイトさん、いくらVIPと揉めたからって中四国作者さんのサイトをリンクから外すのはどうなん?
ちょっと気にしすぎな気がするけど。

45 :名無しより愛をこめて:2006/12/01(金) 23:39:55 ID:dbK47tYvO
緊急避難として賢明だろ!

46 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 00:23:14 ID:a484Kczf0
>>44
凱鬼作者さんのも消されてますけど?
用語集だって消されてんだから公平じゃないか。

47 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 00:31:53 ID:rajCCox00
>>44
まるまる一スレも進行が止まるほどの騒ぎだったからね。
気にする人がいてもおかしくは無いと思うけど?


48 :DA短編の人(年中行事ではありません):2006/12/02(土) 00:38:01 ID:a484Kczf0
>>見習いSS作者さん
今冬投下予定の「雪ごろも」で、見習いSSの十六話に活躍した消炭鴉の辺りを、
2,3行ほどだけ消炭鴉の視点で書かせていただいても、差し支えないでしょうか?

49 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 01:24:36 ID:eUNpK3kL0
>>44
>>46
あ、本当だ。
どうしてこのタイミングでリンク削除?
このスレの事情を知らないでまとめサイトを見る人もいると思うんだけど混乱しないかな

50 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 07:06:49 ID:9/cSswwu0
まあ、もう少し様子を見てから再開するつもりなんじゃん?
これに対してリンク先が怒鳴り込んでくることもないでしょ。

51 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 09:43:07 ID:5Mylea2MO
このスレに最近来たばかりですが、用語集には全作品入ってないのですか?
入っている作品は何々ですか?またその取捨選択の基準は?


52 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 12:16:08 ID:fJWR1+4w0
>>51
過去ログ見てきなよ。

53 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 12:24:09 ID:eUNpK3kL0
俺はあることに気付いてしまった
中四国支部鬼譚がスレに直接投下されるようになったのは最近のことで
それより以前の話数は投下されていないからまとめサイトにも載っていない
それらの話数を読むためには中四国支部鬼譚のサイトへ行くしかない
だけど現行スレ(ここ)にはそのサイトへのリンクが無い(前スレにはあった)
これだけでも結構な問題なのに、その上まとめサイトからのリンクも消えてしまった
これでは、中四国支部鬼譚には独立したサイトがあることを新参者は知る由もない
まとめサイトに載っていない話はどこで読めるのか全く分からない
これはかなりの大問題だ
中四国支部鬼譚には独立したサイトがあって、まとめサイトに載っていない話数は
そのサイトで読めるのだということは、現行スレのテンプレか、それが無理なら
まとめサイトで絶対フォローしなきゃいけない情報だろう

54 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 12:43:36 ID:2r1LQqac0
どちらも結構由々しき問題だな。

>>51
用語集は、作ってる人が忙しいから全作品網羅に手が回らないって事情だった。
それで、用語集にまだ入ってない作品については、各作者自身か、
もしくは有志で作成してはどうか、という話も出たはず。
結局実現に至っていないが、この際本気でそれを考えてみてもいいかもしれないな。

>>53
ああ、確かに。
このままだと新参は絶対混乱するし、まとめサイトの中の人には早く対処して欲しい問題だ。
で、気が早いが次スレからはテンプレも復活させるかな。

55 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 12:54:47 ID:fJWR1+4w0
管理人がバレバレでレスするのが楽しくなってきた。

ところでイメージキャラを勝手に想像するってダメかな?
個人的には
カチドキ=大沢たかお
南雲あかね=鈴木京香
な感じなのだが。



56 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 13:17:21 ID:Yik7UTve0
雪風関連の書き込みはこちらへどうぞ。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
http://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/l50

まとめ関連の事も雪風事件から派生した問題なので、
向こうで話すのがいいと思う。
また揉め事ログが伸びて、作品投下する雰囲気じゃなくなるし。

57 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 14:39:21 ID:5Mylea2MO
>>54
もしも、作者さん達が出来なくて有志で作ることになったら俺も協力しますよ。
今は「皇城の守護鬼」を読んでいるところなのでその用語集なら書けます。

58 :見習いメインストーリー:2006/12/02(土) 15:35:13 ID:BNHU4w8T0
>>48さんOKです。前回は>>20から

十八之巻「誤る履歴」

 黒装束の「クグツ」と遭遇したその日の夜。純友の携帯電話に、神戸にいる橘多美からの
メールが届いた。
 メールには「また田島くんに聞いたよ〜。純友くん、サイテ〜」とあった。
 必死で言い訳のメールを書こうとしたが、猛士にかかわることはあまり詳しくは書けないし、
文章でうまく説明できない。一人で部屋の中でうろたえ続けていた純友は、これしかない、
と思い「電話してもいいですか」というメールを出した。
 その後、部屋の中で立ったり座ったり、うろうろと歩き回ったりすること十分弱。
 多美から、電話番号のみを書いたメールが来た。震える手で番号を打ち、携帯電話を耳に
あてて呼び出しを待つ純友。
『はいはーい』
 意外に明るい声で多美が電話に出た。
「あっ、あのっ、たたた橘さん、違うからね!? 大洋が何を言ったか知らないけど、
ぼくは決してそんな──」
 携帯電話のスピーカーの向こうから、ころころと笑う声が返ってきた。
『よくわかんないけど、人助けをしたんでしょ? すっごいね〜』
 大洋がどこまで話しているのかがいまいちわからないが、とりあえず電話の向こうの
雰囲気は悪くはなかった。二ヶ月ぶりに聴く多美の声が、耳に心地よかった。

 次の日曜、「たちばな」地下での研修は、引き続き太鼓の鬼についての講義が行われた。
「これ、前にも見たことあると思うんだけど」
 と言って、みどりはロッカーから、鬼たちの履歴をまとめたファイルを持ってきた。
「関東にはいま太鼓の鬼さんが四人います」


59 :見習いメインストーリー:2006/12/02(土) 15:35:54 ID:BNHU4w8T0
 みどりはホワイトボードにカタカナで四人の鬼の名を書いていき、一番最初に書いた
ヒビキの名前の横になぜか花丸をつけた。
「関東の太鼓の鬼っていったらやっぱりヒビキ君。もう二十年ちかく鬼をやっていて、
去年の関東での戦績ナンバーワンなんだから。普段はなんかその、ああいう感じだけどね」
 純友と大洋が覚えているのは、一緒にディスクアニマルの講義を受けた時に居眠りを
していた姿がほとんどだ。
「鬼になった姿はなかなかカッコいいでしょ? あれ見て」
 みどりは部屋の隅の棚の上に飾ってある何枚かの写真を指さした。「たちばな」の前で、
みどりと二本角の鬼が並んでいる写真があり、純友たちの手元にあるファイルのヒビキの
頁にも、同じ鬼の写真があった。大洋は棚の上の写真を見て訊いた。
「なんでツーショットなんスか?」
「ああ、私とヒビキ君、同級生だから」
 続いて純友が訊いた。
「え? じゃあ猛士に入ったのって──ぼくたちみたいに、学校の行事で何かあって……?」
「ええと、学校とは関係ないけど……ま、互いに影響を受けてるのは確かかなあ」
 次にみどりは、ホワイトボード上の「ゴウキ」という名前を指して言った。
「で、ゴウキ君は去年、ヒビキ君に次いで支部で戦績ナンバーツーだった鬼さんね。
『飛車』さんと職場結婚したばっかりだから、いまは新婚さんいらっしゃいって感じ?」
 何と言っていいかわからない二人の少年の反応を見て、みどりは「あ、ゴメン」と
謝ってから、続いてダンキの名前を指した。
「まあその、戦績順に書いてるってわけじゃなくて、これは年齢順なんだけどね。
ダンキくんは、まだ若いほうかな〜。鬼になって四、五年だったと思うけど」


60 :見習いメインストーリー:2006/12/02(土) 15:37:02 ID:BNHU4w8T0
 最後に、みどりはホワイトボードの一番下に書いた「エイキ」という名を指した。
「彼が、太鼓の鬼の中でも、関東の鬼の中でも最年少かな。イブキくんとかもそうだけど、
君たちとは一番年齢が近くて、まだハタチくらい」
 純友は、自分と大洋の机を跨いで広げていた鬼のファイルのエイキの頁を見て言った。
「でも、このエイキさんって人、生年月日からすると二十八……とかじゃないですか?」
 大洋もファイルを見ていった。
「ホントだ。このエドエイタローって人の生まれた年、俺たちより十年以上前っスよ?」
「えっ?」
 みどりがファイルを取り上げてエイキの履歴を見て言った。
「うわ。これ、写真だけ新しくなってて、データが先代さんのになってる〜。日菜佳ちゃんに
言っとかなきゃ」

 研修を終えた後、みどりが純友にだけ残るように言った。
「なんですか?」
「ごめ〜ん、弟子として、師匠の私を助けて純友くん」
 両手を合わせてみどりは頼みこんだ。最近『と』から『角』に昇格した戸田山──鬼名、
トドロキのディスクアニマルの整備が追いつかず、純友にも応援を頼みたいという。
「最近、ディスクアニマルをいつも傷だらけにして帰ってくるのよ」
 確かに、純友の前に並べられたディスクアニマルたちには、傷や細かい破損、歪みなどが
数多く見られた。
 みどりは設計室の壁際の机で、純友は研修のために出してあった机の上で、それぞれ
青磁蛙や茜鷹などの整備を続けた。


61 :見習いメインストーリー:2006/12/02(土) 15:37:42 ID:BNHU4w8T0
 みどりは一体の整備が終わると、音叉を鳴らして起動テストをした。純友は、それを
うらやましそうに見ていた。視線に気づいてみどりが顔を上げる。
「ん?」
「……すみません。ぼく、起動できなくて」
「ああ、忘れてた」
 ファイルロッカーを開けたみどりが、紐で翡翠の様な石を連ねた腕環を取り出して純友に渡した。
「コレ、『陰陽環』っていうものなんだけど、着けて、青磁蛙を起動してみて」
「え? でも──」
 純友は、環を腕に着け、整備が終わった青磁蛙をみどりから手渡された音叉で叩いた。音が響くと、
今まで純友が一度たりとも起動できなかった青磁蛙のディスクが色づいて、蛙の形に変形した。
「ああ……ええっ!? ぼくに、起動できた!」
「実は、講義の初日にちらっと言ったんだけど、鍛えてない人でもディスクアニマルを起動できる
方法があるのね。それがこの、陰陽環」
 鬼の呪力が込められた腕輪で、これを嵌めれば、誰でもディスクアニマルの起動が可能となり、
また鍛えている者であれば、ディスクなしでも炎等を式神として使役できるようになるという。
「この原理を利用して、本部では色々新しい機器を開発中よ。そのうち、ディスクのテストを
自動的に行うシステムとかもできるかもね。──その前に、毎回大量のディスクに整備が
必要っていうこの状況もどうかと思うけど」
 ため息をついてみどりは言った。純友は、みどりに背を向けて肩を震わせていた。
「で、でででで、できたぁぁぁ……」
「この支部には一つしかない貴重なものだから、大事に使ってね──って、聞いてる?」
 喜びのあまり涙が止まらない純友を見て、くすりと笑いながらみどりは紅茶をいれに行った。

十八之巻「誤る履歴」了


62 :見習いメインストーリー:2006/12/02(土) 15:39:08 ID:BNHU4w8T0
次回予告

「まあ……その……見習いというか」
「ああ、じゃあ天美さんと同じですね。天美さんも鬼の見習いですから」
「同じじゃありません、そんな人」
「イケてんじゃん!?」

見習いメインストーリー 十九之巻「取り持つ少年」


63 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 16:20:35 ID:eUNpK3kL0
>>56
いや、これは中四国支部鬼譚(雪風)の管理人さんに関してどうこうというのではなくて
新参者のことを考えると今のまとめサイトの現状はどうか、という話題なので
そちらさんへの誘導は無用です。

64 :まとめサイト:2006/12/02(土) 16:55:50 ID:XnFe2hQ+0
リンクの削除について。
2ch(2ch系サイト含む)と一般サイトでは風土が異なるので、私がリンクしたサイトのそのまた先々の一般サイトが2chのノリで炎上なんてことになるのも嫌だなというのがリンク削除の理由の1つです。
また、リンク集があるとそれの保守をしなくてはならなくなるのが面倒で嫌になったのも理由です。
語弊はありますがいい機会なので今後はリンク集は作らないことにします。
スレこそがスレ住人を結ぶ中心だと思うので、スレを軸にして繋がっていればリンク集は不要だと思います。
スレや過去スレにリンクがあるのだし。

新参者への配慮ですが「過去ログ嫁」で十分だと思っています。

前スレのログですが、手が空いたらUPしておきます。

65 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 17:24:14 ID:eUNpK3kL0
>>64
とりあえず中四国支部鬼譚の他の話数がどこにあるのかの説明は
適当なところに入れたほうがいいんじゃないですか?

66 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 19:53:40 ID:Z7sER+L/0
>>55
俺も面白い

67 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 19:58:14 ID:z9FkzzQmO
雪風問題は向こうに用意されている。
あえてこっちに書くのは便乗した荒らしとみなす。

68 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 20:47:45 ID:Yik7UTve0
>49 >53 >63 >65
ID:eUNpK3kL0

判りやすい釣りだよな。
っていうか自演乙というべきなのか。
真面目にSSの邪魔なんで、向こういってくんない?

69 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 21:12:22 ID:2r1LQqac0
>>68
このスレのまとめサイトなんだからこのスレ全体に関わる話だ。
ここの住人全員が向こうを見てるわけじゃないんだから、
スレ全体に関わる話はここで話すのが当たり前だろう。
俺にはお前のほうが釣りに見えるよ。>>67はお前が携帯で書いたんだろうし。
釣りじゃないとしてもお前は勘違いしてる。
誰も雪風管理人に配慮してるんじゃない、このスレに新しく来る新参に配慮してるんだ。

あと念のため言っておくが用語集の話題は誰がどう見てもこのスレでやるべき話だからな。

70 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 21:53:18 ID:z9FkzzQmO
出ると思った自治厨気取りw
作品読みたく無い奴は邪魔!
ここは作品投下にして向こうで話すって趣旨だろ?

71 :名無しより愛をこめて:2006/12/02(土) 23:15:29 ID:rD8MwQEG0
最近はSS読むのと厨死酷の管理人の書き込みを見破るのがこのスレの新しい楽しみ方になってる。


72 :名無しより愛をこめて:2006/12/03(日) 02:05:43 ID:kCdJwCXy0
ID:fJWR1+4w0 ID:Z7sER+L/0 ID:rD8MwQEG0
こいつの煽りは一切相手にせず脳内あぼーんするように。
向こうのスレでもそういう結論になった。


で、上のほうで出てた用語集の話だけど、今のところ用語集に載ってない作品の作者さんの中で
自分自身の作品の用語集を自分で作ってもいいよっていう作者さんはどれくらいいる?
名乗り出てみてほしい。

73 :名無しより愛をこめて:2006/12/03(日) 04:25:23 ID:ZIO+EGMpO
スレを元に戻しましょう!
そのためには作者さん方がSSという燃料を投下して下さい。
住人も一言でいいからコメント寄せると良いです。


また鬼達に逢いたいです(ノ_・。)

74 :凱鬼作者:2006/12/03(日) 11:55:26 ID:TYsD3RPx0
やっとPC復帰・・・。
>>72
時間があれば作りたい・・・。

75 :名無しより愛をこめて:2006/12/03(日) 21:25:53 ID:w8/f2Wp7O
おお、良い感じの流れになってきたな。
用語集を皆で作るのはすごくいいアイディアだと思う。
VIPのことで色々ゴタゴタはあったけど、これを機に
スレの団結力が一層高まったらいいな。
雨降って地固まるというし。

76 :名無しより愛をこめて:2006/12/03(日) 21:27:54 ID:xKDRkoH10
用語集の情報提供なんかはここでやってもらうの?それとも別に場を設けるの?
皇城みたいにチラ裏とかかいてもらうとか?

77 :名無しより愛をこめて:2006/12/03(日) 22:08:33 ID:kCdJwCXy0
>>76
本家用語集は、SSで書かれた内容を収集しているだけで、
用語集のために各作者さんが書き下ろされた設定とかは無いよね。
だから読者が作るとしたらSSを熟読して書くしかないし、
作者さん自身が作る場合も、SSで語っていない設定を出したりはしないで
あくまでSSに既に書いた内容だけを入れるのが、整合性が取れていいと思う。
場所はどこかに避難所でも作ったほうがいいのかな?

78 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 00:39:14 ID:U+FPlgL8O
>>77
そりゃどこか別の場所でやるべきでしょ
こんな場所に投稿したい職人さんなんていないだろうし

↓それこそここなんか良いんじゃない?
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/

79 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 01:57:20 ID:txERLMxHO
向こうはここが荒れてるのを見かねてVIPが立ててくれたんだろ?
スレ乱立はイクナイけど雪風問題以外に使うのもどうかね?
かなり好意的な態度の人達に失礼じゃないかね?

80 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 07:16:00 ID:bpac9Qgo0
>>78は例の煽りだから相手にしない。
その内、「雪風管理人の自演書き込みがバレバレで今日も面白いなあ」とか言い出すよ。

81 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 11:12:33 ID:UVWpAB8eO
各自、現行の用語集の様式をそっくりそのまま真似てhtmlで作り、どこか適当なロダに上げればいいと思う。
ロダなんて幾らでもあるから迷う必要はないかと。
最終的には、それらの用語集を、用語集サイトさんに現行用語集に合体(吸収)してもらうということでどうか。
用語集サイトさんもいくら多忙とはいえ、皆が作った用語集を現行用語集に組み込んでくれる余裕はあるはず。


82 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 11:32:25 ID:0p7HBaR20
ここと重複で立ってるスレがあるんだけど、
↓を用語集用のスレにしたらどうかな?

鬼達の活躍するSSを創るスレ【響鬼】(仮)
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1164864944/


たとえば、名前欄に作品名(作者名)を書き、
記事欄に用語と説明を書くとか…
様式を最初に決めておけば、文字検索もしやすいと思うし、
記事をエクセルとかの表計算ソフトで纏めれば、
一つのスレでいろんな作品の用語があっても作者や作品ごとにソートも出来る(htmlの書き出しも)。
まあ一案だけど。
ただ、これをやるには誰かまとめ役が必要になると思う。
俺は今忙しくて出来ないけど。
案だけ言いだしっぺでごめん。

83 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 12:09:57 ID:d2f/atR2O
この先SS発表してくれる作家さんってどのくらいいるの?
最近あまり見てないから気になってた

84 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 13:31:07 ID:bpac9Qgo0
>>81の案と>>82の案とだと、俺は前者がいいと思う。
後者はスレに書き込んだ内容をhtmlに直す必要があるし、それをやるまとめ役も必要になる。

>>81の案に補足して提案だが、新しく作る人は本家用語集をhtmlで手元に保存してしまって
それを直に編集して用語を付け足すというのはどうかな?
本家に載ってないSSの内容を新たに加えるなら、元々あった方も微妙にいじらなきゃならんし。
(例えばあるSSに登場する「A」という用語が既に本家に載っていて、そのSSと設定が異なる別のSSにも
「A」という用語があり、それを新たに加えるなら、元々あった方に「○○SSのほうのA」という説明を
付け加えなければならない)
このやり方なら、本家用語集の人にも余計な作業をしてもらわなくて済むし。
大勢がてんで勝手に作業を進めてると結局あとで全部合体させなきゃならなくなるから、
ある人があるSSの用語を完全に付け加え終えたあとで、別の人がそのhtmlファイルを引き継いで
自分の担当するSSの用語を付け加えて、また別の人に渡すというリレー形式にする必要がある。

85 :名無しより愛をこめて:2006/12/04(月) 15:06:13 ID:rrilebTA0
あんまり詳しい方じゃないから気楽に書き込める方法がいいな。

86 :見習いメインストーリー:2006/12/05(火) 23:24:02 ID:bTv5xJlr0
前回は>>58から。

十九之巻「取持つ少年」

 六月に入り、先月の太鼓の鬼についての講義に続いて、管の鬼についての講義が始まった。
みどりは、先日猛士の間で会ったイブキを例に出して、管の鬼の説明を始めた。
 イブキと聞いて、純友はその弟子の「と」、天美あきらのことを思い出した。
 学校でも、「たちばな」でもまったく会っていないが、先月の一件以来、気まずいまま
時間が過ぎている。ある日曜の研修の後、残ってみどりと共にディスクアニマルの整備を
してから、夕方過ぎに帰ろうとした時、「猛士の間」であきらと顔を合わせてしまった。
「あ……その……」
 口の中でもごもごと何か言いかける純友を無視して、あきらは部屋の一角にあるパソコン
に向かい、報告書の提出作業を続けた。
 そこに、店の作務衣を着た少年が一人、入ってきた。
「天美さん、授業のノートのコピー持ってきたよ」
 純友と大洋は立花勢地郎から、今月から「たちばな」にアルバイトが一人入ると聞かされて
はいたが、まだ顔合わせはしていなかった。そこに現れたのは、純友も遠くから見たことのある、
ヒビキの友人、安達明日夢だった。
「あ、あれ?」
 純友とあきらの間にある張り詰めたものを感じて、明日夢は二人を見比べた。
「あの、はじめまして。安達明日夢です。──猛士の方ですよね」
「まあ……その……見習いというか」
「ああ、じゃあ天美さんと同じですね。天美さんも鬼の見習いですから──」
 言いかける明日夢に背を向けたまま、あきらは厳しい口調で言った。
「同じじゃありません、そんな人」


87 :見習いメインストーリー:2006/12/05(火) 23:25:12 ID:bTv5xJlr0
 やはりまだ、勝手に鬼笛を使用したことを怒っている。何も言えず、純友は涙目でうつむいた。
 明日夢は、純友とあきらの様子を交互に見て、どうしたものかと考えていた。

 翌週も、引き続き管の鬼についての講義が続いた。
「管の鬼の戦い方は、遠距離攻撃。空を飛ぶ魔化魍や高速移動をする魔化魍に対して、空気弾を
打ち込むことから攻撃が始まるから、スピード重視で、なおかつ精度の高い射撃能力が優先されるの」
 戦い方につづいて、扱う魔化魍の話を終えた後、みどりはホワイトボードに鬼の名を書き出し、
純友たちには鬼の履歴ファイルを渡した。
 ホワイトボードの一番上に書いた名前を指して、みどりは言った。
「まず、トウキさん。彼が関東の管の鬼の最年長。奥さんと息子さんとの三人家族なんだけど、
奥さんが『飛車』で、息子さんは『と』で──つまりは一家そろって鬼の活動をしてるのね」
 履歴書ファイルには、そうした家族構成も載っていた。
 次にみどりは、ホワイトボードにカタカナで書かれた「ショウキ」を指して言った。
「ショウキ君は管の鬼だけど、両腕に鉤爪の武器を着けていて、接近戦も多用する鬼さんね。
ダンキ君と同じで体育会系で、なんか気が合うみたいで、どっちかが出動の時は、もう一人が
『飛車』の役をして、よくお互いサポートしてるんだけど──大洋くんは、会ったことある?」
「いや、まだ」
 大洋は、ファイルのショウキの頁にある写真を見た。Tシャツ姿の青年が笑顔で写っていた。
 続いて、みどりは上から三番目にある「フブキ」という名を指した。
「フブキちゃんは、関東では唯一の女性の鬼よ」
「イケてんじゃん!?」


88 :見習いメインストーリー:2006/12/05(火) 23:25:48 ID:bTv5xJlr0
 大洋がファイルにある写真を見て言った。純友は、多美に言いつけてやろうと密かに思った。
「射撃能力だけで言えば、全国レベルの実力者よ。それだけが管の鬼の力のすべてってわけじゃ
ないけど、そのことで本部でも名が通っているのは確か」
 みどりは、ホワイトボードの一番下に記したイブキの名を指して言った。
「で、最後がイブキ君。会ったことあると思うけど、彼は吉野にある宗家の三男坊で……
本当に、お坊ちゃんよね〜。でも、君たちとそう変わらない年から鬼の活動を続けていて、
彼の鬼としての実力は相当なものよ。あの若さでもう弟子がいて──って、あきらちゃんのことは
もう良く知ってるよね。おんなじ学校だし。仲良くしてる?」
 大洋は元気良くオウ、と答えたが、純友は何も言えなかった。

 六月半ばの日曜日、みどりが吉野の本部に出張のため研修はお休みだったが、純友だけは
「たちばな」にやってきた。今週も、ディスクアニマルの整備にかり出されたのだ。
 既に先週のうちに、純友は陰陽環を監督なしで使用するための申請書を書いていた。
 ──本来この腕環は、鬼が修行の最初の段階で師匠の許可を得て使用するものであり、
師匠が弟子のために吉野から取り寄せるのが慣例となっている。純友は、関東支部の外に
持ち出さないことを条件に、腕環の使用許可を得ていた。
 右手に陰陽環、左手に鬼弦を装着して、地下の研究室で一人黙々とディスクの整備を続けて
いると、そこに誰かが入ってくる気配があった。
 入ってきたのが天美あきらであることに気づいて、純友はその場から逃げ出したくなった。
 硬い声と表情で「失礼します」と言って入ってきたあきらに、純友はおそるおそる黙礼を
返すしかなかった。


89 :見習いメインストーリー:2006/12/05(火) 23:26:49 ID:bTv5xJlr0
 純友の背後で、ロッカーを開ける音と、何かをカチャカチャといじる音が聞こえた。
やがて鬼笛が吹き鳴らされ、ディスクアニマルが起動する音がして、純友はびくりとした。
 純友が机上のディスクの整備を終え、次のひと山を取りにボックスのところまで行くと、
純友と同じようにディスクの整備らしきことを行っている天美あきらの姿が目に入った。
「え……?」
 立ち尽くしている純友に対して、そちらを見ずにあきらは言った。
「あのあと安達くんに、須佐先輩と仲直りしたほうがいいって言われました」
 整備の手は止めずにあきらは続けた。
「助けてくださった先輩に、失礼な態度をとってしまったことをお許しください。
今日は、お詫びにディスクアニマルの整備の手伝いに来ました」
「あ、ああ──そう……」
 いくぶんほっとして、純友は言った。あきらは顔を上げて笑顔で言った。
「協力して、早く終わらせましょう」
 安心のあまり、思わず涙が出て来た。あきらがそれに気づいて慌てて言った。
「せ、先輩──?」
 そこに、明日夢が入って来て言った。
「すみません、ここに天美さんは……あれ? 先輩?」
 純友は、流れる涙をぬぐいながら明日夢に近づき、言った。
「安達くん、君っていいやつだな……本当に」
「え? あ……いや、そんな、泣かないでください」
 感激して純友は、自分の手が涙でべったり濡れていることにも気づかず明日夢の手を取った。
 遠慮して何も言えない明日夢の様子を見て、あきらはくすくすと笑っていた。

十九之巻「取持つ少年」了


90 :見習いメインストーリー:2006/12/05(火) 23:27:32 ID:bTv5xJlr0
次回予告

「ディスクの整備が増えているのは、コイツのせいだ」
「さすがっス! 始末書の書き方ひとつ取っても手慣れたものっス!」
「始末書ってあるじゃないスか。あれって、増えるとナンかあるんスか?」
「世の中には、知らない方がいいこともあります」

見習いメインストーリー 十九之巻「謝る師弟」


91 :名無しより愛をこめて:2006/12/06(水) 07:18:54 ID:S85+Uu/S0
用語集企画、本気で進めるなら作者さん一人一人に当たっていかないと。

さしあたり見習いメインさんはご自分の作品の用語集をご自分で作られますか?

92 :名無しより愛をこめて:2006/12/06(水) 09:17:49 ID:DYEA0J79O
全作品用語集を作るなら鬼門は中四国さんかな?
べつにこの前の騒動のことを言ってるんじゃなくて設定のこと。
四国支部と中国支部と中四国支部が同じ用語集に並ぶのは……
そういう「ごたまぜ感」を楽しむならいいけど。


93 :見習い:2006/12/06(水) 23:16:58 ID:XiDxJrAB0
>>91さん
私の方では用語集作成の予定はありません。今はSS作成に集中したいと思います。


94 :名無しより愛をこめて:2006/12/07(木) 00:05:45 ID:3ejqwy5vO
鬼のハナシで鬼門を避けてどーすんだい。

95 :名無しより愛をこめて:2006/12/07(木) 00:14:16 ID:YOLUHZg1O
はいはい

96 :名無しより愛をこめて:2006/12/07(木) 12:39:56 ID:uE1rDXXRO
前スレで中四国さんが言ってたけど、出雲の神有月は今日までらしいね。
投下は間に合うんだろうか?

97 :名無しより愛をこめて:2006/12/07(木) 17:50:28 ID:pUZtrM+r0
用語集作るのならwiki形式が無難かな
現在の用語集サイトさんはあくまで善意でやってる訳だし
あのサイトは響鬼の方の用語集を見れば判るとおり
管理人さんは極端な前期響鬼信者傾向なので
載せる内容に偏りがあるかも知れないし、初見さんを不快にさせる可能性もなきにしもあらず
(“用語集を見るとここは前期響鬼好きの集まりなので”みたいなことを前にレスされてたし)

98 :高鬼SS作者:2006/12/07(木) 20:56:34 ID:T2PAea7A0
ここ暫く忙しく、いつものペースでSSを書く事が出来ませんでした。
漸く一本出来たので投下させていただきます。
自分で言うのも何ですが、ちょっとグダグダな箇所もあります。
だがそれがいい。

…それではどうぞ。今回のSSは思いっきり軽いノリです。

99 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 20:58:29 ID:T2PAea7A0
1977年、長月。
この頃は全国的に魔化魍がイレギュラー発生し、各地の猛士支部では変則的なシフトが組まれ連日のように鬼が戦いを繰り広げていた。首都東京でもそれは例外ではない。
関東支部所属のザンキに国際電話が掛かってきたのは、まさにそんな時期であった。
「ジェバンニじゃないか!どうした?良い女でも紹介してくれるのか?」
「馬鹿。非常事態でもないのにこちらから電話をする筈がないだろう!?」
勿論ザンキだって分かって言っている。
「ZEUSを覚えているか?ギリシャの組織の……」
「それが?」
ジェバンニが何を言いたいのかよく分からない。
「連中が長年探していたタロスの心臓がDMCの管轄内で発見された」
タロスとは神話に登場する青銅巨人の事である。
「第一時大戦のどさくさに紛れてクレタ島から墺太利(オーストリア)に持ち込まれていたらしい」
「だったら煩く言われる前に引き渡せばいいだろ?……否、待てよ?何でお前がそんな事をわざわざ俺に話す必要がある?」
「我々が確保するほんの数日前、何も知らない日本人観光客が骨董品として買っていってしまったのだ」
それを聞いてザンキは物凄く嫌そうな顔をした。つまり現在日本に滞在中のザンキに回収してこいと言っているのだ。
「……売られてたのか」
「そうだ。事情を知らない者から見ればただの青銅のオブジェだからな」
うちとZEUSとの関係を円滑にするため是非ともやってくれ、とジェバンニは告げた。
「あのな、今こっちも大変なんだぜ?この間も山から追われた狸が人里まで出てきて人を化かしてだな……」
「タロスを放っておくともっと酷い事になるぞ」
確かに、あの屈強な聖闘士達が危険視しているような代物だ。放置しておけば碌な事になるまい。
「こちらで調べた結果、その日本人の住所は……」
その住所を聞いて良い事を思い付くザンキ。
「よっしゃ任せろ。数日後には郵送してやる」
「頼むぞ。それと郵送する際は絶対金属製の物には入れるなよ」
そう念を押すとジェバンニは電話を切った。

100 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:00:10 ID:T2PAea7A0
「……という訳で今回のあなたの任務はそれの回収よ」
猛士総本部の研究室で、開発局長の南雲あかねはコウキに説明を終えた。
「つまりその大阪に住んでいる資産家の家から回収してくればよろしいのですね?」
そう確認するコウキ。あかねが頷く。
「しかし何なんですか、その青銅のオブジェというのは?何故猛士はそのような物を?」
「私も詳しくは知らないんだけど、物凄く危険な代物らしいから……」
ここで少し説明しておこう。数時間前、あかねに関東支部のザンキから電話が掛かってきた。そしてタロスの心臓の回収を依頼してきたのである。
電話を終え、ザンキから聞いた情報の裏付けを取って漸くあかねはコウキにその事を話したのだ。勿論ザンキの名前は伏せて。
「やってもらえるかしら?」
「まあ任務であるのならば……」
そう言うコウキに対し、あかねは猛士の正式な任務であると嘘を吐いた事を内心謝っていた。

後日、コウキは身分を偽り件の資産家の屋敷を訪れていた。今回コウキは美術品の鑑定家という設定になっている。
「鑑定の際にこっそりこの偽物と取り替えればいいわけだな」
そう呟きながら手にしたアルミケースを一瞥するコウキ。中にはあかねがザンキから聞いた情報を基に作られたフェイクが納められてある。
着慣れない背広の襟を正すと、コウキは屋敷へと入っていった。

101 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:01:41 ID:T2PAea7A0
コウキを出迎えたのは沢山の使用人と、主人の金賀有造(かねがあるぞう)だった。
「お待ちしておりました。金賀です。いやあ、偉い鑑定家の先生が来るいうもんやからどんな爺さんが来るやろ思うてましたが、意外と若い人で驚きましたわ」
揉み手をしながらそう自己紹介をする金賀。対するコウキは。
「はあ……」
そう答えるのがやっとだった。一体自分は相手に何と知らされているのだろうか。
「聞けば何でもかの有名なメトロポリタン美術館に勤めていたとか……」
何か凄い事になっている。
「ほな行きましょか。こちらです」
そう言って青銅のオブジェ=タロスの心臓を展示してあるという部屋へとコウキを案内する金賀。長い廊下を黙々と歩いていると。
「ところで……」
「な、何か?」
偽の鑑定士だとばれたか?
「なんや噂に聞いた話やと、メトロポリタン美術館には絵の中に少女が閉じ込められたっちゅう怪談があるらしいですなぁ。ほんまでっか?」
「……知りません」
無駄話をしているうちに二人は金賀が「宝物庫」と呼ぶ部屋の扉の前へとやって来た。

102 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:03:10 ID:T2PAea7A0
室内には様々な骨董品が所狭しと陳列されていた。
「どうです?凄いですやろ?」
コウキに向かって自慢げにそう言う金賀。
タロスの心臓は部屋のど真ん中に、硝子のケースに入れられて展示されていた。
ターゲットを確認し、早速作業に移ろうとするコウキ。
「では早速鑑定を始めさせていただきます。申し訳ありませんが、ここから退室していただけませんか」
「何でですのん?」
フェイクと摩り替える為とは口が裂けても言えない。
「実は……あまりにも来歴の不明な品を鑑定する際は、部外者を傍に置いてはいけないという恐ろしい掟があるのです!」
「な、何やて〜!」
実に良いリアクションを返してくれる。
「せ、せやけど何でそんな……」
「大宇宙の意思です!我々世界鑑定士協会の長、パパパジャマ様がレティクル座に住む邪神コケモモ様より送られた電波を受信し……」
大袈裟な言い回しやハッタリ、持論を押し切る強引さはコウキの得意とするところだ。しかしいくら何でもこれを信じる事はないだろうという自覚もあった。後悔先に立たず。言ってしまったものは仕方がない。
だが。
「何と……そんな秘密があったやなんて……」
信じたのか、こんな与太話を?
金賀の目を見るコウキ。疑っている様子は微塵も感じられない。
この男は馬鹿だとコウキは心で理解した。何らかの肩書きを持つ者の言葉は何一つ疑う事無く信じるという大馬鹿者である。

103 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:04:42 ID:T2PAea7A0
「ほな、鑑定が終わるまで出ていきますわ。防犯システムも停止してあるさかい、後は頼んます」
最後まで軽い調子で宝物庫を後にする金賀を見送ると、コウキは早速硝子ケースの中からタロスの心臓を取り出してフェイクと交換し、本物をアルミケースの中に納めた。
(少しひやひやしたが、実に簡単な任務だったな)
改めて室内を見渡してみる。部屋の至る所に同じ様に硝子ケースに入れられた壷だの何だのが陳列されてある。それ以外にも壁には絵画が、部屋の四隅には石膏や青銅で出来た彫像が並べられてあった。この一室だけで小さな美術館にも引けを取らない。
しかし節操無く集められているのを見る限り、典型的な成金趣味の表れだと言える。きっと贋物を掴まされた事も多々あるだろう。だからこんなにも簡単に鑑定士として潜り込めたのだ。
暫くぼうっと室内を見て回っていたが、気配に気付き扉の方を向いた。直後、ノックと共に「失礼します」という声が聞こえた。「どうぞ」と招き入れるコウキ。
「旦那様のお言い付けでお茶の準備をさせていただきました。どうぞこちらへ」
一人の使用人がうやうやしく礼をしながら告げた。
「分かりました。仕事も終わった事ですし、直ぐに伺います」
金賀には「大した価値はありませんでした」と一言言ってやればいい。後は向こうが勝手に処理してくれるだろう。そんな事を考えながらコウキは宝物庫を後にした。

104 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:05:28 ID:T2PAea7A0
剥製が立ち並ぶ応接間に案内されたコウキは、そこで主人の金賀と共に用意されたお茶菓子を食べながら、話を切り出す機会を窺っていた。
と、その時。
「な、何や今の音は!?」
宝物庫の方から硝子が割れたり、大きな物が倒れたりする音が聞こえてきたのだ。
使用人を引き連れて宝物庫へと向かう金賀。コウキも後に続いた。
「ま、まさか泥棒やろか?防犯システムを切ってあったさかい、その隙を衝かれたんちゃうやろな……」
不安そうに執事にそう尋ねている金賀。コウキもまた不安を感じていた。例の心臓が入ったアルミケースを宝物庫に置いてきたままだったのを思い出したのだ。
宝物庫の中に飛び込んでいった者全てが我が目を疑った。有り得ない光景が眼前に広がっていたからだ。
「な、何やこいつは……」
そこには、部屋中に飾られていた金だの銀だの青銅だの、ありとあらゆる金属が融合して生まれたと思われる不恰好な巨人が突っ立っていた。
巨人の左胸が脈打っているのが見える。間違い無くあの心臓が原因だろう。という事は。
「これがタロスなのか……?」
ザンキは一つだけミスを犯していた。悪意があったわけではない。ただ言い忘れていたのだ。「タロスの心臓を金属と直に触れさせてはいけない」と。
様々な金属が溶け合い混沌としていた巨人の体の形が少しずつ整っていき、古代の歩兵のような姿へと変わっていった。
金賀も執事も使用人も、皆一様に唖然とした表情で事の成り行きを見守っていた。
と、天井に届く程巨大な金属の巨人が、そののっぺりとした顔をコウキ達の方に向けた。悲鳴が上がり、使用人達が主人を見捨てて我先に逃げていく。
「こ、こら!お前等〜!」
当の金賀は腰を抜かしていた。そんな金賀を背負い、駆け出すコウキ。
「あ、あ、あれは何ですのん?」
「知りませんよ!」
扉を突き破る音と、タロスが床を軋ませながら追ってくる音が背後から聞こえた。
外へと逃げ出したコウキは既に避難を終えていた執事に金賀を預けると、一言「様子を見てきます」と告げて屋敷内へと戻っていった。

105 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:06:57 ID:T2PAea7A0
廊下でタロスと向き合うコウキ。
「参ったな……。破壊ではなく回収が任務だからな……」
炎で体を構成している金属を溶かし、心臓部を回収するというのが最良の手段に思える。しかし金属を溶かす程の熱を出すとなると、まず間違い無くこの屋敷は炎上してしまう。
「さて、どうするかな……」
思案したところでどうにかなるわけでもない。コウキはとりあえず変身するべく音叉を取り出した。だが、ある事に気付いて再び音叉を懐に収める。
「……全然攻撃を仕掛けてくる気配が無いな」
タロスは突っ立ったまま一向に動く素振りを見せないのである。
試しにタロスの傍へ数歩近づいてみるコウキ。と、今まで停止していたタロスが突然動き出した。慌てて同じ分後方へ下がると、タロスもまた同じ位置へと戻り動きを止める。
「こいつ、まるで……」
コウキは、タロスがまるで廊下の奥へと進むのを妨げているかのように見えた。廊下の奥にあるのは宝物庫のみである。
番人。その言葉がコウキの脳裏に浮かんだ。
そういえば神話ではタロスはクレタ島で番人をしていた筈だ。という事は……。
「守っているというのか?」
コウキの問い掛けに答える筈も無く、タロスはケンタッキーの店頭にあるカーネルおじさんの像よろしく、ただ静かに立っているだけだった。

106 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:08:00 ID:T2PAea7A0
外へと戻り自分の推理を金賀に話すコウキ。それを聞いて流石の金賀も驚きを隠せずにいた。
「んなあほな!宝物庫のお宝は全部わしの所有物やぞ!それやのに何で所有者のわしまで近付けんねん!」
「ですが旦那様、並大抵の防犯システムよりは遥かに安全かと……」
そのように助言する執事の頭を思いっきりしばきあげる金賀。パコーンという良い音が周囲に響いた。
「どあほ!せやからわしが近付けんでどないするっちゅうとんのじゃ!……鑑定士さん、何か良い方法はありまへんやろか?」
少し可哀そうな気もしてきたが、こればかりはどうしようもない。しかしコウキの方にも回収という任務がある。
と、使用人の一人が屋敷の方を見て悲鳴を上げた。見ると、さっきまで全く動く様子の無かったタロスが屋敷内を徘徊していたのだ。
「う、動いとるやないですか!」
「ひょっとして……巡回しているのか?」
つまり、不審者がいないか屋敷内をパトロールしているのだ。見つかれば即摘み出されるか、最悪な場合殺されるだろう。
「冗談やないで!屋敷内におる事もでけへんのかいな!」
血相を変えて金賀が叫ぶ。
使用人達も不安そうに互いに顔を見合わせている。このまま屋敷に立ち入る事が出来なくなれば全員失業となるわけだ。それは不安だろう。
「とりあえずあの巨人がおらん間に、宝物庫の残った宝を回収するで」
執事以下使用人一同にそう告げる金賀。それに対しあからさまに嫌がってみせる使用人達。
「……危険な事は止めておいた方がよろしいかと。あの巨人が何の考えも無しにあの場から離れるとは思えません」
そう金賀に告げて思い止まらせるコウキ。
沈黙が流れた。この屋敷の住人達は全員絶望し思考を停止している。
その沈黙を破るかのように、コウキが「電話してきます」と言ってその場から立ち去っていった。こうなったら正直に事情を話してあかねか京極に助言を貰うしかない。
「あ、どちらへ!?まさかマスコミを呼ぶんとちゃいますやろな!?」
金賀の悲痛な叫びが背後から聞こえてきた。

107 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:09:22 ID:T2PAea7A0
一時間後、コウキは再び屋敷の中でタロスと対峙していた。対策を聞き、金賀に何とかする事を告げて単身屋敷内に乗り込んだのだ。
音叉を打ち鳴らして変身する。炎を払って中から高鬼がその姿を現すも、タロスは宝物庫へと続く廊下のど真ん中に突っ立ったまま微動だにしない。やはり近付く者以外には反応しないようだ。
(さて、生物でない相手に正攻法が通用するかどうか……)
音撃棒・大明神を構え、鬼石の先端に炎を集中させる高鬼。そのまま鬼棒術・小右衛門火をタロス目掛けて放つ。
紅蓮の炎に包まれるタロス。流石に身の危険を感じたのか、高鬼の方へと向かってきた。
掴みかかってくるタロスの腕を躱すと、高鬼はその背後へと回りこんだ。そして電話で聞いたタロス唯一の弱点を狙う。
その弱点とは踵だ。踵にある栓を抜くと体を構成している金属が再び溶けだし、再結合まで時間が掛かるというのだ。その隙に回収すればいい。
「ぬおおお!」
力任せに栓を引き抜こうとする高鬼。タロスの体に触れている部分から肉の焼ける音と共に煙が上がる。しかし高鬼も炎使い。これしきの事で怯むわけにはいかない。
そして。
派手に音を立てて栓は引っこ抜かれた。途端にその部分からどろどろと赤く焼けて液状になった金属が流れていく。
「……ん?待てよ、という事は……」
金属を溶かす程の熱を出すとなると、まず間違い無くこの屋敷は炎上してしまう。その予想通り、屋敷はあっという間に炎上してしまった。

燃えろよ燃えろ(燃え上がる屋敷をバックに流れる挿入歌)
フランス民謡 作詞 串田孫一 歌 加賀美新(特別出演)

燃えろよ燃えろよ 炎よ燃えろ
火の粉を巻き上げ 天までこがせ

108 :仮面ライダー高鬼「闊歩する番人」:2006/12/07(木) 21:10:25 ID:T2PAea7A0
その後は散々だった。消防車やパトカーが何台もやって来て現場は騒然としていた。
主人の金賀は燃え落ちていく自慢の屋敷を前にしてずっと放心状態だった。勿論、タロスに取り込まれなかった美術品の数々も全て灰になった。
コウキは流石に悪い事をしたと思ったが、何一つ掛ける言葉が思いつかず、タロスの心臓を片手に早々と現場から立ち去っていった。
おそらく屋敷の使用人達は事情聴取を受けるだろうが、果たして何と説明するのだろうか。本当の事を喋ったとしても誰も信じまい。
翌日、地方紙に火事の記事が小さく載っていた。それによると金賀は元々東京の人間だったらしい。道理で関西弁のイントネーションが微妙におかしかったわけだ。まあそんな事はどうでもいいわけだが。
理由はどうあれ屋敷を燃やしてしまったのはコウキに違いないため、流石にあかねも庇いきれず、コウキは上から厳しい処分を受けてしまった。そして上を通さず直接コウキにこのような任務を指示したあかねもそれ相応の罰を受けた。
金賀家の方にも猛士が何らかの形で謝罪を入れるようだ。きっとあの時コウキがその場のノリででっち上げた世界鑑定士協会名義になるだろう。
あらゆるものに多大な迷惑を掛けたタロスの心臓はザンキの下へと無事届けられ、その後欧羅巴へと送られた。それからタロスの心臓がどうなったかは誰も知らない。 了

109 :名無しより愛をこめて:2006/12/07(木) 23:04:44 ID:YOLUHZg1O
久しぶりに先代に振り回される小暮さんだ!w
燃えろよ燃えろのシーンは
ボッチャマ樹花タンと肩組みハミングで行って欲しかったw

110 :中四国支部鬼譚作者:2006/12/07(木) 23:20:49 ID:d6LmyB5X0
>>96
どうにか今日中に間に合わせたいと思って急いで書いていたのですが、
どうやらもう間に合わないみたいなので諦めて明日以降にします。
期待して頂いているところどうもすみません。

最近出ている用語集の話ですが俺は賛成です。
>>97にあるようにWikiの形式がいいと思います。
誰でも自由に編集できて、かつ編集が簡単なので。

111 :見習いメインストーリー:2006/12/09(土) 00:38:09 ID:R/bBa9D30
前回は>>86から

二十之巻「謝る師弟」

 ディスクアニマルの整備を終えて純友が帰ろうとしていた所に、二人の男が現れた。
 一人はヒビキと同年代くらい、野性的な風貌だがもの静かな男で、ザンキと名のった。
そして、もう一人の若く真面目そうな青年は、トドロキと言った。
「『銀』見習いの純友くんだね」
 落ち着いた低い声でザンキは言った。
「この度は、俺の馬鹿弟子のせいで申し訳ないことをした。ディスクの整備が増えているのは、
コイツのせいだ」
 と言って、ザンキは隣に立つトドロキを小突いた。
「スンマセンっス!」
 腰をほぼ直角になるまで曲げて頭を下げるトドロキの様子に慌てて、純友は立ち上がって言った。
「あ、いや、そんな……」
「俺の指導が行き届いていなかったようで、申し訳ない」
 ザンキも頭を下げて言った。
「こないだの現場で気づいたんだが、コイツ、ディスクアニマルを起動する前に、ディスクの
ボックスを逆さにしてばらまいてやがった」
 再びトドロキは大きな声で謝りながら頭を下げた。
「あ、その、頭を上げてください……」
 大声を何度も自分に向けられ、謝られているはずなのに、逆に怒られているようでなんだか
怖かった。
 純友のすすめで席に着くと、ザンキは語り始めた。
「俺は鬼を引退して、独り立ちしたこのトドロキのサポーターになったんだが……」
 トドロキは、ザンキの後ろで休めの姿勢で立ち続けている。


112 :見習いメインストーリー:2006/12/09(土) 00:39:03 ID:R/bBa9D30
「現場でのコイツの仕事を見て驚いた。装備は大切に扱えと教えたはずだったんだが。
あんなやり方じゃ、ディスクアニマルが痛むのも当然だ。余計な手間をかけたな。
コイツには始末書を書かせる。それで許してやってくれないか、純友君」
「あ、はい……じゃ、これを」
 純友は書類棚から慣れた様子で始末書を取り出すと、ペンと一緒に机の上に置いた。
「ありがとうっス!」
 やっと席に着くと、トドロキはペンを持って書類に向かったが、書くことに慣れて
いないのかその手が止まる。
「まず、こことここを書いてですね……」
 要領よく純友が書き方を示す。
 ザンキは、純友にクールに笑いかけて言った。
「ダンキから聞いてたが、君が噂の『銀』見習いか。四月に小菅で人命救助を手伝って、
それからつい先月もイブキの弟子をクグツから守ったそうじゃないか」
「いやあ……それほどでも」
 たちまち有頂天になりながら、満面の笑顔で純友は答えた。トドロキの手がまた
止まっているのを見て、純友は書き方の例を示した。
「さすがっス! 始末書の書き方ひとつ取っても手慣れたものっス!」
 トドロキの胸に刺さる言葉に、純友は泣きながら言った。
「いや、別に好きで慣れたわけじゃないんですけど──」
「今後はもうこういう事はないようにする」とザンキが言い残し、トドロキを連れて帰って
いった。純友は陰陽環を腕から外し、ファイルロッカーの所定の位置に返してから、
その場を引き上げた。


113 :見習いメインストーリー:2006/12/09(土) 00:39:58 ID:R/bBa9D30
 その週の半ばの昼休み、純友は携帯電話にみどりからのメールが入っているのに気づいた。
 本文には「陰陽環が見当たらないんだけど、純友くん知らない?」とあった。
 教室の窓際に移動し、「たちばな」に電話をかけると、勢地郎が出てみどりに取り次いでくれた。
「あの、陰陽環なら日曜にロッカーの中にしまってから帰りましたけど」
『うーん、それがね、その場所になくて……』
 純友は嫌な予感がして聞いた。
「ま、まさかこれも始末書ですか……?」
『ううん、無許可で持ち出していたりとかだったら始末書物モノったけど、そうじゃなければ、
この部屋の中のどこかにあると思うから。純友くんが持ち出してないって言うのなら、信じるわ』

 しかし、日曜研修に訪れた純友が、みどりと大洋に手伝ってもらいながら部屋を探してもやはり
陰陽環は見つからず、探し疲れて三人はそれぞれ机の上に崩れた。
「テメエ、ナニやってんだよ!」
 大洋の罵声に純友は泣きべそをかいて答えた。
「ぼくにもわかんないよぉぉぉ」
「なんだろ〜、ディスクアニマルさんがイタズラでもしたのかな……」
 みどりは、申し訳なさそうに始末書を出して言った。
「ごめんね純友くん、これ書いてくれる〜? 有事の際に、陰陽環が無い状態だとちょっと
まずいから、本部に申請して代わりを取り寄せないと。そのためにはこれが必要なの〜」
「は、はい……どうせ、その……慣れてますから。うぅ……」
 純友は泣く泣く始末書を書いて提出した。


114 :見習いメインストーリー:2006/12/09(土) 00:41:28 ID:R/bBa9D30
「しっかしオマエもよく書くよな。今日ので何枚目だ?」
 今日の研修も終わり、地下からの階段を上がりながら、大洋が純友に訊いた。
「もうとっくに二桁……」
 一階の店員用の休憩室では、ちょうど香須実と日菜佳が休みを取り、お茶を飲んでいた。
そこに顔を出し、大洋が日菜佳に聞いた。
「スンマセン、始末書ってあるじゃないスか。あれって、増えるとナンかあるんスか?」
「ああ、二〇枚を超えると本部で研修になりますよ。でも大洋くん、書いたことありましたっけ?」
「イヤ、コイツ」
 大洋が、隣で背をまるめて肩身の狭い様子で立っている純友を指さした。
 香須実が、何かに気づいたように言った。
「純友くん、『銀』を目指すって決めたんだよね?」
 日菜佳が香須実に向き直って言った。
「ということは、姉上──」
 身震いしながら首を振る香須実。気の毒そうに純友を見る日菜佳。
「え? な、何ですか?」
 何でもない、と言いお茶をすする姉妹の様子に、何か言い様のない不安を覚えたが、
香須実も日菜佳もそれ以上は何も言おうとしなかった。
「い、い、一体なんなんですか? 教えて下さいよぉぉぉ。なんだか怖いですよぉぉ」
 しばらく無言でお茶を飲んでいた日菜佳が、やっと茶碗から口を離して言った。
「純友くん。世の中には、知らない方がいいこともあります」
「要は、これ以上始末書を書くようなことをしなけりゃいいってことよ」
 香須実に言われた後、得体の知れない怖さに泣きながら純友は帰宅した。

二十之巻「謝る師弟」了


115 :見習いメインストーリー:2006/12/09(土) 00:42:33 ID:R/bBa9D30
次回予告

「たったったっ、橘さん!?」
『え? そうなの? でもなんで? ──田島くんも一緒?』
「ごめ〜ん、陰陽環なくなったの、純友くんのせいじゃなかった〜」
「『飛車』か『角』か、いい加減決めないとな。コイツも『銀』目指すって決めたし」

見習いメインストーリー 二十一之巻「届く腕環」


116 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 22:58:08 ID:oZFUaFkJ0
>>97
>>110
新用語集をWikiの形式で作るとしたら、今の用語集サイトさんのを全部そっちへ移植するってことか?
あれはあくまで用語集サイトさんが自分で編纂したものだから許可が要るんじゃないのか?

117 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:19:27 ID:bPaIA0Tn0
>116
俺も同意。
いくら2ch派生サイトでも、許可無くコンテンツを移植するのは、盗作だよな。
傾向が気に入らないから、差しさわりのない部分だけ持っていくっていう考え方はいくない。
先ずは用語集サイトさんと今後を話し合ってから決めないと駄目じゃないか?

118 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:31:01 ID:Ha1F1tv+0
なんで移植という考えに至るの?
一から作ればいいだけじゃん

119 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:35:36 ID:oZFUaFkJ0
>>118
だけど用語集は各SSで語られた設定を忠実に書き出しただけだから、どうしても似通ったものが出来てしまうよ

120 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:41:56 ID:cONq65y/0
用語集の人も、現状でいうと手付かずになってきてる訳だから、
他の読者の事を考えると、作者あるいは俺たちみたいな古参が頻繁に更新していくほうが良いのかもな。

121 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:49:30 ID:lRBuwNvhO
普通、SSやネタ系のスレのまとめサイトやらまとめwikiやらはスレ住人皆の共有財産だと思うが。
wikiを開設して皆で編集する場合は言わずもがな、誰かが代表としてまとめサイトを作る場合も
その人はスレの共有財産を管理するボランティアみたいなもんだろう。

殊更このスレでは、誰かが書いた設定は皆で共有して使い回そうという伝統がある。

仮に今ある用語集の内容をごっそり移植したとしても特に問題はないと思う。

122 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:56:02 ID:Ha1F1tv+0
いや、ごっそり移植は問題あるだろw

123 :名無しより愛をこめて:2006/12/09(土) 23:59:15 ID:oZFUaFkJ0
まとめサイトと用語集を併せ持つ新しいまとめWikiを作る?

124 :名無しより愛をこめて:2006/12/10(日) 06:10:46 ID:iBP3GqOe0
wikiシステムで1からでいいんでないの?
内容が似通うのは題材が同じなんだからしゃあないし。
ごっそりは多分まずいだろうから、古参の方々筆頭に有志で編纂すれば、内容に偏りなくていいと思うぞ。

125 :名無しより愛をこめて:2006/12/10(日) 22:18:03 ID:HpggGTbb0
そもそも用語集を新たにつくる件について、反対の人どのくらい居る?
レス見る限り、ほとんど新しくつくる方向で話してる気がするんだけど・・・。

126 :名無しより愛をこめて:2006/12/11(月) 12:44:56 ID:uR57OPCAO
反対ではないが用語集なくても構わない

127 :名無しより愛をこめて:2006/12/11(月) 14:26:07 ID:QrnttZx+0
今の状況で用語集つくっておもしろいか?
むしろここが過疎ってる事を晒すだけな気がするぞ。

128 :名無しより愛をこめて:2006/12/11(月) 19:28:46 ID:bT9KskN3O
なくても困らないけどあれば楽しい。俺なんかは用語集を流し読みしてるだけでも結構楽しめるぞ。

ところで現時点で用語集について何も発言されてない作者さん達の意向も聞きたいな。
作者さんや用語集の人、まとめサイトの人など、スレを運営してる人があまり発言しないで
他の住人だけで作ろう作ろうと勝手に話を進めてしまってる気がする。

凱鬼メインさん:時間があれば自作は自分で作る
見習いメインさん:自分では作らない
中四国さん:用語集自体には賛成、自作を自分で作るかどうかには触れてない

用語集に入ってない作品はあとどれどれだっけ?

129 :名無しより愛をこめて:2006/12/11(月) 19:35:09 ID:Gcc5zzB50
>>128
いっぱいあるな・・・。
パロディ系も多いし。

130 :中四国支部鬼譚作者:2006/12/11(月) 23:43:48 ID:DSAMe8zV0
>>128
凱鬼メインさんと同様に、時間があれば自分で作ります。

Wikiで作るなら、そのWikiを開設する役目を買って出ようかとも思っています。
先日のことでこのスレにもご迷惑をおかけしました。その罪滅ぼしの意味を兼ねてです。

131 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 00:17:43 ID:mwmhJZOr0
>130
いや…悪いんだけど、中四国さんは勘弁して。<Wiki作成
IPとか個人情報抜かれたり、悪用されたくないしさ。
せっかくみんなで書き込んだ記事を削除されたらかなわないし。

132 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 00:44:55 ID:nxvDGlQBO
いちいち荒れそうなこと言うなよVIPPER。
せっかく反省した中四国氏を住人が受け入れようとしていたところに…。

133 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 00:54:43 ID:IRwpEyJsO
俺も131に同意。

つうか自分に都合悪いレスを全部ビッパーにしてんじゃないよ^^

134 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 01:15:37 ID:mwmhJZOr0
>132
だから、悪いんだけど…って前置きしてるでしょ?
どう見ても今までの中四国さんの態度から、
反省だとか誠意だとか、そういったものを感じられないから
俺は彼の事を信用出来ないんだよ。
絵師の人をさんざん叩いて置きながら、
自分は反省したので信じてくださいって言っても無理だよ。
俺の発言が、住人の総意じゃないのと同様に、
132の発言も住人の総意じゃない事をわきまえないと
説得力なんて生まれないよ?

ついでに言うと俺はVIPPERじゃない。
裁鬼スレの頃からの住人だ。
ここでVIPPERがどうのというのなら、向こうのスレに行ってくれ。


135 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 01:25:42 ID:RPp2GFTRO
住人の中にもこういう輩がいるということで。
見たくない奴は見なきゃいいだけだ。おとなしく黙ってな。

中四国さんは本当にその気があるのでしたらこいつは無視して作っちゃって下さい。
こういうひねくれた奴もいますが他は素直に感謝するものがほとんどでしょう。

136 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 01:41:17 ID:D7xq9dWJ0
中四国は今まで削除した掲示板のログを全部元に戻せよ。
自分の都合のいいように内容を改組する奴が信頼おけるか、アホ。
ポーズだけの反省はいい加減やめろ。

あと中四国自身も糞VIPPERだろ。

137 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 05:40:22 ID:zsr2ayls0
>>131
俺も同意。
この前のログ見たけど、中四国に管理されたら何されるかわからない。
あの雰囲気じゃ「私の設定とかぶってたので消しました」とか言われかねないし。
そしてその後、中四国を擁護するレスがいっぱい付くんでしょ?
「私は中四国さんの設定の方が好きなので消してよかったと思います」みたいな。

なんかもう信用したくても疑心暗鬼になってくるよ…。

138 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 07:44:07 ID:RPp2GFTRO
>>131>>135のような根拠の無い煽りはもはや荒らしとしか見なせないが。


139 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 07:45:11 ID:RPp2GFTRO
>>137の間違いだ

140 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 07:57:39 ID:+ibpmbuO0
お前個人がどれだけ中四国を嫌いでもかまわないが他の皆を巻き込むな。
VIPの絵師とは揉めていたがこのスレの住人とはそもそも何ら揉めていないのに
どうして中四国がこのスレの住人に害を及ぼすなんて滅茶苦茶な予想ができるんだ?
それにそういう話題はヲチ板のスレでやると決まったんだから無駄にこっちを荒らすな。
そして白々しく「俺も同意」とかいって仲間が複数人いるように見せかけるのはやめような。

141 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 08:03:20 ID:O73KKWrY0
>>140
雪風乙。


142 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 08:07:18 ID:zsr2ayls0
>>138
なんだよ、少しでも中四国に不利なこと書いたら荒らし扱いかよ…。
そもそも本人なのか特定できない中で、暴言吐いて疑心暗鬼を生んだのは中四国だろ。
もう何を信じていいのかわからなくなってるんだよ。
今となっては>>138>>140も携帯とPCで自演かもしれないって思えてくるし…。

それに嫌いとかじゃなくて、がっかりしてるんだ。

143 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 09:07:53 ID:jZhXuhfg0
中止国がレスしたあたりから嫌な予感はしてたが、
やっぱりこういう流れになったか……。

また面倒な事になるかもしれないが、ここにSSを投下する人は
エイキ、ダンキを筆頭に殆どが裁鬼SSさんに刺激された人でしょ?
虹鬼は他から流れてきたけど、今、連載してないからちょっと置いといて。
雪風問題の事はとにかく、中止国さんは裁鬼SSリスペクト作品では無い訳だから、
別カテゴリー扱いでいいんじゃないかな?それなら中止国支部が一緒でも問題ないんじゃん?
裁鬼SSリスペクト系と中止国等の独立系で分けちゃえば?
もちろんSSの作者が中止国系に入れてくれといえば、そっちでも可。

144 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 09:09:19 ID:jZhXuhfg0
あ、すまん。中止国→中四国だった……。
悪意はなかった。ホントにごめん……。

145 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 10:11:59 ID:zsr2ayls0
>>143
重ならないように最初から分けておくってこと?
うーん、まあそれもひとつの解決策かもしれないけど…。

wikiのレンタル自体は5分もあればできるから、それぞれの作者さんが個別にスペースを借りるって手もありかもね。
他人に書き換えられたら困るページだけ管理者権限にしておけば、誰かに荒らされることもないだろうし。

146 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 10:16:10 ID:RPp2GFTRO
>>143
用語集には、全然違う複数の作品の設定をごった煮にしたごちゃまぜ感を楽しむという目的もあるが。
俺含めて特撮ファンはそういうの好きな人が多いし。

147 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 10:20:10 ID:zsr2ayls0
>>138
>>146

うーん…悩みどころ…。

148 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 10:37:14 ID:zsr2ayls0
ちなみにwikiはここで借りられるよ。

http://atwiki.jp/

149 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 11:00:21 ID:H8CFjUj50
ねえ…用語集、今すぐに必要なの?
みんなが疑心暗鬼になっているなかに作っても荒れちゃうと思う。
もう少しクールダウンしてからにしない?

私も>131に同意なんだけど、自分に都合の悪い書き込みに対し、
真摯な態度で返事をせずに、掲示板や記事を削除したりする癖のある人が、
みんなで共有するコンテンツを管理するのは無理じゃないかな。
中四国さんの管理するコンテンツに参加して、
彼の都合の悪い記事を削除されたり規制されたりする人が沢山出ると、
みんな作るって意義が無くなると思うよ。

150 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 11:43:02 ID:jZhXuhfg0
>>145,146
雪風問題がなかったら普通にまとめてwikiで良かったんだけどさ、
現状じゃ一緒にされたくない住人や作家さんもいるだろうから、
とりあえずそういう区分で分けようかと思ったんだ。
もちろん設定が違う作品を混ぜるのはスパロボ風で楽しいと思し、
後に統一するとかなったら面倒だから、同じwikiでいいとは思うんだが、
なんか区別(差別ではない)しとくのもいいんじゃないか?
例えば文章の最初に(TV響鬼系)とか(裁鬼SS系)を表記するとか。
設定で文章の色とかは変えられるのかな?

でも、149の言うとおり現状は今みたいに意見交換だけがベストな気がする。
馴れ合いスレと呼ばれようと前みたいな雰囲気に戻って欲しい。

151 :中四国支部鬼譚作者:2006/12/12(火) 13:02:54 ID:hEMvXoxC0
 俺が名乗り出たことでこういう騒動を呼んでしまいすみませんでした。
 この流れを見ていて思ったことを掛け値なしに書きます。

 一度問題を起こした以上は、それが解決したからといってすぐさま信用を取り戻せるとは思っていません。
 一人目の絵師さんとのログを読み返していると、確かにこれは酷かったなと自分でも思います。
 「知らなかった」を言い訳にするつもりもありませんが、最初は自分でも何が何やらわからずテンパっていて
 一人目の絵師さんの口調も相俟ってあのような返し方になってしまい、皆さんにも不快な思いをさせてしまいました。
 その後、落ち着いてその流れをもう一度読み返したり、二人目の絵師さんと話をしていく中で、自分の態度の酷さを思い知った次第でした。
 このスレの雰囲気が今でも荒んでいるのはひとえに俺のせいだと自覚しています。
 今回wiki開設に名乗り出たのは、皆さんにもご迷惑をおかけしたことの罪滅ぼしという意味のほかにも、
 何らかの形でスレに貢献することで皆さんの信用を少しでも取り戻せれば、という思いがあったためです。
 言うまでも無く、一部の方が懸念されているような自分の好き勝手にwikiを編集するようなつもりは毛頭ありません。
 このスレを構成する者の一人として、一刻も早くスレの雰囲気を元に戻したいという思いは皆さんと同じです。
 そのためにはこの荒れた雰囲気を呼んだ俺自身が自分から何か行動を起こさなければ話にならないと思いました。

 ところで以前書いた通り、このスレでSSを書くことを辞めるつもりはありません。
 図々しい話ですが誰か一人でも求めてくれる人がいる以上、俺は求められていることをするまでです。
 wiki開設の件もそれと同じで、他に開設する人がおらず、かつ誰か一人でもwikiを求めている人がいるなら、俺がその役目を果たそうと思っています。

152 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 13:27:07 ID:OmYojVS6O
>>151
例の騒動では、説明を求める書き込みの削除、放置から謝罪文の即削除まで、対応がマズすぎ、その積み重ねで信用を失われたと思います

スレへのお詫びに何かしたい、という気持ちはわかるのですが、やはり直接スレにアクションをかけるのは早かったのではと思います

まずはご自身のサイト内で出来ることを積み重ね、その上でアクションを起こすべきだったのではないでしょうか

(具体的には
絵師さんが意図していないのに、自作の設定画として使用した事、
和太鼓のもう一枚も無許可転載であること、
バナーへの無断加工、などへの対応です)

なお、この話題でこれ以上スレが埋まるのは避けたいので、なにか反論、異論などありましたら、ヲチスレの方へお願いします

153 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 18:03:01 ID:Udjoq+Wa0
485 名前:「中四国支部鬼譚」作者 投稿日:2006/11/26(日) 12:17:23 ID:IJPgP+Cr0
はいこんにちは。

>あたしがレンタル掲示板見つけてくるので、
お断りします。それで変な情報抜かれたりしたらたまったもんじゃありません。
VIPでなく掲示板上でやりとりしたいというのなら当方の掲示板にいらっしゃいませ。
アクセス規制切っときましたから。


こんな発言する奴が管理する?笑わせるな。
これ以上迷惑かけるな。

154 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 18:06:10 ID:IRwpEyJsO
うざい自演をやめない限り誰も信用しませんよ^^;

155 :名無しより愛をこめて:2006/12/12(火) 18:36:00 ID:D7xq9dWJ0
雪風関係の話題はこっち
http://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/l50

156 :見習いメインストーリー:2006/12/12(火) 23:41:29 ID:BKNzd0IQ0
前回は>>111から

二十一之巻「届く腕環」

 純友は、猛士本部での研修の事を考えた。自分でも数えきれない枚数の始末書を今まで
書いてきたが、おそらくあと数枚で二〇枚に達するだろう。
 そうなると、本部がある吉野での研修となるらしいが……
 神戸に転校した、純友と大洋が想いを寄せる、橘多美。彼女の暮す街と吉野との距離は
電車で二時間弱。少し遠いが、もし吉野での研修となった時は、多美に会いにいけるかも
しれない……と、緩みきった顔で考えていた純友は、喜び勇んで多美に電話をかけた。
「たったったっ、橘さん!?」
『どうしたの? 須佐くん』
「い、いま大丈夫?」
『うん。いまちょうど宿題終わったとこー。須佐くんは、何してたの?』
「ネットで、ちょっと調べものを……。今度、奈良の吉野に行くかもしれないから、そうしたら
橘さんに、あ、あ、会いに行けるかなって思って。それで、吉野から橘さんの住んでる所まで、
どうやって行くのか調べてて。大体、二時間弱くらいだったんだけど……」
『え? そうなの? でもなんで?──田島くんも一緒?』
 純友の言葉が止まる。何て説明しよう。橘さんは、大洋のことが気になっているみたいだ。
瞬時に色々な考えが頭の中でまわり、気づくと純友は無意識に話し出していた。
「──大洋と、よく電話で話すの? 大洋のこと、気になる?」
『え? だって、二人仲良しでしょ? ていうか田島くん、私の番号知らないかも。
──あ、ちゃんと仲良くしてる?』
「も、ももも、もちろん」
『本当に〜? 田島くんにも電話して聞いてみるから、番号教えて』
 純友は、大洋の携帯電話の番号を伝えた。


157 :見習いメインストーリー:2006/12/12(火) 23:42:14 ID:BKNzd0IQ0
 翌日の学校で、大洋は純友の顔を見るなり言ってきた。
「おーう、きのう多美ちゃんから電話が掛かってきたぜ!」
 笑いながら、純友の背後に回った大洋は、恐るべき力でヘッドロックを掛けてきた。
「てめえ、ちょっと前から多美ちゃんの電話番号聞いてたんだってな。抜け駆けしやがって
コノヤロウ」
 首を絞める力はますます強くなり、純友は意識が遠のいてきたが、大洋の声はとても
嬉しそうだった。
「ちょっ……待っ──」
「久々に声聞いたけど、なんか感動したぜ! ってオイ? 聞いてんのか?」
 大洋が腕を離した時、純友はほとんど意識を失い倒れる寸前になっていた。

 その次の日曜、研修にやってきた純友に、両手を合わせてみどりは謝った。
「ごめ〜ん、陰陽環なくなったの、純友くんのせいじゃなかった〜」
「え?」
「実は、前にもこういうことがあったんだけど……忘れてた、ごめん! 昔鬼を
やっていた人で、陰陽環とか猛士の備品を勝手に借りてっちゃう人がいるのね。
今回も、その人がやったことだったの」
「いや、そうとわかれば──」
 始末書が一枚無かったことになると思い、満面の笑みで純友は言ったが……
「それがね……これ見て」
 みどりは、持っていた二つの陰陽環を純友の目の前に出した。


158 :見習いメインストーリー:2006/12/12(火) 23:43:26 ID:BKNzd0IQ0
「もう本部から代わりの陰陽環が届いちゃったの。──で、事務局長に相談したら、二つあった
ほうがいいってことで……ごめん純友くん、ここで始末書取り消そうとしても、返って返送代
やら何やらで費用が掛かるし、陰陽環を持っていった人って、もう猛士から離れている人だから、
始末書を書いてもらうわけにもいかないし……ここは一つ、涙を飲んでくれる?」
 申し訳なさそうに言うみどりの前で、泣きながら純友は言った。
「はい……涙を飲むというより、流れて止まらないという感じですけど……」

 学科が終わった後の実技研修は、鬼笛を使用したディスクアニマルの再生練習だった。
 大洋は、相変わらず苦もなくディスクアニマルの操作をこなし、そして純友は相変わらず
苦労が絶えなかった。消炭鴉以外起動できないため、録画機能を持ったディスクアニマルを
起動してテスト録画をさせるには、陰陽環の力が必要だった。
 テレビモニタに直結可能な、音叉を模したような形状のディスク固定アームを持つ映像再生機を
使って、純友は緑大猿で録画した映像を再生させた。
「うわっ」
 突然、画面一杯にカメラを覗き込むみどりの目が映って純友はのけぞった。
「な、何やってんですか、みどりさん」
「知らないよ〜、緑大猿が勝手に近づいてきたんだも〜ん」
 大洋が起動した黄赤獅子はもっと遠くまで行っていたらしく、どうやって扉を通り抜けたのか、
研究室を出て廊下を抜け、猛士の間に行って、店の作務衣姿のままパソコンに向かってキーを打つ
日菜佳の姿を映していた。カメラに気づいた日菜佳が笑顔で手を近づけてくる。


159 :見習いメインストーリー:2006/12/12(火) 23:44:12 ID:BKNzd0IQ0
 黄赤獅子が小突かれたらしく、モニタの視界が揺れた。黄赤獅子はそのまますごすごと
引き返したようで、映し出す風景は再び廊下を進み、研究室へと帰っていった。
「しっかしドコのドイツだよ! 勝手に腕環を持ってっちまったヤツってのは」
 先週そのせいで、そこにあるはずもない陰陽環の捜索にかり出されていた大洋は、
実技研修のあとで「ぶっとばしてやる」と悪態をついた。
 即座にみどりは「無理」と言い切った。
「今のベテランの鬼さんたちの師匠にあたる人よ。絶対無理だと思う」
「おれだって、鬼になれりゃ、ソイツにも負けねえよ」
 大洋は強気に言った。
「えっ? まだ、『角』あきらめていないんだ」
 みどりにそう言われると、大洋はめずらしく、しおらしくなって言った。
「……。『飛車』か『角』か、いい加減決めないとな。コイツも『銀』目指すって決めたし」
 大洋は、隣で猫背ぎみになって立っている純友を親指で指した。
「おれも、そろそろ自分の生きる道を自分で決める、ってヤツをやんなきゃいけないのかな、
って思い始めてるんだ。適性試験の結果がどうだったとか、ダンキさんに言われたからとか、
そういうことじゃなくて。自分で決めなきゃ、なんねえんだ」
 それを聞いて軽く驚きの表情になったみどりは、やがてふっと笑って言った。
「大洋くんも、大人になったねぇ。──これに関しては、純友くんが一歩リードしてるけど」
 緩みきった顔になって頭をかき始めた純友にヘッドロックをかけて大洋は言った。
「調子に乗るなよォ?」
「ちょっ……待っ──」
 顔面蒼白になった純友を見て、慌ててみどりが止めに入った。

二十一之巻「届く腕環」了


160 :見習いメインストーリー:2006/12/12(火) 23:45:06 ID:BKNzd0IQ0
次回予告

「──最近、多美ちゃんからのメールがコネー」
「『銀』の本部での研修のことなら聞かないで──え? 違う? 『飛車』の仕事内容?」
「純友くん、お手伝いをお願いできますか〜? こういうの得意でしょう?」
「──大洋ッ!!」

見習いメインストーリー 二十二之巻「語る飛車」


161 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 01:43:56 ID:gh52vmttO
未だに中四国作者さんを無理矢理悪者に仕立て上げようとする住人がいるんだな…。
そんなに追い出したいなら自分達が出て行けばいいんだ。

162 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 01:56:15 ID:Blz0hJsV0
どっちも出て行けばいいと思うよ

163 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 01:56:28 ID:mJYCAORe0
>>161
>>155

164 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 02:01:49 ID:J5ysPKfz0
現状では中四国作者さんがスレ内部の信頼を回復しようと焦って動くことが却ってマイナスに働いていると思えます。
SSへの投下を少し自粛して自分のサイトの足場を改めて固めつつ、復帰の機会を待った方がいいのでは?
読みたい人のリクを待っても遅くないのだし。

165 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 02:09:15 ID:RkdP/DPk0
中四国作者が悪の元凶というのは事実・・・。

あのやりとりを見れば誰でもわかる。

166 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 02:32:00 ID:J5ysPKfz0
投下を続けたいのなら、それなりにしなければいけないことがあるでしょう、ということ。
再開するにはきちんと禊をする必要があるのだと思います。

どこまでやればいいのよ?、と怒る方もいるかもしれませんけど。



167 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 09:03:40 ID:Nz7Wwc+V0
>>166
それが原因で他の人が投下しにくい雰囲気になったら元も子もない。
「誰のために動くべきか」をしっかり考えて下さい。

168 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 09:16:23 ID:PonbWX/20
そんな時のための専スレです。
雪風さんも、雪風さんに何かいいたい人も移動お願いします。
雪風さんへの物言いでスレを潰すのは、SS投下スレとしてスレ違いになります。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/l50


いきさつについては、このスレの
>1-16あたりを参照してください。


169 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 09:32:09 ID:0E82pgoVO
wikiに反対するのはいいとして、中四国SSの投下を自粛しろと言っている住人は何か違う。
「あんな奴のSSは読みたくない」と思うのはわかるがそれはあくまで個人の話。
読みたくなければ読み飛ばせばいいし、専ブラならNGに設定しとけばいい。
このスレを見るために金を払ってるわけでもないし、
スレに投下された作品を強制的に全部読まなきゃいけないわけでもないし、
パートスレだからスレに投下できるSSの量が有限ってわけでもない。
中四国SSの投下が続いたとして何か君らが損をすることがあるとは思えない。
「作者は嫌な奴だがSSはこれからも読みたい」と思っている住人もいるみたいだし、
極端な話、作者が嫌な奴だなんてちっとも思ってない住人だっているように見える。
サイトがあるんだからサイトだけで続ければいいというのも一理あるが、
このスレからサイトへのリンクが切断されてる現状ではそれは良くないと思う。

170 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 09:35:39 ID:PonbWX/20
>169
移動よろしく。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/l50

171 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 09:55:35 ID:PViwfNW+0
中四国さんはやたらと携帯の人に支持されてるな。

172 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 10:09:16 ID:PViwfNW+0
作者さんに聞くのは酷な話だからスルーしてもらって構わないんだけど、
中四国さんと同じスレに投下するのが正直嫌な人っています?

173 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 10:40:54 ID:APakwUmS0
いたとしたら、どうなの?

児童買春で捕まった島袋光年がスーパージャンプで連載を開始した。
じゃあ島袋をスーパージャンプから追い出すべきか?

読み飛ばすか、スーパージャンプを買わなければ済む話でしょ。
…飛躍した例えだけどね。

174 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 11:34:46 ID:1ckq2iK60
>>172
居たとしたらとうにそう発言してる筈だから居ないんじゃない?
中四国さんの対応・態度にがっかりした、失望した、と言っている作者さんはいたけど。
大体、投下を辞めろと言ってるのも数多い住人の中のほんの一部だけでしょ?
それなら>>169>>173の言うように読み飛ばすなりNG設定するなりこのスレを見限るなり
個人個人で対応してほしい。
SSを読み続けたい住人が少なからずいるならそれをないがしろにするのはよくない。
SSに罪はないし、そもそもこのスレが被ったのは二次的被害で、ここの住人が中四国に
直接嫌なことされたわけでもないしね。

175 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 11:40:56 ID:kmHAraYDO
だからこっちで…
http://s2.s2ch.net/test/-/ex9.2ch.net/net/1164793750/8-

176 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 11:43:48 ID:eMheJoGI0
皆さん移動移動。
続きは向こうでやってください。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/l50

177 :某さくーしゃ:2006/12/13(水) 11:51:49 ID:WvnXX52g0
また燃料投下するようなことをw
どの作者もこれ以上、ひどくなるのが嫌だからなんも言わないだけだろ。
どう答えたって結末が見えるじゃん。

と言う事は現状で中四国さんの作品が投下されたとすると・・・。

178 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 12:06:54 ID:eMheJoGI0
一言言いたい気持ちは判るけど、
ここで言い返しの応酬を続けてたら荒れる一方です。
そのための専スレなので、移動してください。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/

179 :名無しより愛をこめて:2006/12/13(水) 21:52:01 ID:kg3MJoMv0
ι( ´д`)ノ 皇城SSまだ〜?

180 :DA年中行事:2006/12/14(木) 01:49:55 ID:qJw9xg6m0
お久し振りです。もう12月に入ってしまいましたが・・・・・
今回獣成分薄めです。

181 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:53:08 ID:qJw9xg6m0

重たげに垂れ込めた鉛色の雲は、雪混じりの霙を降らせ、山と空の境界を曖昧にする。
葉をすっかり落とした木々の陰は鋭く尖り、陰鬱な雲を突き刺そうとしているように見える。
枯れ朽ちたススキの原が、滅茶苦茶に踏み荒らされ、所々黒い地面を露わにしている様も痛々しい。
しかし、やがてはそれも、霙や雪が覆い隠してしまうだろう。
ゴウ、と空が鳴り、稲光が暗い空に亀裂を作る。
幾筋も、幾筋も。
霙は一層激しく降り、地面を白く汚す。
色を失って行く景色の中で、ただ一点、目の覚めるような朱色が、狂い咲きの花の様に落ちている。
いや、それは花ではない。
頭に角を持つ、異形。

――――鬼。

鋭い爪が、冷たくぬかるむ土を掴み、朱色の鬼は上体を起こす。
苦しげに熱い息をつき、鬼は見回す。
己の周りには、もう、誰も、何も、いないと言うのに。
人を喰らう魔物も、不浄な養い親たちも、そうだ、自分が清めたのだ。
鬼は自らの闘いを、誰かに感謝される訳でもなく、また、それを望む可くも無い。だが、他の鬼のように、確かにこれで人を護る事ができたのだ、という感慨も達成感も、朱色の鬼は感じていない。
朱色の鬼は、立ち上がる。
ただ燃え盛る憎悪と埋めがたい寂寥を、支えにして。

182 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:55:16 ID:qJw9xg6m0
身体はまるで自分の物ではないかのように重く、痛む。
硬く朱い鬼の足を一歩踏み出すたびに、鈍い痛みが体中に響く。
恐らくどこかの骨にひびが入っているのだろう。だが、そんな事はどうでも良い。痛みは、肉体がまだ死んでいない証拠。朱色の鬼は歩みを止めない。
びしゃびしゃと降り続けていた霙が、強い風を伴いながら水っぽい雪に変わる。朱色の身体が、みるみる白い雪に塗れていく。
寒さは、容赦なく鬼の体温を奪う。ただ、鬼面を配した額だけが、焼けるように熱い。

「恐ろしやの」

吹き付ける風が、女の声で囁く。朱色の鬼は立ち止まる。

「醜いことよの」

女の声が、今度は哂う。
魔化魍か?
軋む身体で鬼は身構える。全身を耳にし、その気配の元を探る。だが。

「魔物が魔物に怯えやるか?さもしいこと」

ざらざらとした嫌な響きを耳に残し、女の声は尚も朱色の鬼を哂う。
全ての命が息絶えたような吹雪の中、黒く尖った木の上で、一羽の猛禽だけが朱色の鬼を見下ろしていた。


183 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:56:12 ID:qJw9xg6m0

「ひどいな・・・・・」
メールに添付された写真をモニターで確認しながら、尾賀元子は思わず独り言を呟いていた。
くたびれたスチール机と、重心を変える度におかしな音を立てる椅子、煮詰まった匂いのするコーヒーメーカー、あまり調子の良くない空調。
この部屋の佇まいは普通の事務所と大した違いはないが、各々が覗き込んでいるパソコンや広げている資料には、およそ現実世界とはかけ離れたデータが詰っていた。
部屋の入口には、こんなプレートが掛けられている。
『予測研究・対策室』
吉野の猛士本部。もともと『歩』だった尾賀が、小学校の教師を辞め、魔化魍出現の予測に関する部署で働き始めて半年近くになる。
今、彼女のノートパソコンのモニターには、網状の蔓草に覆われた藪の写真が映し出されていた。
藪は茶色く立ち枯れ、蔓草の色だけが毒々しい。暗褐色の蔓草は、捩じれ、絡み合いながら枯れた草を締め上げている。
尾賀の独り言に、室長が立ち上がった。
「どうかした?」
見てくれはくたびれたキューピー人形のような中年男だが、魔化魍に関する知識は深い。過去の魔化魍の出現データから、気象条件との関連を調べ上げ、出現予測をシステム化できたのは、彼の功績に拠る所が大きい。
これなんですが、と尾賀は東海支部の『歩』から送られてきたその画面を見せる。
「この網みたいな物が、尾賀さんが前に言ってた植物なの?」
―――――オキナツルクサモドキ。
その蔓草は、そういう名前だ。種子から発芽すると、自ら土に根を下ろすことなく、茎の一部を棘のついた吸盤のように変化させ、寄生主から養分を奪いながら繁茂する。
彼らは宿主を特定せず、どんな植物にでも寄生する。河原、山中、海岸、土手、野原・・・・少し注意を払えば、日本中どこの藪にでも見出せるだろう。
だが、これは。
「・・・・・薄気味が悪いね」
ふっくらと愛らしいキューピー人形に似ていた頃から魔化魍を研究していた室長の一言に、尾賀は黙って頷いた。


184 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:57:29 ID:qJw9xg6m0
尾賀は、改めてモニターを見る。
見渡す限りの枯野に、乾いた血の色の網を投げたようだ。
寄生主の葦やススキがカサカサに乾いて枯れているというのに、寄生したオキナツルクサモドキだけが茎を縦横に伸ばしている。
普通、寄生主が枯れてしまえば、水分や養分を自分では作りだせない全寄生植物も、その運命を共にする。
では彼らは、一体どこから成長に必要な養分を得ていたのだろう。
「尾賀さんの見解は、どうなの。魔化魍とどんな関連があると思ってるの」
優しい声音や柔らかい物腰は、面倒見が良過ぎてなかなか出世できない万年学年主任のようだな、と尾賀は思う。
「魔化魍を清めた後に、これが異常な成長をしている、という例がある事しか、わかっていません」尾賀は、室長のネクタイについた染みに向かって言う。
「でも、尾賀さんは、10年前からオキナツルクサモドキを研究していたんでしょ?」
「研究と言うほどでは・・・・・・」
「じゃあ、観察?それにしたって、ずっとデータをとって、見ていたんでしょ?あなたなりの見解は無いの?」
口調こそ穏やかで優しいが、室長の質問は鋭い。無意味な研究で時間を潰すな。尾賀にはそう聞こえる。
「弦の鬼が清めた後に、繁茂する傾向があるように思います。つまり、バケガニやオトロシ、ヤマアラシなどが出現し、弦の鬼によって清められた後の場所に・・・・・」
「そう。それは全国的なものなのかな」
「少なくとも、私が歩いていた山ではそうでした。他の地域では、まだ確かめておりません」
それなら早急にデータを集めなさい、と室長は静かに言った。その答えに、尾賀は思わず顔をあげる。分厚い眼鏡の奥で、室長の目は微笑んでいた。
「宜しいのでしょうか・・・これは出現の予測とは関係無く、出現後の事象に過ぎないのかもしれません」
「裏付けも無くただ想像するだけなら、誰にでも出来るでしょ。ここはね、尾賀さん、その想像を裏付けする為に、データ化する部署なんですよ」
その為のネットワークです、と室長は付け加えた。尾賀は自分のノートパソコンに向き直る。パソコンから伸びる灰色の細いケーブルは、全国の猛士の仲間たちに繋がっている。
キーボードに打ち込みを始めた尾賀の机の隅で、起動する事の無い一枚のディスクが、天井の蛍光灯を反射して鈍く光っていた。


185 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:58:38 ID:qJw9xg6m0

雷が遠のき、雪は一層激しい。
視界が白く、狭くなる。

「何処を見やる。我はここぞ」

朱色の鬼は、未だ声の主を見つけられない。吹雪が、視覚と聴覚を麻痺させる。
雪は風を伴うと、上から降ってくるものでは無くなる。白く渦巻く礫となって、朱色の鬼を打つ。

「ほんに醜い鬼じゃ」

神経を研ぎ澄まし、気配を探ろうとするが、肋の痛みがそれを妨げる。
息の詰るような痛みに、鬼は思わず片膝をつく。姿の見えない相手に、朱色の鬼の内で苛立ちも不安も、怒りに変わっていく。
怒りが身の内で凝り固まり、黒く膨らむ。黒い塊は噴き出す出口を見失い、額の鬼面が熱を持つ。

「そなたはじきに、ただの鬼になる。人の心を忘れた鬼に」

人の、心。
朱色の鬼は、思わず額の鬼面に手をやる。恐ろしい顔で睥睨し、悪しき物を遠ざける役目を果たすはずのこの鬼面が、自分を魔物そのものにするのか。
目を開けていられぬ程の吹雪も、鬼面の熱を下げる役には立たなかった。

186 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 01:59:45 ID:qJw9xg6m0
ふと、あたたかな光を感じて、朱色の鬼は振り返る。
吹雪は嘘のように掻き消え、そこは暮れかかる秋の夕日に金色に染まった山。
楢、ブナ、ナナカマド、山桜・・・・・・赤く、黄色く色を変えた木々の葉が、どんな上等な絹糸で織られた錦より美しく山を彩る。
その山を背景に、一軒の傾いた家が見える。家の前には小さな畑。畑の隅には柿の木が、夕日より濃い色の実を鳥の為にと少しだけ残している。
朱色の鬼は、引き寄せられるように、傾いた小さな家に近付く。
家の裏手には小川。洗濯も野菜を洗うのもその冷たい流れだった。傾いた小さな家の屋根は、雪が降る前に直そうと言っていた。ああ、でもその前に、柿の実を吊るさなければならないと、話をしていたのだっけ。
あの、貧しくて、小さな家は、こんなにも美しかったのか。
朱色の鬼は、頬に違和感を感じ、自分が涙を流していた事にようやく気がついた。

帰りたい
帰りたい

駆け出そうとする朱色の鬼を、額の鬼面が、止める。

『かえれないよ』

帰れない替わらない変えられない代える事は、もう、できない。
だって、この風景は―――――

「まだそなたが人であった頃の昔」

朱色の鬼の耳に、冷たい吹雪と女の哂い声が蘇った。

187 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 02:00:51 ID:qJw9xg6m0

「お探し物は、見つかりましたかな?」
ふいに声をかけられ、尾賀は飛び上がるほど驚いた。
室長にオキナツルクサモドキと魔化魍の関連を研究するように助言されてから、三日が経っていた。
日本全国の支部に、助力を求めるメールを送る一方、彼女はオキナツルクサモドキという寄生植物を調べていた。
猛士の図書室には魔化魍に関する古今東西の記録の他に、膨大な書物が所蔵されている。
インターネットで情報を収集する一方で、猛士のデータベースやそれに収まりきれない古文書まで丹念に目を通す。
ほんの少し前まで教師をしていたとはいえ、崩し字で書かれた書物を読み解くには苦労する。
随分長い時間、古い時代の人々が残した記録と向き合っていたらしい。窓の外は、すっかり暗くなっている。
尾賀に声をかけた初老の男は、腕にコートとマフラーを持って、あまり機嫌の良く無さそうな顔をして立っていた。
まだ帰らないつもりか、と咎められている気がして、尾賀は慌てた。
「すみません、すぐ出ます」放課後、早く帰れと私に叱られていた生徒に見られなくて良かった、と尾賀は心の中で舌を出す。
「お探し物は見つかりましたか、と声をかけたつもりなのですがねぇ」
見つかったのなら結構な事ですが、と男は続けた。
「いやぁ、それが・・・・・」机の上に積み上げた書物の、半分もまだ目を通せなくて、尾賀は頭を掻く。
「余計なお世話かもしれませんが、何を調べていらっしゃるのかな?」
ピンと伸びた背筋、張りのある声。はて、この人は誰だろう、と尾賀は考える。猛士という長い歴史を持った組織の、しかも本部であるこの建物には、老若男女、様々な人が出入りする。
「ある植物です。オキナツルクサモドキ、と言うんですが、外来種なのかあまり資料が無くて、困ってます」
「ああ、あの赤い蔓草かね」男の眉間の皺が、改めて深くなる。「あれを探しておられるなら、古い書物には載っていませんよ」
名前が違いますからね、と怒ったような顔で男は言った。

188 :番外 「装う獣」前編:2006/12/14(木) 02:02:58 ID:qJw9xg6m0
「名前が違う?――――あのう、詳しく教えて戴けませんでしょうか」
藁にも縋る気持ちで、尾賀は自分の隣の椅子を引き、男を促した。壁にかかった時計が、九時を廻った事など、目に入ってはいない。
もう帰るところなんですがね、と言いながらも、初老の男は尾賀の隣に座った。ふわり、と古い書物のような匂いが尾賀の鼻をくすぐる。
男は机の上に積み重ねられた本から、一冊を取り出す。
「本草綱目、ですか。これには載っていませんよ。あれは薬にはなりませんから」思いのほかきれいな指先で、頁を繰る。「ああ、これなら載っていますよ」
す、と差し出された頁を覗き込んで、尾賀はつい声を出した。
「鬼蔓草・・・・・」
「オキナツルクサモドキに『もどかれて』いる蔓草です」
茎太く、頑健にして赤く、故に鬼と呼称さる・・・と、そんな事が書いてある。根を煎じれば、生水による腹痛に効能有り、とも。
根を煎じれば、という事は、鬼蔓草は自生するのか。
「鬼蔓草の別名は、オキナツルクサ。茎に白い柔毛が生えている様子を、翁の白い毛髪や髭に例えたのでしょう」
オキナツルクサモドキとの相似点は、蔓草である事と、その蔓が赤い事くらいらしい。二つの植物は、魔化魍とどんな関連があるのだろう。
いや、そもそも関連など無いのだろうか。
多弁な尾賀だが、今日は頭の中での自問自答が多い。口の先まで言葉が出て来ないのだ。
「時に、あなたは紅葉狩り、というものをご存知ですか?」
突然と言えばあまりに突然な話題の飛躍に、尾賀はポカンと口を開けてしまった。
「いや、まぁ、知っていますけど・・・・イチゴ狩りやリンゴ狩りみたいに、果実を採る事ですよね。紅葉は見るだけですが・・・・」
「いえ、それがね」男は本をぱたりと閉じる。「平安の昔、狩ったのですよ、紅葉を――――」
非道を重ね、時の帝が差し向けた軍勢に狩られた鬼女は、その名前を紅葉と言ったのです、と男はよく通る声で言った。
図書室では壁にかけられた時計が、沈黙を続ける夥しい蔵書を見つめ、静かに時を刻んでいた。


189 :DA年中行事:2006/12/14(木) 02:05:06 ID:qJw9xg6m0
後編は、また後日・・・

190 :名無しより愛をこめて:2006/12/14(木) 09:54:33 ID:Tn74yVxl0
おお!DAだ!

191 :名無しより愛をこめて:2006/12/14(木) 12:31:01 ID:P80VtBpA0
乙です!
続き楽しみにして待ちます!

192 :名無しより愛をこめて:2006/12/14(木) 22:48:24 ID:vahHJE+P0
用語集の話は、まるごと
【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/

でやるべきでは?ここはSS投下のみにして。
今の、中四国さん許容レスは書き込みを許す、反対意見がつくととたん
スレ違いにつき上記スレ誘導ってがなりたてるスレの流れはキモチワルイ。自演だろうけど。
丸々向こうに持っていくか、丸々ここでやるかの二択だろ。
そしてここでやられるのは嫌なので、丸々別スレ立ててくれ。

193 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 01:45:25 ID:Ty5Cr2XH0
ここで中四国関連の話題が出るたびに何度も何度もしつこく向こうに誘導される。
だけどあれはこのスレの住人が立てたスレではないし、立ててくれと依頼したわけでもない。
本来このスレとは余所者(※)のVIPPERたちが勝手な判断で勝手に立てたスレだ。
「SSスレの方針について話すのにどうして他所のスレに行かなければならないのか」
「SSスレのことはSSスレの住人がSSスレで話し合って決める。余所者は構ってくれるな」
そう考えている住人だっているってことを考慮してくれよ。

(※)余所者という言葉を使ったが、VIP絵師と中四国作者との間に起こった問題については
逆にこのスレの住人こそが余所者だった。VIPPERは絵師の身内だから発言権があった。
それが済んで、今はこのスレが今後中四国作者や中四国SSとどう付き合っていくかという話をしている。
本来このスレとは関係がないVIPPERはそういう話においては余所者だ。

ついでに言うと向こうのスレの存在を不快に思っている住人だっているだろ。
中四国作者が悪くなかったとは言わないが、あのスレでは“必要以上に”悪く悪く語りすぎている。
スレタイ一つ取ってもそう。「無断使用 無断加工」を強調しているのは一体何のためだ?
中四国作者に悪いイメージを必要以上に擦り付けようとしているようで悪意を感じざるを得ない。
誘導の理由にしても「荒れてSSが投下されなくなる」などともっともらしい理由を付けているが、
「中四国作者や中四国SSがSSスレの運営に関わりそうになるたびに封殺しようとしてるのでは」とか
「中四国の存在自体が荒れる元だというイメージを浸透させようとしているのでは」とか、
そういう邪念を推察してしまう。別に擁護してるわけじゃないがな。

とにかく俺は、このスレのことはこのスレの住人がこのスレで話し合って決めるべきだと思っている。
他人の立てたスレで他人と意見を交えたらそれはこのスレの方針、あり方を決めたことにならないだろ。
仮に向こうで何か決まったとしても結局はこっちに持ってきて皆の了承を得る必要があるわけだし。
だったら最初からここで話すべきだ。
「ここで話すと荒れるから」とか言って向こうに逃げたい奴は勝手に逃げろよ。戻ってくるな。

194 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 01:48:12 ID:o0PM3OoC0
>>193
おまえの存在が荒らしなんだけど。

195 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 06:41:49 ID:XXGI2zBW0
>>193
あなたが以前からのスレ住人であるとか、中四国さんでないとか、そういう証明も無い。
そして、それはここに書き込む人みんな同じこと。
スレ住人とかそうでないとか分けるのは、気持ちはわかるけど、無意味だと思いますよ。

そういう中で現実的にここのスレに平和を取り戻すには、別にスレを立てる必要もあったと思います。
「悪意的」というけど、実際、無断使用、無断加工で指摘されても削除アク禁などの不誠実な対応だったわけですし。


今後のこのスレの展開としては、

1・中四国さんが誠意ある謝罪をする、疑問に対する回答をする。(向こうの>>146です)
 みんなもそれで水に流す。

2・中四国さんが立ち去る

3・他の人が立ち去る

のどれかなのかなぁ。
1がベストだと思うんだけど……。


196 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 08:16:38 ID:TdpaUptFO
謝罪謝罪って一本調子だけど、誰に何を謝るの?
VIPの絵師さんはあれでいいと言って帰った。今更蒸し返すのも雰囲気悪くするだけ。
このスレの住人は直接被害を食らったわけじゃない。
二次的にスレにも戦火が及んだことと、不誠実な対応で不快にさせたことは既に謝罪が済んでる。
サイトにもずっと説明・謝罪文が掲載されたまま。
この状況でさらに謝らなきゃいけない事項と相手って?
誠意が感じられないっていうなら何回謝り直しても同じだし。


197 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 09:23:15 ID:BcdXmd0nO
餓鬼でドヘタなヘタレ絵師(笑)に絡まれた上、アンチにスレから叩き出されかけている…。
何も悪くないのに中四国氏も可哀相だな。彼を追い出そうとしてるのは案外他のSS作者だったりしてな。
高水準の文章である中四国氏を追い出す事で、自分の駄作に目を向けさせようとしてるんじゃないのか?

198 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 09:24:56 ID:EyN7cyPe0
ホント、中四国のファンは携帯の人が多いね……。

>このスレの住人は直接被害を食らったわけじゃない。
えっと……スレが一つ死んだんですけど……
擁護する人は「直接被害が…」って言うの好きだね。

199 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 09:34:46 ID:XjaN+nAyO
ばかな中四国

200 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 10:00:20 ID:EyN7cyPe0
>>197
そうか!ならば中四国様の作品が汚れないように、裁鬼SSインスパイアー作品だけのスレを立てよう!
このスレは中四国様のような高水準な作品だけが投下することを許される高貴なスレとし、
下賎な作品と、それをまとめているまとめサイトや、用語集などは響鬼二軍スレに放り込めばいい。
そうすれば、中四国様を悪人扱いするクソ住人があられる事もなくなるだろう。
>>197。君は素晴らしい!!
中四国を悪人扱いする住人など、このスレでは微々たる数。
過疎っていく姿をこちらの高貴なスレから笑ってやろうじゃないか!

201 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 10:15:17 ID:EyN7cyPe0
テンプレ案
【響鬼SS】鬼スト−リ−【二軍スレ】
「仮面ライダー響鬼」から発想を得た小説を発表するスレです。
世界観を共有しないと作品が書けないような奴。
既存の鬼を使うなどの発想の貧しい奴や、DA、見習いなどの奇策的なだけの話など、
作品と呼ぶには乏しいSSなどを投下し成長していくスレです。

中四国支部のように高水準な作品を投下したい方はこちらへ
【響鬼】鬼ストーリー(仮)【SS】

中四国に比べると笑ってしまうようなレベルの作品ばかりですが、
どうか暖かい目で見守ってやってください。

注)中四国さんの作品はこちらの二軍スレには投下されません。


202 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 10:51:33 ID:KX4OykgZ0
もううんざりだよ…
中四国の名前が出ると荒れるのは事実じゃん。
せっかく昨日職人さん達の投下でいい雰囲気になって嬉しかったのに。
スルーするとかの次元じゃない。
中四国のコテで書き込まれる記事見るだけで不愉快だ。

203 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 10:51:38 ID:pmBKiREY0
>>201
おまえ天才だな!

204 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 11:16:53 ID:EyN7cyPe0
基本スタンス
二軍スレでは中四国さんの名前を呼んだり、話題をすること事態が中四国さんへの
侮辱行為に値する。褒める事すらスレでは汚らわしい行為、仮に降臨さてもそれはおそらく
中四国さんの名を語った奴であり、中四国さんではないのでスルーする事。
本当の中四国さんは下賎なスレなど訪れない天上人であるはず。
もしお言葉を頂いても「皇城」や「DA」などの駄作で喜んでしまう低脳な私たちが、
レスを返すなど、もはや極刑に値するので心の中で感謝する事。
たった一人の為にでもSSを投下してくれる中四国さんはその気持ちだけで充分嬉しいはず。

優しい中四国さんは「いっしょに居てあげてもいいよ」と言ってくれるかもしれないが、
中四国さんを悪人呼ばわりする連中と一緒にする事はあってはならない。
作品を読みたい人はこっちのスレへの投下を強く要求する事。

205 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 11:26:20 ID:EyN7cyPe0
二軍としてしまうと、中四国さんは「他の人たちに失礼!」とかおっしゃるかもしれないので、
響鬼にちなんで「序の六段SSスレ」とか「ときんSSスレ」はどうでしょうか?

206 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:18:22 ID:lpIaZClh0
>>201
なんだか極論って感じがしてイヤなんだが、スレの現状を考えるとそれもありかと思ってしまう俺がいる…。
本当はこのまま丸く収まってくれれば良かったんだが、中四国の名前が出るたびにこの調子じゃいつまで経っても落ち着いてSSが読めない。

207 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:24:25 ID:lpIaZClh0
そういえばひとつ気になってたんだが、中四国自身はどうしたいんだろう?

毎回「読者への責任」とか「罪滅ぼし」とか言ってるけど、「自分がどうしたい」って話はしないんだよな。
「スレに戻って来たい」とか、「リンク張って欲しい」とか思ってるんだったら、自分の言葉で希望を出せばいいと思う。

「○○がこう言ってるから」みたいな言い方はちょっと卑怯だし、このスレの住人としても「じゃあ仕方ないね」とは言えないんだよね。

208 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:30:04 ID:lpIaZClh0
>>204
でも駄作とか低脳とか言うのは止めてくれ。
冗談だというのはわかってるが、SSの作者さん達に対して失礼だ。

209 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:45:18 ID:EyN7cyPe0
>>206
まあ、極論なのは承知の上なんだけどね……もう名前が出てはだと仕方ないのかも。
>>207
自分から戻りたいって感じだと、「調子いいな!」って展開になりそうだから、
周りが言ってるからって事にしてるんじゃないかな?
個人的には1スレは自粛してもらって、次で「前々スレでは……」って登場すれば別に気にしなかったんだけどな。


210 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:47:24 ID:EyN7cyPe0
>>208
それは心から作者さん達に謝罪します。


211 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 12:57:11 ID:OzAy6nIV0
「中四国」の文字が出るたび、この状況・・・。
スレタイ気に入らないって人もいるみたいだけど、もう、この問題がらみのことはあっちでやって欲しい・・・。
ホント、安心してSS読めるようにして欲しいです。

212 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 13:02:57 ID:2pxzJGWlO
中四国さん自身は何も言って来てないし、今は反応待ちでいいんじゃない?
あれこれ想像していろいろ言うのはそれこそ向こうのスレでやろう。

213 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 13:35:49 ID:JJH8UdK80
中四国作者の反応なんかいらないよ。
匿名掲示板でやらかしたら、しばらく間をおいて別人別作品でやり直すのがベストだと思う。
ここはSSを投下するところで、ROMにとっては投下されたSSを読むところだろ。
それ以外はスレ違い。煽って楽しんでるやつは出て行けよ。


214 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 13:44:40 ID:lpIaZClh0
>>213
確かに中四国の反応を待っても不毛な気がする。
これからもずっとこの調子なんだったら、一時的にでも中四国をBANした方がいいと思うんだが。
本人は自分のサイト持ってるわけだし、わざわざこのスレに投下する必要もないのでは?
本当にこのスレの読者のことを考えてるんだったら、しばらく自粛してくれるのがベストだと思う。

215 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 14:03:06 ID:xcADDNSEO
>192からの煽り及び自演の流れはスルーで!

作者さんが作品投下で本来のスレに戻そうとしてくれるなら
読者として感想。

見習いメインさん、乗ってますね!
あきらのキャラが立ってますけど、
逆にキャラが目立つのは正解なんですかね?
年中行事さん待ってました。
今回の番外編は朱鬼さんですか?
秋に投下予定だったのかどの時候だろ?
後編wktkです。

本来感謝だけでなく嬉しさで誉めたいけど、
読者間の批評を引き出したいのでケチ付けました。

スレ本来に戻す戦いが作者さんの作品投下なら
読者の戦いは作品批評感想と考えます。

216 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 14:20:29 ID:EyN7cyPe0
反応もなにも都合の悪い事はすべてスルーだからなぁ。

例えば「響鬼SSを書いたけど発表する媒体が無い人用スレ」ってダメかな?
これだと凱鬼さんは引っかかってしまうんだけど。
まとめサイトさんにはライダー共闘スレみたいに別枠で作ってもらうとか?
基本的に別スレとして立ち上げて、お手数だけど作家さんには改めて自己紹介から入ってもらうのは?


217 :皇城:2006/12/15(金) 15:24:24 ID:06qN3/QK0
申し訳ない。
冗談でも何でも駄作といわれて黙っているわけには行かない。
つられたとあざけってもらってかまわない。

高尚な話を書いているつもりもないし、自分の文章がうまいとも思ったことは無い。

ただ、>>179さんのような方がいてくれることがうれしいから投下させていただいていた。
一人でも多くの読み手に面白いと思ってもらえるものを書いてゆこうと思ってここまで着ました。

今回の件に関しても。自分の意見を明確にした後は、話題に参加することは避けてきました。
荒れるのは本位ではなかったし、住人方に対する配慮だ。投下も避けていました。

話に対する批判ならいくらでも受け付ける用意がりましたが、口汚い雑言を許容できるほど私はどうやら人間が出来てはいないようです。
>>197および>>200の意見だと私はこのスレにいる資格はないらしい。

ならば去りましょう。読者に戻らせていただきます。
感想がダイレクトに得られるこの空気は好きでしたがいた仕方なし。

少なくとも他の職人方とは対等な立場でいたつもりです。
二軍扱いされてまで投下し続ける気力はありません。

今回の件が本当の意味で決着を迎えたならばまたお邪魔することにいたします。

218 :皇城:2006/12/15(金) 15:31:41 ID:06qN3/QK0
追記。

諧謔でも限度があると思います。
云いたいことの意味は分かりますが書き方を考えてほしかった。

219 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 16:36:59 ID:eoQKsPYj0
・好きなSS作者さんがいる
・中四国にヘドが出る

両方である自分としては、中四国が出入りしないSS投下スレが出来るなら
ありがたいとは思ったけど、SS作家さんのモチベーションを削っては本末転倒だ。

220 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 16:39:30 ID:eoQKsPYj0
AA長編板みたいに、作品投下スレと住人の感想(雑談)スレを分けるべきでは?

作品投下中にうっかり感想いれて、流れを中断させてしまうこともないし
新しい作品投下が始まっているのに、前の作品の感想を述べ続けるのは失礼かと、感想自粛することもない。
SS作家さんの過去作品についても感想レスつけられる。
面白い作品を読ませてくれる作家さんに、貰った感動をもっと伝えたかったし。
まとめスレにWEB拍手があったら押しまくるのになぁと思ってた


221 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 17:10:38 ID:xcADDNSEO
>>217-218
皇城様、ファンとして敢えて苦言を呈します。

ここは2ちゃんねる。基地外や厨房も来ます。
元に戻そうとするには作品投下の「鬼」ありきです。
そう思いファンとして「銀」を気取り
石川英輔の大江戸が参考文献で紹介出来たら
感動に対する恩返しになるかと思った者です。

言葉の攻撃に負けないで下さい!

222 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 20:52:12 ID:4be2iFB30
>>221
同意。
とにかくスレをマトモにしたかったらグダグダいってねーで
面白いSSだけ投下しろ。


わざわざつまらん煽りあいなんか見たくないんだよ。
読む方だってモチベーションいるんだから…。

223 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 21:03:49 ID:Ty5Cr2XH0
中四国の存在が嫌だから追い出そうというのは、私怨だろう?
中四国SSの投下をやめさせなきゃならない合理的な理由が見つからん。
読みたくない人間にとってはそりゃ投下があっても何の得にもならんが、
かといって誰も何も損をしないんだからやめさせることは出来んだろ。

224 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 21:27:40 ID:xcADDNSEO
>>223
ちょっと向こうに来い!

225 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 21:40:47 ID:o0PM3OoC0
>>223

は ?

226 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 22:02:24 ID:ol/WYQrc0
>>223
スレが荒れる発端といっても過言ではない奴を、追放したって構わんよ俺は。
中四国は自分のサイトも持ってるんだし。

227 :名無しより愛をこめて:2006/12/15(金) 22:43:09 ID:i2BiA2jzO
以前飛沫鬼さんを描かせていただいた者です。(規制に巻き込まれてるので携帯から…)
この事件のせいで皇城さんの話が読めなくなるのは残念極まりないです。
迫力があり、なお読みやすい文体も、その内容も本当に凄いと思っているだけに…

228 :見習いメインストーリー:2006/12/15(金) 23:59:46 ID:zpvfhJiK0
前回は>>156から

二十二之巻「語る飛車」

 七月に入り、みどりの学科研修の内容は、弦の鬼についての講義になった。
 弦の鬼の戦い方、弦で倒す魔化魍の種類、そして弦の鬼の特徴である、利き手の指に現れる
ピック状の突起についてなど──。
 その日の学科研修が終わると、実技研修として、今日から鬼弦を用いた演習が始まった。
純友と大洋は鬼弦にディスクアニマルをセットして、記録した音の再生テストを行った。

「──最近、多美ちゃんからのメールがコネー」
 研修の帰り、駅へ向かう道の途中、大洋は言った。
「試験前で忙しいんじゃないかな」
 二人が通う高校も、七月の第一週に期末試験を予定している。
「そっか」
 純友も、最近橘多美からのメールの返信が無いことが気になってはいたが、その理由を
確かめる勇気はなかった。大洋の所にも来ていないと聞いて、少しほっとしたが。

 純友たちの一学期の期末試験も終わり、次の日曜、二人は鬼の履歴書ファイルを見ながら、
みどりから関東の弦の鬼についての説明を受けた。
 みどりは、ホワイトボードに書き出した鬼の名前を指しながら説明していった。
「サバキさんは、先日引退したザンキさんと並んで、関東の弦の鬼のトップの座を争っていた人よ。
──で、そのザンキさんのお弟子さんだったのが、トドロキ君。ザンキさんは今、トドロキ君の
サポートについて『飛車』をやってるの」
 純友は、先日研究室を訪れたザンキ・トドロキ師弟を思い出した。あれ以来、大量のディスク
の整備に追われることもなくなった。

229 :見習いメインストーリー:2006/12/16(土) 00:00:51 ID:zpvfhJiK0
「最後は、バンキ君。サバキさんのお弟子さんで、今は大学に通いながら鬼の活動を続けてるの。
イブキくんとそんなに年もかわらないから、お休みの日はイブキ君と、それにあきらちゃんも
入れた三人で、一緒に過ごすことも多いみたいね」

 研修の後、大洋が「たちばな」の仕事を休憩中の香須実の所に行った。
「『銀』の本部での研修のことなら聞かないで──え? 違う? 『飛車』の仕事内容?」
 自分の進む道を「飛車」にすべきか「角」にすべきか判断する材料として、大洋は
現役の「飛車」である香須実に、その仕事内容について聞いてみることにしたのだった。
「大体の話はみどりさんから聞いていると思うけど、現場に鬼を連れて行き、連れて帰る。
現場でのキャンピングのサポート、現地の皆さんの避難誘導──と、いろいろあるけど、
大事なのは『機動力』かな」
 休憩室の畳の上に立ち上がり、香須実は言った。
「先々月、みどりさんが現場のダンキ君に音叉を届けにいったことがあったけど、
あれも本来は私の仕事。あの時は、風邪で行けなかったけどね」
 大洋は、休憩室の上がり端に腰をかけ、腕を組みながらであったが、真剣に彼女の話を
聞いていた。純友はその横で背中を丸めて立っていた。
「この間も、夏の魔化魍対策をしていたトドロキ君のところに音撃棒を届けに行ったり
したしね。そういう──指示を受けたら即行動に移し、現場とこことの距離を縮めるための
行動の素早さが大事だと思うわ」
 休憩室の中をぐるぐると歩き回りながら、香須実は話し続けた。
「お父さんも『飛車』だったしね。私はこの仕事、結構気に入ってるけど」
 香須実の父、つまりそれは関東支部長の立花勢地郎を指す。

230 :見習いメインストーリー:2006/12/16(土) 00:01:35 ID:zpvfhJiK0
「え? おやっさん、『飛車』だったんスか?」
 驚く大洋に、ニヤリと笑って香須実は言った。
「そうよ〜。イブキ君のお父さんが現役の鬼だった時にその『飛車』として付いていて、
名コンビだったらしいわ。──それが今や、総本部長と事務局長だからね。君もイブキ君に
『飛車』として付いたら、出世できるかもよ」

 更に数週間が過ぎ、夏休みに入った頃。
 その日の「たちばな」での研修を終えた純友は、「猛士の間」の机上にある数冊の
スクラップブックを目に止めた。表紙には「『凄・橘』に関する通報綴」とある。
 その横で、別のスクラップブックに日菜佳が何やら貼付けている最中だった。
 表紙の「橘」という字を見て橘多美を思い出した。もうずっとメールも来ないし、
電話でも話していない。多美のことを想ってその場で佇んでいた純友に、大洋は言った。
「何やってんだよ、行くぞ純友ー」
 日菜佳が顔を上げて、満面の笑顔で純友に言った。
「純友くん、お手伝いをお願いできますか〜? こういうの得意でしょう?」
「え……あ、はい」
 頼まれると断り切れない性分で、純友はおとなしく席についた。
「じゃーおれ先に帰っから」
「ああ、それじゃ」
 大洋が階段を上がっていくと、純友は日菜佳のそばに置いてあるスクラップブックを
一冊手に取った。こちらの表紙には、「全国失踪者リストファイル」とあった。

231 :見習いメインストーリー:2006/12/16(土) 00:02:20 ID:zpvfhJiK0
 スクラップブックをめくり、余白ページの前に貼ってあった新聞か何かの切り抜きを見て、
純友の思考は停止した。
 実に、不思議だった。懐かしい橘多美の顔写真を、こんなところで見るとは思わなかった。
 小さな楕円形の中に、多美の白黒写真が載っていた。
 記事の見出しには、「東灘区の高校生行方不明に」とあった。
 こんな時、普段の自分だったら大泣きするはずなのに──不思議と涙は出てこなかった。
あまりのことに、感情の動きというものが止まってしまったらしい。
「純友くん……?」
 スクラップブックを手にしたまま立ち尽くす純友を見上げて、日菜佳は言ったが、それも
純友の耳には届いていなかった。
「──大洋ッ!!」
 今までに決して出したことのない大声で、純友は大洋を呼んだ。日菜佳は常にない純友の
様子に目を丸くした。
 少しして、ばたばたと階段を下りてくる音がした。引き返してきた大洋が、スクラップ
ブックから目を離さぬままの純友に言った。
「なんだよ、でっけぇ声出しやがって」
 動かない純友の隣に来て、大洋もその記事を見た。その目が見開かれた。
「貸せ」
 純友の手から乱暴にスクラップブックをひったくると、大洋は記事を読み始めた。それも
気にせず、しばらく無言のままだった純友は、携帯電話を取り出して多美に電話を掛けた。
『ただ今この電話番号は、使われておりません──』
 感情の無いアナウンスの声がそう告げた。

二十二之巻「語る飛車」了

232 :見習いメインストーリー:2006/12/16(土) 00:03:26 ID:zpvfhJiK0
次回予告

「なんスかコレ……。行方不明ってふざけんなよ、ったく──」
「……確かな関連性はないわ。ただ、可能性の一つとして……そういうことも考えられるわ」
「みどりさん、ねえどうして、みどりさん。教えてよぉぉぉぉ! なんで? なんで?」
「……手間をかけるな、小僧ども。せっかく詫びを入れに来たのに」

見習いメインストーリー 二十三之巻「通じぬ電話」

233 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 09:37:50 ID:Ua2vRGf/0
ほんとお前らどうしようもねぇなwww
せっかくバッシングに負けずに中四国さんが作品を投下してくれるっていうのによ!
むしろお前たちの駄作の方が中四国さんの作品を汚してるって事に気付いてないの?
中四国さんは前スレの事を忘れようとして、あえて大人しく登場したのに、そんな事も気付かないの?
まあ、皇城やDAがおもしろいとか言ってる低脳集団には理解できねぇよな!

用語集とか設定が違うからとかいってんじゃねーよ
こっちのアホ設定じゃなくて中四国さんの設定の方が公式なんだよ
設定共有とかいってるが本当は自分達で設定を考えるだけの能力がねぇだけだろ?

>中四国さんへ
もうこんなスレにいるのはやめましょうよ。
こんな連中と一緒にされたら、あなたの作品が汚れていってしまいます。
新に中四国さんようにスレ立てしましたので、今後はこっちで作品を拝見させてください。

響鬼外伝 中四国支部鬼譚(きたん)を語るスレ
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1166228342/l50

234 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 09:46:58 ID:TCM4UcBG0

みなさん、>>233はスルーで行きましょうねぇ〜


235 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 09:53:58 ID:Ua2vRGf/0
むしろ関わらないでください。
中四国さんと関係があるみたいでイヤです。

236 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 10:00:05 ID:TCM4UcBG0
うん、まぁ元々は同じ響鬼を扱ってることでしか無い関係なんだから
俺はそれで大歓迎よ。
ついでに聞いておくけど、>>235はもうこの低脳集団のスレには来ないんだろ?
さらに聞きたいんだけど、君はもしかして中四国作者?

237 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 10:05:30 ID:Ua2vRGf/0
いえ違います。いちいち自演呼ばわりするのは失礼ですよ。

>中四国さん
自演とか言ってるやつらがいるので、このスレを見次第すぐに決別宣言してください。
もうここの住人が泣いて謝ってもここに戻る必要などありませんから。

238 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 10:12:52 ID:TCM4UcBG0
自演とか言ってねぇしw
まぁ俺は泣きも謝りもしないけど。
中四国SSは読んだことないし。

239 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 11:56:11 ID:jKCzBQBjO
終わり?

240 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 12:09:13 ID:G0wBtOpmO
中四国は中二病

241 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 20:20:13 ID:iXdsg/Q10
>>見習いメイン様
乙です。
今までと少し違った展開が・・・。
橘さん、無事でいてほしいです。
次の投下、楽しみにしています。

242 :中四国支部鬼譚作者:2006/12/16(土) 20:54:17 ID:5y5s7MgN0
 皆様
 俺のことで散々スレが荒れてしまって本当に申し訳ありません。
 長々と何か書けば書くだけ余計に雰囲気を悪くするだけだと思いますので、結論だけを簡潔に述べます。
  このスレへの中四国SSの投下をしばらく控えようと思います(つまりSS公開場所をサイトと新都社のみとします)。
 「誰も作らなければ用語集を作る」と言ったことも撤回とします。
 無論、>>233はスルーします。

 返す返すも申し訳ございません。

243 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 22:05:14 ID:cWcLSE6z0
あっそう。じゃあとっとと消えてね。


何事も無かったのかのように、誰でもいいからSS投下しろ。


244 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 23:04:25 ID:UdZTkLUH0
ほっ(安堵)良かった良かった。

>243
そんな命令口調はどうかと。

245 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 23:19:51 ID:lnn+b2WDO
>>241
一つだけ質問です。
中四国SSは、このスレへの直接の投下がなくなるだけで連載SSの一つとしてはあり続けるのか、
(つまり少し前までのようにサイトを更新したことだけ書き込むという形に戻るのか)
それともこのスレから完全に消えてしまうのか、教えて下さい。
前者なら、まとめサイトから消したり、これから用語集を作るとすればそこから除外したりはされず、
作者さん達の中で特に中四国さんだけを違った扱いにもできないですし。

246 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 23:34:33 ID:EgAMMDSp0
>241
>245

用語集について、中四国さんが手を引き、SS投下を自粛するということなら、
SSスレで語り合う事はもう無いと思います。
中四国さんの名前が出るだけで荒れてしまうため、
このスレ本来の活動である、SS投下が妨げられて困ります。

今後の身の振り方で話し合うのなら、
「中四国さんも」、「中四国さんに直接何かをいいたい人」もこちらでお願いします。

【無断使用】雪風日和【無断加工】
ttp://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1164793750/

247 :246:2006/12/16(土) 23:35:29 ID:EgAMMDSp0
レス番間違えてすいません。
>242
>245宛です

248 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 23:37:40 ID:DQ0U5Z/j0
>>246
そのスレ中四国は無視してるから、話し合いの場としては機能してない

249 :中四国支部鬼譚作者:2006/12/16(土) 23:41:38 ID:5y5s7MgN0
>>245
ここから居なくなりはしないつもりです。
SSの投下はしませんが、サイトを更新した際にはまさに以前のように、その旨知らせに来ます。
(ただし、この形で実際やってみてそれすらも荒れる元になるというなら控えることになるかもしれません)

250 :名無しより愛をこめて:2006/12/16(土) 23:48:50 ID:EgAMMDSp0
>248
でも、中四国さんがこれから先、ここで245の問いに答えていったら間違いなくまた炎上します。
中四国さんが本当に謝意を持っておられるのなら、ここではなく、
一連の問題を隔離した専スレで回答をお願いします。

>245
中四国さんが御自分のサイトで更新したという情報を、ここで報告するのでは、
ここでSSを投下していくのと変わりがありません。
それでは、SSの投下を自粛する事によって、
問題への責任を取られると発言した中四国さんの発言が無為になってしまいます。

251 :250:2006/12/16(土) 23:54:00 ID:EgAMMDSp0
>249
リロードせずに発言してしまってすいません。
中四国さんの自粛するといった発言の意図、どうやら読み違えていたようです。
私の言いたい事は、250の発言の通りです。
ここを荒れさせたくないので、どうか向こうのスレで発言をお願いします。

252 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 00:07:35 ID:/f8XZNQ+0
>>249
ほらまた、都合の悪いことは無視だ。
もう君来なくていいよ。


253 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 00:18:36 ID:Eky4YKbi0
>249
中四国さん、>246、>250…そしてみんなの発言を無視しないで受け止めてくれ。
ちゃんと、自分がどう言われているのか、
このスレと専スレで自分に向けられてる発言を全部読んで、応えを返してくれ。

それが出来ないのならもう二度とここに書き込まないで欲しい。
今までのあなたの発言、どんなに言葉を飾っても、その応えの無い限りまったく信用出来ない。
あなたの発言で荒れるのは、はっきり言って迷惑だ。

254 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 01:02:09 ID:3clKLd5z0
結局いい子ぶってるだけじゃねぇか。

結局自分のことしか考えてない。

結局自分の言いたいことしか言ってない。

結局自分のやりたいようにしかやってない。

質問にはきちんと答えろ。その義務がおまえにはあるだろう。

255 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 01:06:31 ID:PKT/X3x50
なぜか荒れてるので少し読み返してきた。
とりあえずわかったこと。

・皇城の人はメール欄を見ない

256 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 01:49:50 ID:fEIqSeP+0
荒れるの見るのもう嫌なので、途中まで作ったSS投下します。

裁鬼SSリスペクトなのでイチゲキさんやテンキさんが出ています。
SS作者様、お許しください。
駄目な場合は続きの投下はやめることにします。

では「戻る川」行きます。

257 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 01:54:05 ID:fEIqSeP+0
「戻る川」

―平成十八年―。
この年の初めに起こった猛士史上でも最大級の魔化魍大量発生事件、通称「オロチ」。
 図らずも「闇の住人」たちの導きにより鎮めの場を発見したことと、猛士関東支部の「角」を始めとする
全国延べ八十余名の鬼たちの活躍によってこの事件は一応の解決を見た。
 当初は関東支部所属の「角」であり、宗家の鬼であるイブキがこの中心で儀式を行うことになっていたが、
諸々の状況を鑑みた結果として「鎮めの儀」の前にイブキの指導に当たった太鼓担当の最年長の「角」、
ヒビキが独断でこれを代行した。
ヒビキの行動に関しては、総本部の意向を一支部の「角」が無視したとして組織運営の面からこれを問題視する
向きもあった。が、「オロチ」そのものが極めて稀な現象であること、また、いかに宗家の鬼であるとはいえ、
失敗の許されない「鎮めの儀」に管の鬼であるイブキが臨むことに当初よりこれを危ぶむ声も総本部の中であった
ことから、このヒビキの独断による行為については結局不問に付されることとなった。
 現象の終息により魔化魍の異常発生は急速に収束し、春を過ぎる頃には魔化魍の発生は例年どおりの状況に落ち着いていった。



258 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 01:57:04 ID:fEIqSeP+0
―同年、夏―。
 関東支部の巡回区域である紙黄村の数キロ上流側にある上紙黄地区。
 川の近辺に古くからの民家が点在するこの辺りでは、毎年夏になると野菜が畑から盗まれていた。
 盗まれるもので一番多いのは、胡瓜、西瓜。だが、全部盗まれることは決してない。
 何故か、その中でも一番美味しそうなものが少しずつ消えているのである。
 たまに一本も盗られない家もある。その家の作物は大概出来が今一つで、市場に出してもあまり
良い値で売れなかったりする。
 蔓のあるものだと作物を?いだ後に器用に一結びされた痕跡を見つけることが出来る。
 土を掘った場合には埋め戻した跡がこんもりと山状にされていたりする。
 人々は昔からこの奇妙な痕跡を残す不思議な泥棒を「川名主」と呼び、出没の有無で
作物の出来不出来を測っていた。
 しかし、数年前からこの川名主が全く現れなくなった。
 この状況に集落の人々は口々に「寂しいねぇ」と洩らしていた。




259 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 01:57:36 ID:fEIqSeP+0
 戦前、戦中を生き抜いた古い人びとは言った。
「昔は夏になると川辺で川名主さまと相撲を取って、よく遊んだもんだよ」と。
「土産に川魚をもらったこともあるよ」とも。
「西瓜を持っていくとそりゃもう、喜んでねぇ。ニコニコして遊んでくれたもんさ」
「でも、時期になると迎えが来てねぇ、いつの間にか帰ってしまってたのさぁ」
「迎えの人は鬼みたいに体の大きい人でねぇ」
「おっかない貌(かお)してたけど、優しい目をしていたっけねぇ」
「琵琶みたいなもの、持っててさぁ」
「撥も見たことあったよ。先っぽに石のついたようなやつ」
はたして、川名主は一体何処に行ってしまったのだろう。
寂しいながらも人々はこれも時代の流れなのか、と感じていた。

そんな中、久しぶりに川名主が現れた。
一軒目は川に程近い篠原という老人の西瓜畑だった。
 収穫間近の最も大きい熟れた西瓜が?がれ、結び目が施してあった。
 篠原は八十近い老齢であったが、実際に川名主を知る最後の世代でもあった。
若い頃は猛士の「歩」としても働いていたので、川名主の正体が何なのかも知っていた。
篠原は紙黄村の「歩」に連絡を取り、河童の童子と姫の出現を告げた。


260 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 01:59:59 ID:fEIqSeP+0
―東京、葛飾柴又。甘味処たちばな―
 この日も東京は真夏日の最中にあった。
 この店の看板娘である立花香須実と日菜佳の姉妹は涼を求め訪れる多くの客の
応対に追われていた。
 そんな中で店の電話が鳴った。
 日菜佳が出たが、少し表情を変えると電話を切らずにそそくさと店の奥へと入っていく。
 それを見て、店主の立花勢地郎がすっと後を追って店の奥に向かう。
 香須実は彼らの方を気にするでもなく、何事もないように客にかき氷を出した。

 甘味処「たちばな」の地下にある猛士関東支部。そのデータベースに結びついている
パソコンの前で日菜佳が誰かに連絡を取っている。
「…はい。実は上紙黄の方で河童が出たと知らせがありまして…。シフトでは今週は
ダンキさんの番なのですが、以前、父上からこの近辺で河童が出たら、サバキさんに
連絡するようにと伝達されておりましたので………はい、……はい。
それではダンキさんのほうにはこちらからそのように伝えますので。
……はい、それでは宜しくお願い致します」
 電話を切ると、勢地郎がイチゲキ君かい、と聞いた。


261 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:04:01 ID:fEIqSeP+0
 過日引退を宣言したサバキは現在イチゲキのサポーターということで登録されているので
直接のシフトに組み込まれてはいない。魔化魍退治は通常「角」である人間に直接連絡されるので、
日菜佳は原則に従ってイチゲキに連絡を取ったのである。
「あの地域の河童はテンキさんの頃からの伝統だからねぇ…」そう言ったものの、昨年数年ぶりに
出た河童は非常に凶暴化しており、裁鬼はおろか救援に向かった響鬼も苦戦する始末だった。
 裁鬼は連戦の疲れから撤退を余儀なくされ、響鬼は紅に変化して退治に成功したものの、
河童特有の粘液で声帯をやられ、定時連絡した際に電話に出た香須実に悪戯電話と間違われるという
悲惨な目にあっている。
「ほんと、去年のあの時は…」
「去年がどうかした?」悪戯っぽく目を細める勢地郎の背後から香須実が入ってきた。
「あ、いや。何でも。…上はもういいのかい?」
「あきらが来てくれたんで、店番頼んできたの。で、出たの?」
「ああ、上紙黄の方で河童が出たそうだ。今週はダンキくんが当番だが場所がアレなんで、
イチゲキ君に連絡を取って彼に行ってもらうことにしたよ」
「去年はヒビキさんが行ったのよね。今年は大丈夫なのかしら」
香須実は去年ヒビキが苦戦したという話は聞いているが、声帯をやられたことはまだ知らない。
香須実に冷やかされるのが嫌でヒビキは数日たちばなに姿を見せなかったのだ。


262 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:05:43 ID:fEIqSeP+0
「去年の場合は奴等が手を加えたんじゃないか、とサバキが言っていたからねぇ。
まあ、最近は大人しくしているみたいだし、警戒は必要だけどイチゲキ君なら大丈夫だと思いますよぉ」
 飄々としたいつもの調子で勢地郎は香須実に言った。だが、眼鏡越しの彼の目の奥は厳しい光を放っていた。
 お父さんってこう言う割には結構怖いのよね、と香須実は心の中で思った。
 かつてはイブキの父である総本部長と組んで魔化魍退治に励んでいた男である。
 魔化魍の恐ろしさは誰よりも熟知していると言っても過言ではなかった。
 父と同じ道を行く香須実にとって、勢地郎は愛すべき父であり、尊敬する師匠であった。
 勢地郎は日菜佳にダンキへの連絡を頼むと店へと戻っていった。



263 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:09:40 ID:fEIqSeP+0
 一時間後に状況確認のためにイチゲキがサバキと共にたちばなに現れた。
 客が掃け、一段落した店では暇そうにしたヒビキの弟子の桐谷京介が団子を頬張っていた。
「ぼびゅひゃひゃひへびゃひゅ(ごぶさたしてます)」トドロキばりに食っていた京介はばっと
立ち上がるとそう言ってサバキ達に挨拶した。
「やあ、久しぶり。修行は進んでいるかい?」いつものポーズを決めるとサバキはそう言って京介に笑いかけた。
「はい。今日飯田さんの所から帰ってきたところです」
「シフトの合間を縫って教わるのも大変だろうけど、自分で鍛えるのはちゃんとやっている?」
京介の正面に座りながら、イチゲキが暖かい眼差しで言う。

弟子になってからも京介はまだヒビキのシフトへの同行は数回しか許されていない。
元が運動音痴の京介の場合、通常の鍛え以上に体を鍛えなければ鬼になる基礎が作れないため、
ヒビキは出動の際には同行を許さず京介に自主トレを課した。また、その時に暇な鬼がいれば
コーチを頼むようにしていた。
 イチゲキやサバキも頼まれれば、と思っていたのだが、幸いにもダンキやショウキといった
体育会系の若手の鬼がその役を買って出てくれ、そのたび京介はボロボロになって帰ってきていた。
「ハチャメチャです、あの人たち。修行先までダッシュだ!とか言っていきなり走りだすんですから。
帰りも結局走って帰らされました」と、彼らに初めてコーチしてもらった後で京介はこっそりイブキにこぼしたそうだ。
 さすがにトドロキには言わなかったらしい。
 同じ体育会系のトドロキにはきっと分からないだろうと思ったからだった。

264 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:11:45 ID:fEIqSeP+0
 閑話休題。

「鍛えは欠かしていないつもりです。本当はシフトにももっとついていきたいのですが…」
京介はそう言って俯いた。
「焦るのは君の悪い癖だ。ヒビキは君の事を見ながら考えているのだから、まずはきっちりと
体を作ることに専念した方がいい」そう言うとサバキはヒビキを目で捜した。
「オロチ事件の報告書がまだ提出されていないと本部からお叱りがあったんですぅ」と日菜佳が告げた。
「今、下でみどりさんに手伝ってもらってますけど、当分カンヅメだと思いますよ」
「あいつ、今まで何やってたんだ」呆れるサバキ。
「機械音痴ですからね、ヒビキさん。キーボード触ると眠くなるみたいですよ」
「書類作りも苦手でしたよね。特に報告書のような公式文書は」イチゲキが心配そうに言う。
彼は師匠に似てか、技術のみならず多方面に器用さを併せ持つ。
「手伝ってきた方がいいでしょうか」
「やめておけ。みどりもついているし、たまにはデスクワークも必要だ。現場に係わる事は
きっちりこなせるんだから、そういう方面にも慣れたほうがいい。あいつもそのうち管理職に
なるかもしれんのだからな」
「え?引退するんですか?ヒビキさん」
「違うよ、京介君。同じ「角」でも一応全体を見る人間が要るってことさ。支部長が不在のときでも
状況を回せる人材は育てておかないとならないからな」
「サバキさんは違うんですか?」
「…鍛えてるからな」自分はその必要がないな、というニュアンスも見せながらサバキは言った。
  そういえば、報告書作りは自分がすることが多かった。イチゲキはこの時そう思った。
文書作りが苦手なのは実はサバキも同じだ。行動で示す鬼たちは得てしてこの傾向にあると言えよう。
中にはイチゲキのような者もいるが。


265 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:13:45 ID:fEIqSeP+0
「そういえば、今日は河童の話だったのではなかったのか?」思い出したようにサバキがイチゲキに言った。
 あ、と本題を思い出したイチゲキと日菜佳。
 状況の説明を受ける。
 上紙黄に出た童子と姫は以前に出たように西瓜と胡瓜を幾つか盗んで行ったらしい。
「紙黄村近辺の魔化魍はあまり人を襲わないと聞いているのですが、本当なんですか?」
 話を聞いていた京介がサバキに尋ねた。
「そうだ。あの辺りは特殊な波長があって、「聖域」と言っていい場所なんだ。
だから、魔化魍といっても人的被害は少ない、と言っていい。だが、完全とは言えないし、
去年のように奴等が介入してくれば凶暴化することもある。俺としては人を襲わない魔化魍が
いることは悪いことではないと思うんだが、万一ということもある。そうなると、やはり、
出た場合には清める必要はあるだろうな」
「人を襲わない魔化魍…」サバキの言だが京介は半信半疑だった。彼の出会った魔化魍たちは
どれも凶悪で悪意に満ちたものばかりだった。目の前で以前の級友を焼き殺されたこともあった。
嫌な奴だったが目の前で死んでいったのは辛かった。
 そんな京介の顔を見ていたイチゲキが言った。
「京介君も一緒に行ってみるかい?」
「え?」
「魔化魍にもいろいろある。京介君は夏の奴はまだ見たことがないだろう?」
「去年見た奴は違うんですか」
「アレもそうだけど、奴等が手を加えた奴だからね。自然発生の魔化魍とは違うよ」
「そうだな、紙黄村は猛士にも縁のあるところだし。一度行ってみるのもいいかもしれないな」
 サバキがそう言って立ち上がった。ヒビキには俺から話そう、そう残して下に降りていく。
 五分ほどしてヒビキがサバキと上がってきた。
 帰ってきてすぐで大丈夫か、と問うヒビキに、はい、と力強く答える京介。
「では、サバキさん、イチゲキ。京介を宜しくお願いします」そう言ってヒビキは二人に頭を下げた。
「ああ、心配するな」
「ちゃんと返しますから、安心して下さい」そう言って二人は京介を連れてたちばなを出て紙黄村に向かった。

266 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:16:22 ID:fEIqSeP+0
取り急ぎ投下しました。
スレの正常化を祈ります。
続き、年内には投下したいと思いますが・・・。

267 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 02:36:47 ID:+ogqCz2q0
>>256-266
・sageて。
・桐谷→桐矢
・ようこそ。

268 :戻る川 作者:2006/12/17(日) 02:43:54 ID:fEIqSeP+0
>>267
訂正ありがとうございます。
sage忘れてました。サーセンwww

269 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 09:14:20 ID:cMGNCnd80
233をスルーって事は中四国はファンの為なんじゃなくて、自分の為にやってんだね……
このスレで一生懸命擁護してくれた人がいて、最終的に中四国さんの作品を読みたくて、
これ以上悪く言われるのが嫌で離脱して、ファンだけでも楽しめるようにって用意したのだろうに。
このスレの現状で更新の情報なんか投下したら、どんな良作だろうとコキおろされるに決まってる。
それが嫌だったろうから単独スレが立ったのに……。

確かに233はここに対して言いすぎだとは思いますが、この件を沈静化させ、
互いの作品が生き残るには良い策だったのではないでしょうか?
とりあえず、ここの住人ばかりか、本当に中四国さんの作品を読みたかった私のようなファンも
裏切ったと思います。もうサイトも見ません……残念です。

270 :233:2006/12/17(日) 09:21:39 ID:BFHctVBz0
そうですか。本当に楽しみにしてた者でも、ここから引き離そうとすれば荒らし扱いなんですね。


271 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 10:16:09 ID:aTR8oWHJO
>>269-270
向こうで話してくれる?
俺も作品なまじっか好きだっただけに余計頭にきてる
実際皇城さんは去ったじゃねえか。
皇城さん読んでたら帰還いつまでも待ちます!

272 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 10:25:01 ID:1ugXbIUo0
            __,,,,_
            /´      ̄`ヽ,
            / 〃  _,ァ---‐一ヘヽ
         i  /´       リ}
          |   〉.   -‐   '''ー {!
          |   |   ‐ー  くー |
           ヤヽリ ´゚  ,r "_,,>、 ゚'}
         ヽ_」     ト‐=‐ァ' !
          ゝ i、   ` `二´' 丿
              r|、` '' ー--‐f´
         _/ | \    /|\_
       / ̄/  | /`又´\|  |  ̄\

皇太子様がこのスレに御興味を持たれたようです。

273 :まとめサイト:2006/12/17(日) 11:45:30 ID:0aizCbrX0
>>256-266
小説の雰囲気がいいですね。続きが楽しみです。
文中文字化けしてる部分があるのですが、どうしたらいいですか。

>>258 蔓のあるものだと作物を?いだ後に器用に一結びされた痕跡を見つけることが出来る。

>>259 収穫間近の最も大きい熟れた西瓜が?がれ、結び目が施してあった。

「もぐ」でいいのかとおもうのですが、使った漢字がUTF-8でないと表示できない文字のようです。
2chはShift-JIS(まとめサイトも)なので、?になってしまったようです。


274 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 12:08:01 ID:kPOs2e/J0
>>271
お前もレスつけんな

275 :名無しより愛をこめて:2006/12/17(日) 12:31:48 ID:aTR8oWHJO
>>274
だな!いや悪かった

276 :戻る川 作者:2006/12/18(月) 02:06:26 ID:G+26Q+1/0
>>273 まとめサイト様
遅くなりまして失礼いたしました。
早速掲載いただきまして恐縮です。

?の部分については「もぐ」でOKです。
変換できない字を使いましてすみません。

御手配よろしくお願い致します。

277 :名無しより愛をこめて:2006/12/18(月) 23:30:15 ID:xBhQ5jPn0
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

そろそろDA後編クルー?

278 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:03:57 ID:AwT4dyya0
一応、完成しましたので、投下いたします。
整合性のない部分もありますが、お許しください。
パラレルワールドとお考えいただければ何よりかと。
では、「戻る川」続きです。

279 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:06:46 ID:AwT4dyya0
戻る川(弐)
前スレは>>257-266

都心を出て山道を分け入ってゆくとやがて紙黄村の本町に出た。
本町といっても紙黄村は今で言えば寒村であるため、その人口も比較的少なく、
村にいる若者も少ない。
かつてトドロキの祖母が現役の鬼として活動した頃とさして代わらない古い
町並みが続く。それでも、住宅のいくつかは比較的新しい造りに変わっていた。
今回はその本町から更に奥に在る上紙黄地区が現場になる。
川上に直線に沿えば数キロだが、道を走るとくねくねと曲がる道路が続くため、
実際には十キロぐらいは走らなければならなかった。
峠族といわれるぐらいの車好きならば泣いて喜びそうな道路だが、京介はこの急な
カーブの続く状況にひどく酔ってしまっていた。
「車、停めようか?」気遣うイチゲキに京介は青い顔をしながら、大丈夫です、と
答えた。
 助手席のサバキは、強情な子だ、と思いつつ昔のヒビキを思い出した。
あいつも結構、強情張りだったよなぁ。
師匠である鬼が早くに死んでしまってから、次の師匠を迎えずに独力で鬼になった
ぐらいだからな。
感慨にふけっていたサバキの後ろで京介が、うっ、と呻いた。
「あ、まずい!」言うや否やイチゲキはすぐに車を左に寄せた。
 停まってから京介が外に出るまで十秒もかからなかった。
 路肩の下で派手に嘔吐する京介。
 イチゲキとサバキは車中で嘔吐されなかった事にほっとしつつも、やれやれという
顔をして互いに顔を見合わせた。

280 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:08:43 ID:AwT4dyya0
 その後も青い顔をしたままの京介を乗せた車は三十分ほど走行した後、川の近くに
ある篠原老人の家に着いた。
「御免下さい」張りのある声でイチゲキが玄関で来訪を告げる。
「はい」と庭の方から老人の声がした。
八十近いと聞いていたがその割にはまだ七十前かと見まがう老人が庭仕事をしていた。
「お久しぶりです」
「おお、サバキ君か。そちらは確か、石割君だったね」
「今はイチゲキと名乗っています。こっちは支部の「と」の桐矢です」
「桐矢京介です。宜しくお願いします」京介が折り目正しく挨拶したのを見て、
サバキはほう、と思った。初めて会った時の京介の口調を思い出したからだった。
当時の京介は自分が鬼になるのに相応しい人間だ、などと大口を叩いていた。
 父を越えたいという純粋な思いは強かったが、如何せん礼儀を知らないところが
あった。初対面の人間にいきなり弟子にしてくれ、と言われ、サバキもイチゲキも
随分と戸惑ったものだった。
顔合わせも済んだところで篠原がこちらへ、と庭の方へ一行を誘った。
「まずは麦茶でも飲みながらお話いたしましょう」と奥へ引っ込む篠原。
髪の毛は真っ白く顔の皺も深いが、農家の男衆らしく浅黒く日焼けした肌と
しっかりした足取りが若さを感じさせる。腰もあまり曲がっていない。
未だ現役、といった風情だ。
「魔化魍が出ているのに、いいんですか。そんなのんびりして」さっきまで青い顔を
していた京介が気色ばんで言う。
「まあ、そう焦りなさんな、若いの。出たのは川名主様。まだ河童は出ておらんよ」
「でも、支部長は河童が出たと…」
「紙黄の「歩」がそう言ったのかい?」
「我々はそのように聞いてきたのですが」サバキがそう言うと篠原は、ははは、と
笑ってこう言った。


281 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:09:26 ID:AwT4dyya0
「紙黄の「歩」はまだ代わって間がないからねぇ。川名主様が出たのを知らせた時に
勘違いしちまったんだな。あの早とちりめ」
「早とちり?」少し拍子抜けしたように京介が聞き返す。
「この辺の河童は川名主様から貢物をもらって育つ。他所はどうか知らんが名主様が
出てから河童が出るまでには、少なくとも一、二日はかかるよ」
「じゃあ、すぐにでも童子と姫をやっつければ…」逸る京介をイチゲキが制した。
「ところが、それをやると河童がDA(音式神)の網になかなか引っかからなくなる。
河童は本来警戒心の強い魔化魍で、特にこの辺りの河童はそれが顕著だ。うっかり
手負いにして奥に隠れたまま成長されて、数を増やされるともっと厄介なことになる。
仮に人は襲わないとしても、多数で畑を荒らされたりすれば地域の人には大打撃だ」
 害獣駆除か、これは。京介は頭が混乱してきた。
「しかし、去年の奴みたいになっていたとしたら…」
「はて、川名主様は去年出てないんだが」今度は篠原が尋ねる番だった。
 サバキは去年の出来事を掻い摘んで篠原に話した。
「そうか…。そんな事が…」
「ええ。ですから、今回の河童が人を襲う可能性も捨てきれずにいます。私は今回の
童子と姫の行動が例年の動きとほぼ同一であることから、おそらく奴等の関与はないと
考えていますが」
「幸い、今回の童子と姫は人を襲っていません。このことが裏づけの一つになるかと
思います」イチゲキがサバキの説に同調する。
「そうだね。川名主様は里の人には手を出さん。少なくともわしはそう思う」
「何だか納得がいきません」京介が憮然として言った。
「魔化魍は魔化魍です。事が大きくならないうちに封じてしまうのが筋というもの
ではないんですか?」
「焦る必要はない、ということさ、京介君。童子と姫は必ず現れる。そこで河童のところまで案内してもらうのさ」
「案内させる?」
「DAにこっそり尾行してもらって、その後彼らを「送る」んだ」
「…どういう事です?」いぶかしむ京介にサバキは、まあ、それは後で教えるよ、とやんわりと微笑んだ。


282 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:10:40 ID:AwT4dyya0
 その日、一行は篠原の家の離れに泊まることになった。
 ベースを張るという選択肢もあったのだが、ひょっとすると童子と姫がまた現れる
かもしれないという予感もあって、篠原の好意に甘えることにしたのだった。
 久しぶりの来客ということもあって、篠原家には近隣から食べ物や飲み物を持った
住人が集まり、ちょっとした宴になった。
 サバキたちも地元産の野菜を使った料理や自家醸造の果実酒などに舌鼓を打ち、
懐かしい五右衛門風呂を頂いて昼間の疲れを癒した。
 彼らが床についてから数時間後に、川名主が出現した。

283 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:13:08 ID:AwT4dyya0
 サバキの判断は当たった。
 奇しくも離れに程近い胡瓜畑に彼らは現れたのだ。
 外は綺麗な満月。中天に輝き、姿を映し出す。
「うーさぎうさぎ、なにみてはねる」
「じゅうごやおーつきさん、みてはーねーるー」
 若い男女の歌う声が聞こえてきた。歌声はそれほど大きくない。
 男は髪を長く垂らしている。絣の着物のような物に、ちゃんちゃんこだろうか、
袖のないベストのようなものを着ている。
 女は長い髪を後ろで結わえているが、着ている物は男と同じようなものだ。
 二人はけん、けん、ぱっ、とやりながら畑に近づき、上の方に生っている胡瓜を選びながらもいでいった。
「おいしそう」
「これ、おおきいねー」
「あのこにあげよう」
「わがこにあげよう」
話す声はどこか幼く、男女の声が逆転している。
間違いない。川名主―河童の童子と姫―だ。
離れから様子を伺っていた京介が陰陽環で炎式神を打とうとしたのを取り押さえ、
サバキたちは事の成り行きを見守った。
 童子たちは胡瓜を数本ずつもいで結び目を作ると、再びけん、けん、ぱっ、と
言いながら去っていった。
 鬼の気配を消していたのが幸いし、サバキたちは存在を感づかれずに済んだ。
 イチゲキは頼むよ、といいながら三枚の瑠璃狼を展開し童子達の後を追わせた。
サバキが取り押さえた京介を放そうと下を見ると、一時的に呼吸が出来なくなって
いた京介が気絶していた。
「…」何事もなかったかのように京介を寝かせるサバキ達。
 夜が明ければ、童子達の行く先も分かるだろう。
 今回の河童が昔と同種なのか、または人を襲う亜種なのか。
 全ては明るくなってから判明する。
 サバキ達は次に備え、眠りについた。


284 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:13:46 ID:AwT4dyya0
  朝、篠原家の食卓に呼ばれ、体を解していると瑠璃狼の一匹が帰ってきて、
うぉん、と一鳴きした。どうやら童子達の行く先が分かったらしい。
 電話が鳴り、近隣の農家からも川名主の出現を知らせる情報がもたらされた。
 サバキ達は情報を精査確認し、瑠璃狼の案内で川の方へ向かう事にした。

 上紙黄から紙黄村本町に向かって流れる川は清流と言っていいほどの水質の良い川だ。
 川幅は上流部ということもあって四メートル弱、深さも流芯部で一メートル後半と
いったところだった。
 水は透明度が高く、川岸近辺は底が透き通って魚が泳いでいるのが良く見えた。
 サバキ達は川沿いに上流部を目指し、瑠璃狼の後を追う。
 瑠璃狼は、早く来いよ、とでも言いたげに時折後ろを振り返りながら案内を続ける。
 サバキたちの背中には大きめのリュックがある。予備の衣服と食料だ。
 今回は河童が相手なのでイチゲキは音撃弦を携行していない。音撃棒をカラビナで
リュックの横から提げていた。
 サバキは念のため、と音撃弦「閻魔・釈迦」を持参していた。軽めの革ケースに
入れ、肩から提げている。音撃棒はイチゲキと同じようにリュックの横だ。
 サバキやイチゲキのリュックより少し小さめの京介のそれはディスクアニマルや
ナビゲーション用の小型GPSといった装備を積んでいた。
 見た目は重装備に見えるが、足取りは軽い。
 先頭を行くイチゲキから最後尾のサバキまで、しっかりした足取りで川を上る。
「帰りはのんびりカヌーでも乗りたいですね」
「ファルト(布製のカヤックのこと)でも持って来れば良かったな」
 京介の緊張を解そうとでもしているのか、のんびりした口調で話すイチゲキとサバキ。
京介は話に加わるでもなく、黙々と歩く。

285 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:15:00 ID:AwT4dyya0
「時に京介君、最近明日夢君と会ってる?」
「…いえ、全然」イチゲキの問いに少しむっとして答える京介。
 京介は明日夢がヒビキの下を去った頃から、だんだん学校へ登校することが
無くなっていた。修行に出るときはオリエンテーリングの会社「TAKESHI」の
現場研修として行っていたので学籍こそ残っているのだが、国立への進学コースに
入った明日夢とはクラスも別になり、顔を合わせることも無くなっていたのだった。
「何故、今、安達の話なんです?あいつは鬼になるのをやめた。もう関係ないじゃ
ないですか」京介は明日夢が弟子を辞めた経緯を知っている。やっと自分が胸襟を
開いて話せる仲間が出来たような気がしていた京介にとって、明日夢の心変わりは
何にも増して許せないものだった。自分や師であるヒビキを裏切ったような気がして
京介は明日夢のことを未だに許せずにいたのだった。
 しかし、京介はヒビキが明日夢の自立を促そうとして突き放したことを知らない。
 鬼になるということは浮ついた気持ちではできないことであるし、命の尊さを深く
知るヒビキが明日夢の中に別の「人助け」に関する気持ちの芽を見出し、それを自覚
させようとして敢えて厳しい態度で明日夢に別れを告げたことは、そのことをヒビキ
から聞いたサバキやイチゲキしか知らないことだった。
 事情を知るイチゲキは真実を話した方がいいのではないかと考えた。が、イチゲキの
師匠であるサバキはそれを良しとはしなかった。
 ヒビキが自分の弟子である京介にそれを伝えないのには、それ相応の理由がある。
それに、ヒビキが言わないことを外部の俺達が言うのは筋が通らんだろう。
 サバキはそう言ってイチゲキを諌めた。

286 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:16:20 ID:AwT4dyya0
 実はイチゲキが京介を今回の河童退治に連れ出したのにはもう一つ理由があった。
 それが、京介と明日夢の関係の修復だった。
 真実を話すことをしなくとも、真実を伝える方法はあるはず。
 他人を僅かでも憎む気持ちのある者は真の「鬼」にはなれない。
 人一倍他者を守ることを是としたサバキの元にいたイチゲキは誰よりもそれを痛感
していた。
 京介が鬼となるためには、他者を許し、愛し、守ろうとする心根を作り上げる必要が
あった。
 本来は師匠のヒビキがするべきことだが、ヒビキはこのことに関しては敢えて深入り
することを避けていた。
 ヒビキは京介自身の自覚を待っていたのだ。
 かつて自分がそうであったときと同じように、自分で考え、学び、掴まなければ
鬼には近づけない。
 それ故、敢えて明日夢の件には触れなかった。
 イチゲキはそんなヒビキの姿を見て、自分にも何か出来ないかと思い、京介を
魔化魍退治に連れ出したのだった。
「いや、しばらく姿を見ないのでどうしたかな、と思ったんだ。京介君なら知っている
んじゃないかと思ってね」
「知りませんよ、あんな奴」さらに不機嫌になる京介。
「でもね、京介君。どんな人のどんな行動にも目に見えない理由が必ずある。それは
君が今こうして鬼を目指していることに理由があるのと同じことなんだよ」
「それと安達の話とどう関係があるんです?」かつてバンキに頭はいいようだが、頭が
悪いと評された京介の悪い部分が頭をもたげた。
 相手の言葉を推し量る洞察力が足りないのは、若さ故か。皮肉屋のくせに直情的な
京介の性格がイチゲキの言葉の意味を理解することを邪魔しているようだった。
 やはり、直言しかないのかな。イチゲキはそう思い始めていたが、今はまだ早い、と
思う部分もあった。ヒビキやサバキがじっと待っているように、自分ももう少し待って
みよう、と思い直した。

287 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:18:43 ID:AwT4dyya0
 そうして歩くうち、瑠璃狼が歩を止め、小さく、うぉんうぉん、と鳴いた。
 どうやら河童の住処に近くに来たらしい。
 川岸近い所からやや離れるように草むらを分け入る。
 適宜なところにリュックを置き、装備を展開する。
 サバキとイチゲキは音撃武器をチェックし、京介は陰陽環でディスクを展開した。
「これ、何です?」サバキのリュックにあった風呂敷包みを見た京介が尋ねる。
「…秘密兵器だ。開けるなよ」
「?」ニヤッ、と笑うサバキの仕草に疑問を隠せない京介。
 最後に持ってきたタープ(覆い布)で荷物を包みペグ打ちする。
 野生動物に荷物を荒らされない為の備えである。
 イチゲキは装備帯を腰に巻き、音撃鼓「爆裂火炎鼓・改」をバックルに装備した。
 爆裂火炎鼓は関東支部の「銀」である滝澤みどりが独力で開発した音撃鼓である。
 強力な破壊力を持っているが安定性に欠け、一回の使用で壊れてしまうほどであった。
 みどりはこの爆裂火炎鼓に改良を施し、リミッターをかけることで安定性を確保した。
 威力は本来の八割ほどになってしまったが、それでも通常の音撃鼓の出力以上の
効果が得られ、なおかつ音撃打の回数を減らすことが出来るようになった。
 これにより、使用者の体力の負担が軽減され、本来太鼓の鬼でない者が使用する
際にもある程度のリスクの軽減につながるとして、夏の魔化魍対策の一環として支給が
始まっていた。
 この春に新たに支給された音撃棒「彩火」を背中にくくる。
 サバキは音撃震「極楽」をバックルにつけ、音撃鼓「陽炎」を装備帯の右腰から
カラビナで吊った。背中のフックに音撃棒「炎夏」を付け、音激弦「閻魔・釈迦」を
両手に持つ。
 京介は猛士から支給されたベストに身を包み、さっき開けるなよ、と言われた風呂敷
包みを右手に下げた。
「近くまで行ったら、京介君は陰に隠れていなさい。とりあえず見ていればいい。
炎式神やDAたちは良いと言うまで使うんじゃないぞ」サバキは京介にそう言うと、
イチゲキを促して歩き始めた。

288 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:20:56 ID:AwT4dyya0
 川辺に出て行くと玉砂利のように丸い石の転がる岸に出た。
 丁度流れのゆるいところで、浅瀬が多く展開している。その向こうに昨晩見た男女が
二人、川に石を投げて遊んでいた。
「そーれ」男が小石を投げると小石は数回水面を跳ね、やがてポチャン、と中に落ちた。
 やがて、サバキたちに気がついた童子と姫が声をかけてきた。
「おにですかー?」
「おにですねー?」無邪気な様子に京介は警戒心を強める。
 油断させる気か。風呂敷包みを下におき、左手の陰陽環に手をかける。
 イチゲキはその手をぐっと掴んで首を横に振った。
「さっき言ったでしょう。良いと言うまでは使うんじゃない」
 サバキとイチゲキは京介に下がるように言うと変身鬼弦に手を添えた。
 びぃぃぃん、と音が響き額の鬼面が浮き上がると、深紅の炎と銀色の炎が二人を
包んだ。片手でその結界を切り裂くと、深紅の四本角を持つ鬼と煌く銀の四本角を持つ
鬼が現れた。
 まるで双子のように似た外観。色違いであるのが唯一の違い、と言っても良かった。
 関東支部の「角」裁鬼と一撃鬼である。
 京介は鬼を見た童子達が戦闘体制に入ると確信していた。だが、彼らがとった行動は
京介の予想を遥かに超えていた。
「……うわぁあああん!」
「わぁぁぁぁん!」子供が泣く仕草そのままにボロボロと泣き始めたのだ。
「…どうした?」裁鬼が穏やかに聞く。
「…ぼくたち、ぼくたち…」
「すもうとってほしかっただけだったのに…」
「…覚えてるのか。去年のこと」
「…ごめんなさーいー!!」
 魔化魍が鬼に謝っている。まさに悪さをして大人に謝る子供そのままの姿だった。
 京介は目の前の光景に我が目を疑った。

289 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:23:08 ID:AwT4dyya0
 有り得ない。しかし、紛れも無くその光景は現実のものだった。
 裁鬼は腰を下ろして音撃弦をそっと置くと近くにあった風呂敷包みを開けた。
 京介に秘密兵器だ、と言ったあの包みである。
 中から大きめのタッパーに入った西瓜と胡瓜、よく熟れたトマトが出てきた。
 裁鬼は無言でタッパーを差し出した。
「…くれるの?」
「お土産だよ」一撃鬼が優しい声で言った。
「ありがとう!」
「ありがとう!」童子達は満面の笑みを浮かべて礼を言うと美味しそうに西瓜を
食べ始めた。
「おいしいね」
「おいしいよ」そう言いながら瞬く間に西瓜とトマトを平らげた。
「きゅうりはあのこに」
「きゅうりはわがこに」そう言って童子と姫は川に胡瓜を投げ込んだ。
 胡瓜がぼちゃん、と川に落ちると中から、くけっ、と鳴き声が聞こえた。
 河童だ。京介は音式神を放とうとした。が、止めた。
 サバキやイチゲキが黙って見ているよう念押ししていたからだ。
 京介は事の成り行きを黙って見守ることにした。
 それでいい。ヒビキがそう言ったような気がした。

290 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:26:32 ID:AwT4dyya0
「ねぇ、おすもうとってくれる?」
「おすもうとりたーい」口々に無邪気に要求する童子たち。
 裁鬼と一撃鬼は一つ頷くと童子たちと相撲を取り始めた。
 はっけよーい、のこった。のこった、のこった。
 裁鬼と一撃鬼が交代しつつ童子と姫を相手していく。
 適度に勝ち、適度に負ける。
 京介は一撃鬼から包みにある握り飯とお茶を貰っていた。
 距離を置き、握り飯を頬張りながら鬼達と魔化魍の相撲を観戦する。
 穏やかな川のせせらぎを聞きながら空を見上げる。
 白く大きな雲がゆっくりと川下に流れていた。風が心地良い。 
 あいつ、どうしてるのかな…。今も授業中か…。俺より頭が悪いのに医学部なんて
無理に決まってるのにな…。
 いつの間にか明日夢のことを考えていた。
 明日夢の後を追いかけてパネルシアターで大喧嘩したあの日。
 京介は後で級友の天美あきらから明日夢がシアターに通う不治の病の女の子から懇願
されて、やむなくサークルに参加したことを知った。その後、暫くして明日夢が大学の
医学部に進学するべく進路の希望を担任に出したことを聞いた。
 ぼーっとしていて何を考えてるのか良く分からない。でも、気になる存在だった。

291 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:27:45 ID:AwT4dyya0
 同じ師に弟子入りして、厳しい修行を始めた。
 何をやっても敵わなかった。
 いつも自分の上を行く。でも、いつか越えてみせる。
 いつの間にか、明日夢は京介にとって一番身近な目標になっていた。
 その明日夢が目の前から消えた。
 自分の前からいなくなった明日夢は、パネルシアターで芝居の真似事をしていた。
 鬼になることよりもそんな事が大事だったのか!
 お前の「人助け」への思いはそんなものだったのか!
 京介の怒りはそこで爆発した。
 パネルシアターをぶち壊した時に見せた明日夢の怒りの表情は京介の脳裏に強く
焼きついていた。
 短い付き合いだが、あんなに怒る明日夢は見たことが無かった。
 自分の皮肉に困惑した表情を浮かべる事はあっても、はっきりとは口にしなかった。
 京介はイチゲキの言葉を思い出していた。
 ―どんな人間のどんな行動にも目に見えない理由が必ずある―
 安達、お前の理由って、何なんだ?
 ヒビキさんと袂を分かってまで、お前は何をしようとしているんだ?
 京介は未だ、ヒビキの元を去った明日夢の真意を図りかねていた。


292 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:29:15 ID:AwT4dyya0
 鬼達と河童の相撲は夕方まで続いた。
 京介はサバキやイチゲキの指示通りにじっと待っていた。
 もうすぐ日が暮れるという時、水面からくけけっ、と声がした。
 放物線を描いて何かが投げられる。
 蔓で括られた川魚が数匹、地面に上がっていた。
「これ、おみやげ」
「おいしいよ」そう言って、童子は一撃鬼に魚を渡した。
 一撃鬼はありがとう、と言って魚を受け取ると楽しかったかい、と聞いた。
「うん、とっても」
「おもしろかったよ」声をそろえて喜ぶ童子達。
「また、あそんでくれる?」
「また、きてくれる?」童子達の問いに、ああ、また来るよ、と裁鬼が答えた。
 いつの間にか両手に音撃弦を構えていた。
 振り向き様に両手の「閻魔・釈迦」を一閃させる。
 童子と姫は、嬉しそうに微笑んだまま茜色の川辺に散った。
 すると、そばの水面から河童がのっそりと上がってきた。
 例年見る形と同じ河童は鬼達を恐れるでもなく歩いてくる。
 一撃鬼は音撃鼓をベルトから外し、すっ、と河童に近づいてゆく。
 河童が口から粘液を吐き出した。一発だけだろうと思っていた一撃鬼に二発目の
粘液が飛んできた。顔を庇って腕で受ける。
 裁鬼が少し困ったな、と言う仕草を見せたのを京介は見た。
 一撃鬼は河童の腹に「爆裂火炎鼓・改」を取り付けると、背中の音撃棒「彩火」を
取り出し、清めの太鼓を打ち鳴らした。
「また、来年会おうね」そう言うと、大きく両手で音撃を打ち込む。
 その衝撃で河童は爆裂、飛散した。


293 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:35:06 ID:AwT4dyya0
 顔の変身を解いた二人に、京介が近づいてゆく。
「お疲れ様でした」
「ああ、お疲れ様」そう言うサバキの表情は晴れない。
「やっちまったな…」
「ええ、油断しました」そう言うイチゲキに仕方ない、とサバキは言い、京介に包みの
中にあるマスクを三つ持ってくるように言った。
「ありませんけど」京介はマスクが無かった旨をサバキに伝えた。
「…」
「忘れましたね、サバキさん」
「…の、ようだな」
「どうします、これ」
「取るより仕方ないだろう」
「今は風も無いようですし、上手くいくと思います」
「よし。京介君、少し離れていよう」
「一寸待ってください、僕一人ですか?勘弁してくださいよ」
「受けたのはイチゲキ、お前だ。諦めろ」
「むぅうう」

294 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:35:39 ID:AwT4dyya0
 サバキは京介を伴って川上の方にイチゲキを置いて距離をとった。
「何があるんです?」
「ん、ちょっとアレには問題があってな…」
 そういうサバキ達を他所にしかめ面をしたイチゲキが右手から鬼爪を展開させて
 左腕についていた河童の粘液の塊を剥がし始めた。
 ぶしゅうう、と割れた塊からガスらしき煙が上がる。
 げほげほ、とむせるイチゲキ。
 しかし、悲劇はイチゲキだけにもたらされたものではなかった。
 無風だった川辺に突風が吹いた。この風で川下にいたサバキ達も結局ガスの餌食に
なってしまった。
「う!…ナンナンデスカ!コレ!」
「アーア、ヤッパリ、コウナルノカ…」
「サバキサンガマスクワスレルカラコンナコトニ…」
「オイ、オレノセイナノカ?」
「ヤメマショウヨ、コンナコトロデモメルノ」「ムゥゥゥ」
 かくして、ドナルドダックもあわやという声に変わってしまった三人は、荷物を
まとめて上紙黄の篠原家に戻ることとなった。
 川辺を離れようとする三人の傍を柔らかい風が過ぎていった。
「また、あそんでね」三人は童子達の声を風の中に確かに聞いた。


295 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:36:55 ID:AwT4dyya0
 サバキとイチゲキが着替えを終え、京介がたちばなに連絡を取る為に携帯電話を
取り出した。
 幸いにも画面のアンテナが三本立っていたので、京介は安心してたちばなに電話を
かけた。
 奇しくも電話に出たのは、あの香須実だった。
「はい、たちばなです」
「アノー、オヤッサンオネガイシマス」
「はぁ!?」
「アノ、オヤッサンヲ…」
「…あ!あなた去年も悪戯電話してきた人でしょ!つまらない悪戯すると、営業妨害で
訴えますよ!いいかげんにしてください!」
「ア、アノ…」
「もう、切りますからね!二度とかけてこないで下さい!」
ぶつっ、と電話が切れ、残されたのは電話の向こうの看板娘のあまりの剣幕に呆然と
するヒビキの弟子、京介。
 はたして、関東最強の鬼とその弟子は二代続けてその正体を知られることもなく、
悪戯電話魔の汚名を着せられたまま夏を送ることとなったのである。

 桐矢京介、十七歳。彼が密かに目標としていた安達明日夢と和解するのは、それから
半年ほど後のことであった。

296 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 02:42:35 ID:AwT4dyya0
裁鬼リスペクトで童子メインで考えて書き始めたのですが、気がついたら京介が話の中心にどっかり座っていました。
桐矢京介、恐るべし。

次回、また何か思いついたら作ってみたいと思います。
お目汚し、失礼。

297 :名無しより愛をこめて:2006/12/19(火) 04:21:38 ID:opvMWS+0O
上手い!
それとアウトドアの描写は実際やってるのかな?
タープで荷物包む辺りなかなかw
陸自の人かなと詮索してしまう。

298 :戻る川 作者:2006/12/19(火) 13:12:30 ID:PzJMBW8+0
>>297
ありがとうございます。
陸自ではないですが、趣味でカヌーを少しかじっています。
川の描写をしていたらキャストが台詞語ってましたwww

299 :名無しより愛をこめて:2006/12/19(火) 18:37:50 ID:90SYJ8LS0
       ミ\                   /彡
       ミ  \                 /  彡
        ミ  \              /  彡
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          ミ   \         /   彡
           ミ    \      /   彡
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ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡
 ミ              \  ⊂⊃. /             彡
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄\ ∧_∧ / ̄ ̄\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /   / ̄ ( 0H0 ) ̄\.   \
        /   /   ⊂. † ⊃   \    \
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     /    /│  ミ. (__|__)彡  │\.    \
     彡   /  │  ミ       彡  │  \   ミ
      彡/   │  ミ       彡  │   \ ミ
             \  ミ       彡  /
              \ミ       彡/

                弱フォームン

300 :見習いメインストーリー:2006/12/19(火) 21:58:07 ID:bFdM4y4x0
前回は>>228から

二十三之巻「通じぬ電話」

「たちばな」の地下の猛士の間で、純友は携帯電話に耳を当てたまま立ち尽くしていた。
 大洋が多美にメールを送ると、程なくして配信不能の通知が返ってきた。
 二人を見上げる日菜佳が心配そうに声をかける。
「どうしましたか? 純友くん、大洋くん。まさか……」
 そこに、扉をくぐってみどりが猛士の間にやってきた。
「──あれ? 二人ともまだいたんだ? あ、日菜佳ちゃん、純友くんにお手伝いをお願い
したんでしょ〜」
 二人の様子に気づかず話し続けるみどりを目で制して、日菜佳は首を何度も左右に振った。
「え?──え?」
 みどりも、大洋が覗き込んでいるスクラップブックに貼ってある記事を見た。記事の横には、
日菜佳のものらしきメモ書きで、多美が行方不明になった同時刻、同地域で魔化魍オオナマズ
が地元の「歩」によって目撃されていたことが記してあった。
 純友は、急に足の力が抜けて、その場にへたり込んでしまった。そして、ようやく熱いものが
目にこみ上げてきた。
「うわああぁぁぁぁーっ!!」
 床にへたりこんだまま、純友は盛大に泣き出した。力なく椅子についた大洋は、頭を抱えて
うなだれた。
「知り合い──なの?」
 そっと、みどりは大洋に訊いた。うなだれたまま、ぼそぼそと大洋は喋り出した。
「みどりさん……なんスかコレ……。行方不明ってふざけんなよ、ったく──それに、ヨコに
あるこのメモは、なんスかコレは!」
 最後は爆発するように叫んで言った。

301 :見習いメインストーリー:2006/12/19(火) 21:58:56 ID:bFdM4y4x0
「……確かな関連性はないわ。ただ、可能性の一つとして……そういうことも考えられるわ」
 苦しげに、みどりは答えた。その横で、純友は泣き続けながらみどりに言った。
「橘さん、魔化魍に?……そんな──そんなぁぁぁぁ……!」
 大洋が乱暴に机に拳を打ち付けた。純友は大声で泣き続けた。
「だっだっだっ、だって、橘さん何にも悪い事してないのに。すごいいい子なのに……!
なんで、橘さんがそんなことに……みどりさん、ねえどうして、みどりさん。教えてよぉぉぉぉ!
なんで? なんで?──ねえなんで!?」
 みどりは、つらい表情で下を見て、どう答えてよいかを考えていた。ゆらりと大洋が立ち上がると、
よろよろと純友も立ち上がった。二人は先を争うように地上への階段を上っていった。
「純友くん!」
「大洋くん!」
 静かになった猛士の間の机に、多美の記事を貼ったスクラップブックが置かれていた。

 日曜の午後、甘味処「たちばな」を飛び出した純友と大洋は、近くの公園に駆け込んだ。
 両手と両膝を地面に落とし、大洋は荒い息のまま下を向いていた。やがて拳で土を叩きつける。
「くそぉぉぉぉ!」
 その隣に力なく座り込んだ純友は、また泣き出した。
「うえぇぇぇぇぇぇん!」
 おそらく、橘多美は魔化魍の餌食になった。大洋はもちろん純友も、理不尽な魔化魍の所行に、
怒りと悲しみでわけがわからなくなりそうだった。
「純友……おれ、『飛車』か『角』か迷っていたけど、やっぱり『角』だ! 鬼になって、
やつらを、一匹残らずぶち殺してやる!──おまえはどうだ、純友!」

302 :見習いメインストーリー:2006/12/19(火) 22:03:27 ID:bFdM4y4x0
「ぼくだって……ぼくだって、なれるものなら鬼になりたいよ。『銀』になるって決めたけど、
こんなのって……こんなのって! 許せないよぉぉぉぉぉ!!」
 純友は、自分の中にある怒りをどうしていいかわからなかった。自分が、鬼になる──
ずっと前にあきらめたはずだったその考えが、いま再び頭をもたげてきていた。
 そこに姿を現した、一人の壮年の男が言った。
「……手間をかけるな、小僧ども。せっかく詫びを入れに来たのに」
 男は、ヒビキらと同世代にも見えるが、話す口調はなぜか老成しており、年齢不詳だった。
 二人とも初めて見る男だが、同時にどこか見覚えがあるような気がした。まったくの初対面だが、
その雰囲気はこれまで何人か見たことがある鬼と同じ──この男も、鬼だと思った。
 純友は、男の右手に嵌まる腕環に気づいた。
「陰陽環……」
 男は、詫びに来たと言った。そして、腕には陰陽環が。
「すまなかったな。俺が陰陽環をちょいと拝借したせいで、始末書かいたりコレを捜したり、
色々あったそうじゃないか。──ま、また内緒で借りてきちまったけどな」
「誰だテメー」
 立ち上がって、鋭く大洋が訊いた。
「こないだコイツを黙って拝借していたのは俺だ」
 男が腕を上げて陰陽環を二人に示した。
「てめぇか……!」
 大洋は低い声で男に言った。
「今のおれは最高に機嫌がワリぃんだ!!」
 叫ぶと、大洋は陰陽環の男に殴り掛かっていった。

303 :見習いメインストーリー:2006/12/19(火) 22:04:44 ID:bFdM4y4x0
 大洋が陰陽環の男に殴り掛かると、突き出した拳は空を切り、足をさばかれて土の上に
倒れ込んだ。すかさず起き上がり男に飛びかかったが、結果は同じだった。
「そういきり立つな。詫びに来たと言ったろう。……後先考えずに仕掛けるな。おまえみたいな
ヒヨッコが、この俺とやりあうなんざ百万年早いぜ」
「くそ……!」
 大洋は起き上がり、地面に腰を落としたまま顔についた土を拭った。
 純友は、涙を拭いて男に言った。
「あの……ぼくは……猛士の見習いの須佐純友といいます」
 名のってから、今度は純友は大洋を指して言った。
「こちらも見習いで、田島大洋といいます。その……あなたは、どちら様ですか」
 壮年の男は、満足そうな笑顔を向けながら言った。
「もう一人と違って、おまえはなかなか礼儀正しい見習いだな。まあ、俺の名前は勘弁してくれ、
名のるほどのモンじゃない。ただの引退した鬼だ」
「関東の鬼のどなたかの、お師匠さんですか?」
「いい勘してるぜ、泣き虫小僧」
 ニヤリとして男は言った。
「あまり『たちばな』の連中を心配させるなよ、お前たち。とにかく連絡を入れろ」
 純友は、切っていた携帯電話の電源を入れ、「たちばな」に連絡を入れた。
『純友くんっ!? 今どこにいるの?』
 電話に出たみどりが、凄い勢いで訊いてきた。

二十三之巻「通じぬ電話」了

304 :見習いメインストーリー:2006/12/19(火) 22:06:57 ID:bFdM4y4x0
次回予告

「アンタ、鬼なんだろ?」
「ぼ──ぼく、『銀』になって、ぼくが誰にも負けない武器を造るから」
「ああ。なるぜ、鬼に。おれは鬼になる」
「どうした。鬼になるんじゃなかったのか、小僧」

見習いメインストーリー 二十四之巻「踏出す鬼道」

305 :名無しより愛をこめて:2006/12/19(火) 23:07:56 ID:AwT4dyya0
>>300-303
乙です。
鬼の現実…。厳しいなぁ…。
次回投下、待ってます。

306 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 12:35:13 ID:dJxDSq8HO
多美ちゃん犠牲になったのか・・・
少年達が可哀想だと年甲斐もなく感情移入しちまった。

いいともでジローラモさんが天狗に扮してた。
天狗や鬼は漂着した渡来人って説がある。
描写が欧米人ぽく特殊技能を持ち獣肉を食うからで、
なんかZANKIさんのご先祖様が日本に来てたらと妄想して
楽しかった

307 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 13:06:12 ID:WKtvnOhv0
中四国よ、ここに投下しようがしまいが、更新を知らせようが知らせまいが別に構わんが、
てめえの言った日からもう十日以上経ってんだからさっさと書き上げろ。
生意気にエンターテイナーがどうとかほざくなら客に約束した締め切りを守れよ。

308 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 14:33:07 ID:o2pk944EO
スレが進んでると思って見たら見習い(笑)かよ…。
もうお腹いっぱいだ。中四国はまだか?

309 :元・ZANKIの人:2006/12/20(水) 15:17:29 ID:MR0N1+kn0
久々に書いてみる。
>>306
天狗という設定ではないんですが、先代の設定の中で先祖または本人は一度、日本に来た事があり、
その時、南雲あかねと接触した事があると言う話を考えた事がありました。
最初は第二次世界大戦を舞台にしようかと思いましたが、先代とあかねさんの年齢設定が良くわからんので、
前世の世界が舞台で、DMCが世界の魔物事情を調べようとした際に船が転覆し、
辿り着いた先が、まだ鎖国していた頃の日本で前世のあかねさんだったという話は考えてました。
作品の中で、先代がなんか知らないけど年も違うあかねさんに対して妙に親近感を一方的に持っていたのは
こういった背景があったのでは?なんて脳内で勝手に想像してました。
と、ここまで書いたら高鬼さんが先代前世編とか書いてくれないかな……
ではスレ汚し失礼。

310 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 16:10:21 ID:dJxDSq8HO
>>309
ジュニア生誕おめでとうございます。
男の子なら一緒に特撮ライフですか?
くうぅ〜っ羨ましい!
女の子ならプリキュアかなぁw
又何か投下して下さい!フルスイングで吹っ飛ばすシーンを読みたいです。

311 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 16:37:32 ID:+DL64Tr50
      ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) <  凱鬼SSマダーーーーーーー?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  猛士みかん |/

312 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 18:34:35 ID:ygRAffyGO
弾鬼SP作者様!!素晴らしい作品の投下心よりお待ちしております!!

313 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 20:59:59 ID:J14U3XtgO
自演うぜえ

314 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 21:38:18 ID:+DL64Tr50
ttp://avexnet.or.jp/rin/jp/topic/index.html

↑の和楽ユニットの公式サイトのディスコグラフィーに、「Flash back」があったぞ!
視聴できるので聴いてみよ!尺八の音が綺麗だった。

315 :名無しより愛をこめて:2006/12/20(水) 23:19:15 ID:E07WrWFj0
>>306
酒呑童子=シュタイン・ドッジ(日本に漂着したドイツ人)説、って素敵な与太話(褒め言葉)
がありましてね・・・・・いや、こっから先はSS作家さんにお願いしようw
無駄話スマソ

「戻る川」
おもしろかった。なんか久し振りにこういう形のSSを読んだ気がした。次回作も期待してます。

「見習いSS」
そうか、タミちゃんが・・・・小僧ッ子二人の今後が気になります。短編連載ガンバレ!

316 :名無しより愛をこめて:2006/12/21(木) 00:53:36 ID:IyNqlnlJO
そう言えばTHE MOMOTAROH(お尻ふりふりモンガモンガの)で
シュテンドルフって居ましたね!

317 :名無しより愛をこめて:2006/12/21(木) 23:55:17 ID:0JQjptFK0
ところで、Wikiの件はどうなった?

318 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 01:15:38 ID:yfb5M3Ll0
>>317
中四国さんが(投下はしないにしても)このスレの連載作者さんの一人であり続けてる以上、
全作品網羅のWikiを作るなら中四国さんだけハブるわけにはいかない。
しかし今、中四国SSを含めたWikiなんか作ろうものなら絶対噛み付いてくるのが何人かいそうだ。
そしたらまたスレが荒れることになる。
だからWikiを作るのは少なくとも今は思いとどまったほうがいいと思う。

319 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 09:09:23 ID:beTZUjkU0
>318
賛成。俺も急いで作らなくていいと思う。
古くからの作品は今までの用語集で、
新作についても過去ログ嫁で充分じゃない?
SSだけじゃなく、みんなの書き込みを過去ログを一から読んで行くのも楽しいよ。
裁鬼スレの始めの頃から居るけど、時々読み直して楽しんでる。

320 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 09:44:21 ID:qicqS7G70
俺も賛成。もうちょっと様子みていいんじゃない?
事件の事はムカついてるが、中四国SSもある方がいいとは思う。
ただ、用語集さんとは別に個人的に作ったって人が現れるのは可。
もちろん中四国が自分で自分の用語集を作るのも別に構わないと思うが、
wiki形式での用語集はしばらく待った方がいい。

321 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 18:48:49 ID:VRHEt/4Y0
とりあえずとっかかりだけ、と思ってオフィシャルの鬼の分だけ作ってみたんだが
まさか丁度こんな話になっていようとは……
でも作っちゃったものを捨てるのももったいないからとりあえず置いていく。
煮るなり焼くなり放置するなり好きにしてくれ。
http://www23.atwiki.jp/hibikiyougoshu/

322 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 19:05:20 ID:WNKCdY920
何もこのタイミングに投下しなくても…

323 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 19:12:45 ID:yfb5M3Ll0
つ、作っちゃったのか・・・。
タイミングは悪いけど作ってくれたんだからとりあえずGJと言うしかないな。

提案だけど、しばらくは各SSの内容は追加しないで、公式のデータだけみんなで埋めていく?

324 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 19:48:16 ID:N5MWI2+R0
う〜ん、公式を埋めていくのには賛成。
俺としては各SSの用語も見てみたいんだよね。
弾鬼SSとかは元の用語集にもあるから我慢できるけど、凱鬼〜見習いSSとかは載ってないしさ。

325 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 20:52:46 ID:yfb5M3Ll0
言いだしっぺがまず何かやらなきゃいけないなと思って安達明日夢、天美あきら、桐矢京介を埋めてみた。
鬼と同じページに入れてよかったのかはわからないけど。

326 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 23:05:21 ID:328yPcRg0
そうなるとSS分の用語は別の枠を作って書くべきなのか?

327 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 23:09:37 ID:p8+HjtRz0
記事に(〜SS)とかつけて区別すればいいんじゃね?

328 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 23:26:50 ID:HqATNBlFO
>>321=厨四国だろ。
騙されるなよみんな。

329 :名無しより愛をこめて:2006/12/22(金) 23:48:24 ID:N5MWI2+R0
>>328
この際、もう誰でもいいよ・・・。

330 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 00:16:46 ID:n5I+4+/V0
>>327
それはいいアイデアだと思う

で、一体これ何処から手を付けるんだ?
皆がてんでに色んなSSのことを書き始めたら収集つかなくならないか?

331 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 01:04:13 ID:k1/W0qd20
Wikiの件ですが、いろいろ考えた末、拙作の用語は掲載されなくても結構です。
それは何故かといいますと、拙作の方ではできるだけ裁鬼SSやその他諸々のSSと筋を通すように努力しているにも関わらず、
後半部分になると、てんやわんやの展開が待っていて、いざ用語集に纏めるとなると新参の方が見て混乱する可能性が高いので
ここは自ら響鬼スレ統一の用語集には身を引きたいと思います。
でも時間さえあればゆっくりと独立して作って行きたいと思いますので、お許しください。

乱文失礼しました。

332 :凱鬼メイン作者:2006/12/23(土) 01:05:07 ID:k1/W0qd20
名前を記入し忘れました・・・orz
>>331は私です。

333 :見習いメインストーリー:2006/12/23(土) 01:27:29 ID:E6rc7+Rr0
前回は>>300から

二十四之巻「踏出す鬼道」

「たちばな」近くの公園に立つ純友の手に持つ携帯電話から、必死な声が漏れていた。
『純友くん、純友くんっ!? 大丈夫なの? 大洋くんも一緒!?』
 電話の向こうのみどりの声は、これまで聞いたことのないくらい切羽詰まっていた。
 純友の方は、陰陽環の男がそばにいることで、不思議と落ち着いてきていた。そして、わりと
冷静な気持ちでみどりの慌てた声を聞き──にわかに、とても悪い事をした気がして言った。
「あ、その、ごめんなさい、心配かけて……」
『純友くん……?』
 みどりも、純友の様子に気づいて、ようやく落ち着いた声になった。
「今、大洋と一緒に近くの公園にいます。大丈夫ですから……」
『……よかったぁ〜……』
 心からほっとしたように、みどりは言った。
『すごく、心配したんだよ。──ねえ、いますぐ戻ってきて』
「え、あ、いや……大丈夫です、ホントに」
 何度かやり取りを繰り返した後、純友は「すみません」と何度も謝りながら電話を切った。
 ──あの「全国失踪者リストファイル」がある「たちばな」に、今は戻る気になれなかった。
 純友は大洋を振り返って言った。
「帰ろう、大洋」
 大洋は、地面に直に座り込んだまま無言でいたが、やがて立ち上がって陰陽環の男に言った。
「アンタ、鬼なんだろ?」
「……前はな」

334 :見習いメインストーリー:2006/12/23(土) 01:28:03 ID:E6rc7+Rr0
「おれを鬼にしてくれ」
「悪いな、俺はもう弟子を取る気はねえんだ」
「アンタのせいで、環っか探しにつき合わされたんだぞ」
 男は少し考えてから、言った。
「弟子にはしねえが、ちょいとばかり鍛えてやってもいいぞ。取りあえず俺の言う事をやってみろ」
 純友と大洋は男に連れられて、芝生が整えられた広い運動場に行った。
 男の指示で、二人は男の行う空手の型のような動きを真似て体を動かした。
 ゆっくりと空気を取り込み、吐き出しながら、腕や足をひらめかせ、体を回転させる。
 三〇分も体を動かした頃には、緩慢な動作しかしていないのに、二人とも呼吸が乱れていた。

 夕闇が迫り、遠くで野球をやっていた少年たちも帰った頃、純友は芝生の上に大の字に
なって倒れていた。大洋も、芝生の上にへたりこんでいた。休憩をはさみつつだったが、
筋力トレーニングやランニング、ダッシュを何セットも何時間も続けていた。
「準備運動で何バテてんだ、小僧ども」
「マジか、これで準備運動かよ……」
 大洋が息を切らしながら言った。純友は、疲れ果てて何も言えなかった。
「思い出すぜ。昔もこうやって、二人のガキに修行させたもんだ」
 そう言って、男は快活に笑った。
「……そん時ゃ、二人で切磋琢磨していたモンだが、そっちのお前はなあ……」
 呆れ顔で純友を見て言った。

335 :見習いメインストーリー:2006/12/23(土) 01:28:48 ID:E6rc7+Rr0
「とことん鍛えるのに向いてないというか、何というか──」
「……わかってますよ」
 仰向けのままぐったりとしていた純友が、涙を流しながら言った。
「橘さんのことを知って──あいつらを、この手でぶち殺してやりたいって思ったけど──
ぼくはホントにこういうのには向いてなくて……」
 しばらく黙ってから、純友は続けた。
「大洋……鬼になってくれ。頼む……!!」
 大粒の涙をこぼしながら、純友は絞り出すように言った。
「大洋! 鬼になってよ。なってくれよぉぉぉぉ……!」
 純友は、暗くなりつつなる空に顔を向けたまま叫んだ。
「ぼ──ぼく、『銀』になって、ぼくが誰にも負けない武器を造るから。
そうしたらきみがそれを使って、あいつらを──あいつらを倒してくれッ!」
 うなだれていた大洋は、ふらつきを抑えながら立ち上がって言った。
「ああ。なるぜ、鬼に。おれは鬼になる。誰が何と言おうと。たとえ無理だって言われようと。
──絶対にだ!」
 陰陽環の男に向き直る大洋。
「さあ、次は何をすればいい、オッサン」
 ぎらぎらとした目で睨みつけてくる大洋を見て、男はふっと笑った。
「組み手だ。どこからでも掛かって来い」
 言うと、男は腕を組んで待ち構えた。

336 :見習いメインストーリー:2006/12/23(土) 01:29:21 ID:E6rc7+Rr0
 大洋が殴り掛かっても、蹴り掛かっても、腕組みの姿勢で、紙一重で男は攻撃をかわし続けた。
やがて、全体重を掛けた攻撃をかわされ、大洋はまたしても芝生の上に倒れた。
「どうした。鬼になるんじゃなかったのか、小僧」
「うおおお!」
 叫びつつ、大洋は立ち上がった。

 数日して、純友と大洋は学校近くの警察から連絡があり、多美のことで話をすることになった。
携帯電話の通話記録などから多美と二人に交遊があったことがわかり、行き先に心当たりがないか、
訊きたいとのことだった。無論、魔化魍の犠牲になった可能性があるなどとは言えなかった。
 警察に、解決できる問題ではない。暗い気持ちのまま警察署を出た二人は、並んで駅へと向かった。
「いいか」
 純友の方を見ることもなく、大洋は言った。
「おまえが『銀』になって、誰にも負けねえ武器を造る。おれは『角』になって、鬼として、お前の
造った武器を使ってやつらを倒す」
「うん」
 純友も、前を見続けたまま答えた。
「それは、おれと一緒におまえも戦っていることになるんだ。おれたち二人で戦って、あいつらを
倒してやろうぜ」
 少年たちは復讐を心に誓い、戦いへの道を踏み出した。

二十四之巻「踏出す鬼道」了

二之章「傷」完


337 :見習いメインストーリー:2006/12/23(土) 01:30:13 ID:E6rc7+Rr0
次回予告

 復讐を胸に秘めた少年たちの、黄昏い戦いが始まる──
 一人は最強の武器を造るべく、師のもとで学び……
 一人は鬼となるべく、ひたすらその身を鍛え続け……
 彼らは憎しみの闇へと堕ちてゆく。

見習いメインストーリー 三之章「天」 

良いお年を。


338 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 11:14:16 ID:1xUtbnIbO
>>331
お言葉ですが、用語集の役割を考えると、てんやわんやの展開はむしろ望むところだと思います。

339 :凱鬼メイン作者:2006/12/23(土) 12:23:30 ID:k1/W0qd20
>>338
まぁ、みなさんが了承のうえでやってくれるなら、構いませんが・・・。

340 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 12:27:04 ID:n5I+4+/V0
作者さんご本人が「入れないで」と望まれるのなら最大限尊重すべきだけど

341 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 20:29:29 ID:Bacu2F7RO
VIPの連中にとっては中四国氏の作品を純粋に応援するファンすら叩きの対象みたいだな。
彼らはきっと、よってたかって袋叩きにするサンドバックとして中四国氏を陥れたかっただけで、実はあのやる気のない落書きの無断使用なんてはなから興味ないんだろう。
中四国氏、卑劣な彼らやこのスレに潜り込んだ工作員に屈せずこれからも頑張ってください。
応援しています。

342 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 20:47:03 ID:7HMJS8p4O
>>341
VIPPER乙。
煽りなら、もっと上手にやりなよ。

343 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 20:56:49 ID:n5I+4+/V0
>>341
どこまで本気なのか知らないけどそういう書き込みがかえって中四国作者さんの迷惑になるってわからないのかな

344 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 21:01:28 ID:WOiqCIv20
>>343
わかってるから書いてるんだよ。
と、言うわけで、安い餌に釣られるのは俺で打ち止め。



345 :名無しより愛をこめて:2006/12/23(土) 23:48:23 ID:EZlLogl/O
自演乙

346 :高鬼SS作者:2006/12/24(日) 01:57:48 ID:lCgBFdBv0
やっと用事が一段落ついた…。まだ多少残ってるけど。

というわけでおそらくこれが年内最後の投下になります。
軽いノリのドタバタものなら年内に書き上げて投下出来るかもですが、誰も読みたくないだろうし。
御用とお急ぎでない方は時間潰しにでも読んでみて下さい。
それではどうぞ。

>先代前世編
「劇場版よろしく戦国時代モノでも書いてみようかなぁ」
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
まあ下手な事は言えませんが、もし書くなら時代設定は変わると思います。

347 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 01:59:28 ID:lCgBFdBv0
1977年、霜月。
「つまり……我々に潜入捜査に行けと?」
あかねに対しコウキが問う。
総本部の研究室にはあかねとコウキ、そしてイッキの姿があった。
少し前に研究室へと呼び出しを受けた二人は、そこであかねから今回の任務についての説明を受けていた。
何でも、京都のとある小学校で不穏な噂が流れているのだという。校内で児童が行方不明になったり、怪しい人物が目撃されたりしているとか……。
だからコウキ達に潜入捜査の任務が命じられたのだ。
「しかし我々よりも適任の人物がいるのでは……?」
「確かに子ども受けの良いニシキくんや柔和なイブキくん、何だかんだで面倒見の良いバキくん辺りが適任なんだろうけど、シフトの関係で長期間空ける事が出来ないのよ」
潜入捜査である以上、ある程度時間は掛かると見るべきだろう。だから京都方面担当のイッキと、総本部付きの為シフトに無理がきくコウキが選ばれたのだ。
「既に手は回してあるから安心して行ってきなさい」
そう言うとあかねは二人に向かって笑顔を見せた。

翌日、二人は早速件の小学校を訪れた。表向きイッキは病気療養中の教師の代理、つまりは教師として潜入捜査に当たる事になっている。一方コウキは……。
「……納得がいかん」
コウキの役は用務員だった。てっきり教壇に立てるものだと思っていただけにこの配役は不満で仕方がなかった。
「まあまあ。コウキさん手先が器用ですから……」
「だったら理科の教師なり図工の教師なりをやるのが筋というものだろう。今からでも遅くない。交代したまえ」
「駄目ですよ。もう僕の名前と顔で登録されていますから……。我慢して下さいよ」
それでも納得がいかず未だぶつぶつと文句を言い続けるコウキを尻目に、さっさとその場から立ち去ろうとするイッキ。
コウキが教師役を外されたのは、おそらく過度の体罰を児童に課す惧れがあったからだろう。二年前、コウキに激しく尻を叩かれた時の事を思い出し、イッキは身震いした。
こうして二人の奇妙な潜入捜査が始まったのであった。

348 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:02:18 ID:lCgBFdBv0
潜入捜査開始二日目にして、早くも動きがあった。その日の晩、二人は宿直室で互いに得た情報を交換していたのだが……。
「……私からの報告は以上だ。多少の差異はあれど、こちらへ来る前にあかねさんから聞いたものと何一つ変わらない」
つまり、校内でどこぞのクラスの誰それ君が行方不明になったとか、怪しい人物を見たとか、あとは校内で不気味な声を聞いたとかそんな話である。
「……それで君の方はどうかね?」
イッキに尋ねるが、当のイッキは何処かそわそわしている。疑問に思ったコウキが問い質してみると……。
「……実は今日の放課後、校内で姫と遭遇したんです」
「そうか!これで噂の裏付けが取れたな!あとは……」
「あの、それがですね……」
暫く言い難そうにしていたイッキだったが、意を決して話し始めた。
「何!?目撃されただと!?」
姫と戦闘している所を、偶々何人かの児童に目撃されたと言うのだ。
「鬼の姿を目撃されたのか!?」
「いえ、変身はしていなかったのですが……」
相手が妖姫に変身しなかったので、イッキも人の姿のままで戦っていた。鉄扇子を武器に激しい攻防戦を繰り広げていたのだが……。
「姫に逃げられてしまい、後を追おうとしたら……」
視線に気付いたのだと言う。
視線の先には、数名の児童が文字通り目を点にして立っていた。無理もない。イッキも姫も、人の姿とは言え常人離れした身体能力で戦っていたのだから。
「迂濶だったな。で、どうしたのかね?」
普通はこの事を忘れるか猛士に加入するかの二択を突き付ける事で対処する。しかし相手が小学生の場合話は別だ。忘れるよう脅しを掛ける事も猛士の仕事に従事させる事も出来ない。

349 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:03:24 ID:lCgBFdBv0
「案の定僕が何者か恐る恐る尋ねてきました。それで、僕は……」
「何と答えた?よもや本当の事を教えたわけではあるまい」
「つい……咄嗟に『僕は仮面ライダーだ』と答えちゃいました」
「何!?」
驚くコウキ。言うに事欠いて「仮面ライダー」とは。
「仮面ライダー」は制作局である毎日放送のお膝元、ここ関西では高視聴率を叩き出しており、その名を知らない小学生はいない程の番組だ。
「……それで信じたのかね?」
イッキが頷く。
実際に常人離れした戦いを目の当たりにしたのだ。低学年の子でなくともイッキの言葉を否定する事は出来ないだろう。
「ただでさえ僕はバイクに乗っていますから、それもあるのではないかと……」
いつもの如くイッキはバイクでここにやって来ている。
「その場はそれで収まったのですが……」
「まあ自分の蒔いた種だ。頑張りたまえ」
力無く頷くとイッキは夜の校舎の見回りに向かっていった。

翌日、コウキの予想通り学校内は騒がしい事になっていた。瞬く間に噂が全校児童の間を駆け巡り、休み時間になるとイッキの周りには物凄い数の人だかりが出来た。
「君達!もうすぐ次の授業が始まります。早く戻りなさい!」
何を言おうが焼け石に水である。皆口々に「変身しろ」だの「ベルトを見せて」だの叫んでいる。
今まで怪談めいた噂ばかりで誰もが気が滅入っていた所に仮面ライダー登場の噂である。この騒ぎもある意味仕方の無い事だろう。その様子を傍観しながらそんな事を思うコウキ。
「コウキさん、助けて下さい!」
イッキがそう叫ぶと同時に、児童達の視線が一斉にコウキの方へと向けられた。
「あの用務員さんも仮面ライダーなの?」
「滝みたいなもんじゃないの?」
「捕まえろぉ!」
わーっと大声を上げながら人だかりの大半がコウキに向かって突撃してきた。血相を変えて逃げ出すコウキ。こういう時の子ども達の団結力や爆発力程怖いものは無い。
「イッキめ、私にまで累を及ぼしおって!後で覚えていろ!」
追い掛けっこは教師達が止めに入るまで続けられた。

350 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:05:38 ID:lCgBFdBv0
校内で二人に落ち着ける場所は無くなった。何処で何をしていようが必ずその傍には何名かの子ども達がいる。授業をさぼってまで付け回してくる好奇心旺盛な子もいる。魔化魍の探索など出来るわけがない。
結局、本日の探索は門が閉められて全ての児童が帰ってから行われる事になった。
放課後、コウキ達は屋上で打ち合わせをしていた。
「あかねさんに定時連絡を入れたら、近いうちに何名かが陣中見舞いに来てくれるそうだ」
「……いっそその際に任務を交代してもらいたいです。いえ、僕が悪いという事は重々承知していますが……」
もう授業にならないとイッキがぼやく。
「私だって、魔化魍の探索はおろか用務員としての仕事もままならん。これでは……」
と、校舎内から明らかに悲鳴が響いたのを二人の鍛えられた聴力が捉えた。
悲鳴が聞こえた方へと駆けていくコウキとイッキ。そこには男女合わせて数名の児童と、彼等に対峙する姫の姿があった。
子ども達をイッキに任せ、姫にそのまま体当たりをお見舞いするコウキ。邪魔が入った事で逃げていく姫。
「待て!」
コウキは姫の後を追って校舎の外へと飛び出していった。
暫く追い掛けていると、姫がこちらを向いて立っているのが視野に入った。警戒し、少し走る速度を落として姫に近寄るコウキ。
と、コウキの脇から童子が跳び掛かってきた。それを合図に姫も襲い掛かってくる。二対一の戦いが始まった。
素手で格闘を続けるコウキだったが次第に劣勢となり、とうとう変身のため音叉を取り出した。
だが、ふいに複数の視線を感じてそちらの方へ振り返るコウキ。見るとそこには目を輝かせながらコウキの戦いを見ている先程の子ども達と、申し訳なさそうにしているイッキの姿があった。

351 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:07:32 ID:lCgBFdBv0
「変身しろー!」
男の子がコウキに向かって叫ぶ。そして巻き起こる変身コール。
人前で変身するなど査問会ものだ。しかし童子と姫が空気を読んで撤退してくれる筈もない。
それどころか全員の目の前で怪童子と妖姫に変身してしまった。子ども達から悲鳴が上がる。
ここでコウキはふと考えた。子ども達は自分を「鬼」ではなく「仮面ライダー」として認識している。つまり目の前で変身しても「鬼」を見られた事にはならないのではないか。
詭弁には違いないのだが、ごり押しすれば通らない理屈でもないだろう。
しかしその為には……。
(変身の掛け声と……確かポーズが必要なんだったな)
ちらりと子ども達の方を見やるコウキ。子ども達は変身を今や遅しとわくわくしながら待っている。
「……イッキ、お前もやれ」
ドスの利いた声でそう告げるコウキ。イッキは仕方無く子ども達に下がるよう言うと音叉を片手に前に出た。
「あれ、ベルトは?」
「ライダーマンみたいなもんじゃないの?」
「それって弱いんでしょ?大丈夫かな……」
子ども達がそんな事を話しているとは露知らず、並び立つコウキとイッキ。
まずイッキが即興で変身ポーズを取り、「変身!」の掛け声と共に鳴らした音叉を額に掲げた。
彼の体を直撃した落雷を払い、中から壱鬼が姿を現す。
「天を裂き地を震わし悪を討つ雷撃の戦士!見よ、仮面ライダー壱鬼!」
これまた即興で作った口上と共に決めポーズを取る壱鬼。しかしこの男、やけにノリノリである。

352 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:08:07 ID:lCgBFdBv0
落雷という派手な演出付きだったせいか、子ども達から拍手が起こる。
「仮面ライダーというより怪人じゃね?」
「でもアマゾンだってあんなもんでしょ?」
「頑張って、仮面ライダー!」
子ども達の声援を受けながら怪童子と妖姫に向かっていく壱鬼。次はコウキの番だ。
コウキはとりあえずさっきイッキがやっていたポーズを真似てみた。しかし子ども達から「同じじゃねえか!」と野次が飛んだ。
「それが目上の者に対する口の利き方か!」
大人気無く怒鳴り返すと、音叉を鳴らして変身するコウキ。
「仮面ライダー高鬼!……これで良いんだよな」
炎を破って出てくるという演出に、やはり子ども達から歓声が上がった。
だが。
「……マフラーは?」
一人の子どもが疑問を口にした。
「そういえばマフラーが無いぞ」
「仮面ライダーなのに?」
ひそひそと話し合う子ども達。
「偽ライダーだ!」
誰か一人がそう叫び、全員「わー!」と叫びながら逃げていってしまった。つまり高鬼達を仮面ライダーの偽者と判断したのである。
「おい待て!何故逃げる!?」
「高鬼さん、今はこいつらを!」
後味の悪いものを感じながらも、高鬼は壱鬼と共に怪童子と妖姫を倒したのであった。

353 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:09:33 ID:lCgBFdBv0
その晩、宿直室でコウキとイッキは話し合っていた。
間違い無く明日には全校に今日の事が広まっているだろう。そうなると潜入捜査なんかやっている場合ではなくなる。従って今夜中に決着を付ける必要があった。
育て親を撃退した以上、何らかの動きを見せる筈だ。既に校内の至る所に式神を放ってある。後は式神が戻ってくるのを待つだけだ。
日付が変わる直前、一枚の式神が当たりを見つけて帰ってきた。二人は一旦校舎の外に出て変身すると、魔化魍の所へと向かっていった。

「しかしこんな所に潜んでいるなんて、どんな魔化魍なのでしょうか?」
壱鬼が高鬼に尋ねる。確かに、本来魔化魍とは自然の中に湧くものだ。こんな無機質な小学校の校舎に湧くとは一体どんな魔化魍なのか高鬼も気になっていた。
と、何者かに見られている気配を感じた。立ち止まり辺りを見回すも猫の子一匹見当たらない。だが気配だけは感じられる。
「上です!」
壱鬼が天井を指差して叫んだ。
天井には、巨大な老人の顔が現れ大きな口を開けてこちらを威嚇していた。
「仮面ライダー壱鬼!」
「馬鹿者!もう名乗らなくていいんだ!」
天井の巨大な顔に向かって名乗りを上げる壱鬼を注意し、音撃棒・大明神を取り出し構える高鬼。しかし顔は一瞬のうちに消え去ってしまった。
再び校舎内を夜の静寂が包んだ。

354 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:12:19 ID:lCgBFdBv0
翌日、二人は授業がある間は学校に姿を現さなかった。予想通り朝から全学年が大騒ぎになっていた。ここで出ていったら、間違いなく暴動めいた事が起こるだろう。それ故この判断は正しかったと言える。
そして夜。再び校内の捜索を開始する二人。噂や昨日の出来事を考慮した結果、今回の魔化魍は黄昏時から夜明けまでの間に姿を見せるようだ。
地響きがした。現れたのだろうか。変身し、音のした方へと駆けていく。
そして。
「出たな。今度こそ清めてやる」
再び謎の魔化魍と相対する高鬼と壱鬼。昨夜とは異なり今回は壁から現れている。
「ここは僕が!」
壱鬼が壁の顔に向かって電撃を放った。しかし直撃する瞬間、顔は壁の中に引っ込んでしまった。そして次に反対の壁から現れる。
「ならば次は私が」
「駄目です!下手に炎を使って火事にでもなったらどうするのですか!?」
これ以上騒ぎを大きくする事は絶対に避けなければならない。壱鬼も普段より電撃の威力を抑えている。
壁の顔は口から長く太い舌を伸ばして襲い掛かってきた。回避するも反撃を行う前に顔は再び壁の中に引っ込んでしまう。
「こいつ、校舎そのものと一体化しているのか?」
壱鬼が呟く。
「だったら逆に厄介だぞ。こんな大きなものを二人きりで清めるのは無理だ」
例えば高鬼と壱鬼がそれぞれ校舎の端に立って音撃鼓を貼り付け、鳴らすとする。しかしこの大きな校舎の隅々までに音の波が伝わるとは到底思えない。
「せめてあと二人太鼓の鬼が居れば……」
四方にそれぞれ音撃鼓を貼り付け、計四人で同時に打ち鳴らせば勝機はある。
と、その時。
「音撃鼓を貼って下さい。今すぐ!」
驚いて声の主の方を振り向くと、そこにはイブキが立っていた。
「どうしてここに……」
「既に刃鬼さんと怒鬼さんが準備をしています。あと三分後には音撃打を行う手筈になっています!」
「壱鬼!」
高鬼に言われ、壱鬼が校舎の端に向かい弾丸の様に廊下を駆けていく。高鬼もまた、反対の廊下の端まで行くと音撃鼓・紅蓮を貼り付けた。

355 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:12:58 ID:lCgBFdBv0
「時間です!」
「行くぞ!音撃打・炎舞灰塵!」
打ち鳴らされる音撃打。同時に四ヶ所で鳴らされた清めの音が校舎を包み込んだ。
校舎がまるで地震にでも遭ったかのように大きく揺れた。四人の鬼が打ち鳴らす太鼓の振動故か、はたまた魔化魍が苦しんでいるためか。
熱が入ったためか、「紅蓮」を打ち鳴らす動作がより激しくなってくる高鬼。
どれだけの時間を叩き続けただろう。ふいに絶叫が校舎中に響き渡った。そして一際大きく校舎が揺れた。
「……終わったのか?」
「おそらく……」
顔の変身を解除すると、コウキは何故ここに居るのかをイブキに向かって問い詰めた。
「陣中見舞いに来たんです。慣れない生活に気が滅入ってるんじゃないかと思って、なるべく大勢で行こうと……」
いつものメンバーにそう提案した所、シフトの都合で全員が集まれるのは今夜しかなかったのだと言う。
「確かにあかねさんから近いうちに誰かが陣中見舞いに来ると聞いていたが、昨日の事だぞ」
まさか翌日の晩に来るとは予想出来なかった。
「しかしやけに対応が早かったな」
それについても説明するイブキ。なんと魔化魍は最初にこの小学校にやって来たばかりのイブキ達の前に現れたのだという。あの時の地響きがそうだったのか……。
「僕達は人数が人数ですから魔化魍もすぐに撤退して……」
そこをコウキ達に見つかったのだと思われる。
「その際、あの魔化魍が校舎と一体化している事が分かったので……」
そこでバキとドキの二人が他の鬼を連れて音撃の準備に向かい、イブキはおそらく交戦中であろうコウキ達の下へその事を知らせに来たのだ。
「実に都合の良い話ではあるが、助かったよ。礼を言う」
長期になる事を覚悟していたのに、僅か四日で終わらせてしまった。だがやっと終わったという安堵感こそあれ、拍子抜けしたという気持ちは全く起こらなかった。
と、廊下の奥から顔の変身を解除したイッキ、バキ、ドキと共にニシキ、アカツキ、セイキがやって来た。笑顔でこちらに手を振ってくるイッキとニシキ。
コウキもまた、素直に笑顔で手を振り返すのであった。

356 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:16:01 ID:lCgBFdBv0
こうしてコウキとイッキの潜入捜査は終了した。そして当然ながら子ども達の前で堂々と変身した事について言及される事となった。
だが、始末書を書かされちょっとした罰を与えられたものの、危惧していた査問会にかけられる事は無かった。それは何故か。
まず相手が子どもだったというのがある。子どもの証言は大人のそれと比べると信憑性に欠けるため、仮に周りの大人に話したとしても戯言として処理されるであろうとの判断である。
そしてもう一つ。イッキが咄嗟に吐いた「仮面ライダー」という出任せを、総本部長の和泉一流が気に入ってしまったのである。挙句、今度から子どもに姿を目撃された際には「仮面ライダー」を名乗るよう関西支部の全鬼に通達が出されてしまったのだ。
当然ながら難色を示す者もいたが、大多数の者は結構ノリノリだった。
ある日、コウキが関西支部を訪れるとニシキとセイキ、ドキがこんな会話をしていた。
「どうです?仮面ライダーを意識して巻いてみたんですけど」
そう言いながら首に巻いたオレンジ色のスカーフをセイキ達に自慢するニシキ。
「お前バイクに乗ってないだろ」
「乗ってますって!石川の後ろにやけど……。そう言うセイキさんだって移動は車のくせに」
言い争いを始める二人をドキが冷ややかに眺めている。と。
「ドキはいいよな。二本角だからシルエットだけなら仮面ライダーに見えるもんな」
急に話の矛先が自分に向けられて多少なりとも狼唄するドキ。
「あー、俺もバイクの免許取ろうかな」
そうニシキが呟くとセイキも。
「じゃあ俺は蹴り技でも特訓するかな。バキさんやイッキは蹴り技を持ってるもんな」
皆が皆こういう風だという訳ではないが、まあ概ねこんな感じである。
ちなみにコウキとイッキに課せられた罰というのは、これから暫くの間中国支部と関西支部のシフトを掛け持ちするという実に面倒なものであった。

357 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:16:40 ID:lCgBFdBv0
さて、小学校に現れた魔化魍についてであるが、あかねは一冊の本を取り出すとコウキに説明を始めた。
「この本は『稲生物怪録』と言って、寛延二年に今の広島県で起こった怪異について記してあるんだけど……」
そう言ってとある頁を開いてコウキに見せるあかね。そこには建物の天井から大きな老婆の顔が現れている挿絵が描かれていた。間違いない、あの魔化魍と同じものだ。
あかねは念のため中国支部に確認を取ったと言う。
「この本の記述の信憑性は高いみたいね。事実、中国支部には当時比熊山で異変が起きた事についての記録が残っているみたい」
向こうの「金」の人にお礼を言っておいてね、とあかねは言った。
「それで、この魔化魍は何と言う名前だったのです?」
コウキの問いにあかねは困りながら答えた。
「それがね……名前が無いのよ」
「と、言いますと?」
「この魔化魍、出現が確認されたのはこれで二度目なのよ。しかも最初は猛士の与り知らぬ所で現れている。だから名前が付けられてないのよねぇ……」
頁に目を落としながらそう告げるあかね。
名前というのはある種の呪詛であるという考えがある。忌み名というやつだ。だから鬼は自分の本名を隠しコードネームを名乗る。
名前の無い魔化魍。それこそ正に真の化け物と言っても過言ではないのかもしれない。
「そんなものまで湧くようになったのですね……」
「いつまで続くんだろうね……」
二人は本に描かれた化け物の姿をただ静かに眺め続けるのであった。

358 :仮面ライダー高鬼「呼ばれる名前」:2006/12/24(日) 02:17:23 ID:lCgBFdBv0
余談だが、「仮面ライダー」という呼称は関西支部のみの静かなブームとして終わる事は無かった。大宴会の席上でとある関西支部の鬼が他の支部の鬼にこの件を面白可笑しく話して聞かせたのだが、それが瞬く間に全支部に広まってしまったのである。
最初に食い付いてきたのは、北陸支部の鬼小島や中国支部の東のような「面白ければ何でも有り」的な考え方の支部長達だった。
更に九州支部のヤミツキや四国支部のサカズキのようにノリの良い鬼達が自ら名乗り始めた。
結果、いつの間にか全国の鬼が近くに子どもが居ようが居まいが「仮面ライダー」を名乗るようになった。
このブームは暫くの間続き、その間子ども達を中心に各地で「仮面ライダーを見た」という都市伝説が流れたとか流れなかったとか……。 了

359 :名無しより愛をこめて:2006/12/24(日) 14:47:14 ID:Y4t/CWos0
用語集どうする?
元の用語集に収録されてる作品だけとりあえず埋めてみて、それからぼちぼち続きを埋めていくか?
それとも元のに収録されてない作品から優先して埋めていくか?

360 :名無しより愛をこめて:2006/12/24(日) 18:06:36 ID:eI2+hRU6O
原作の鬼を主役にしたSSから埋めてくのに一票
ここは元々裁鬼スレなんだから裁鬼SSからやりたいよ

361 :名無しより愛をこめて:2006/12/25(月) 09:37:35 ID:8gi058Gy0
>>360
そうだね。裁鬼からいくのがいいんじゃない。
時期的にはエイキもダンキも同じだけど、完結してるからやりやすいんじゃない。


362 :名無しより愛をこめて:2006/12/25(月) 09:51:45 ID:y7gwOTJk0
今、新しい用語集は元の用語集に比べて、項目ひとつにつき説明がかなり簡潔なわけだけど、
これは新しい用語集はそういうスタンス(あまり冗長に説明しない)でいくの?
それともこれからどんどん補足して元の用語集みたいにしていくの?

363 :名無しより愛をこめて:2006/12/25(月) 10:44:26 ID:1Fu7IOyIO
元の用語集の解説を転載できたらそれが一番いいんだよな。
用語集サイトの人が駄目と言ったら駄目だけど。

364 :名無しより愛をこめて:2006/12/25(月) 12:28:53 ID:8gi058Gy0
そういえば用語集さんを無視してしまったな。
すみませんが見ていたらちょっと意見をいただけますか?

安易に転載してしまうと現用語集が洋ナシになってしまう可能性がある。
それは先駆者としてやってくれた用語集さんに失礼だと思うが、
かなり前の中四国の件もあったから、用語集さん一人に負担をかけるのもどうかと思う。

365 :名無しより愛をこめて:2006/12/25(月) 23:28:35 ID:4YskTSy+0
           __
        , ‐' ´   ``‐、             / ̄:三}
.     /,. -─‐- 、.   ヽ        /   ,.=j
 _,.:_'______ヽ、 .!       ./   _,ノ
  `‐、{ へ  '゙⌒ `!~ヽ. !     /{.  /
    `! し゚  ( ゚j `v‐冫   , '::::::::ヽ、/     SS投下されてるけど無視して用語集の話しようぜ!
.    {.l   '⌒      ゙ 6',!   / :::::::::::::::/ __
.     〈  < ´ ̄,フ  .ノー'_ , ‐'´::::::::::::::;/ (_ノ)‐-、
.      ヽ.、 ` ‐", ‐´‐:ラ ':::::::::::::::: ;∠.   ヽ_}  ゙ヽ
        ,.r` "´  /:::::::::::::::::::ィ´  `ゝ  !、  /
     /       / :::::::::::::::: ; '´   /´\ /   r'\
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     {      {:::::::::::;:イ /   ‖i:::::::/:::::::::::::/  \
.      ヽ       ヽ,.ァ‐'´ /ヽ 二 ,/`ヽ、::::::::: /    ヽ

366 :名無しより愛をこめて:2006/12/26(火) 11:00:21 ID:AHJ5VUHV0
解説の中で、特定のエピソードに触れるときは、どのSSの第何話からの出典なのか書いてはどうだろうか?
例えばこんな感じ。

また子供たちが小さいうちは自分が鬼であることを秘密にしていたのだが、
裁鬼が修羅を使い切って人間の姿に戻れなくなったときに石割とバンキによって明かされた。
(裁鬼SS三十九之巻参照)

そのSSを読んでなかった人も、用語集を見て「面白そうだ、読んでみよう」と思うかもしれない。

367 :用語集サイト:2006/12/27(水) 00:56:01 ID:+ntiEHGA0
ええと、いい加減意見を言ったほうがいいのかな?
一応サイトにも書いたのですが、俺としては現在の用語集にある裁鬼、裁鬼最終章、鋭鬼、弾鬼、剛鬼、
高鬼、先代、DA年中行事さんの作品はどれほど長期連載になっても作り続けたいと思っています。
狂鬼さんについても既に完結しているし短いうえ、鬼投術の項目つながりで作成に着手しています。

もちろん他の方が新しく用語集を作ることは自由です。というかむしろ歓迎します。
俺が手をつけられない作品もありますし、いろいろな工夫の意見も出ていることですし。
ただ、現在俺が作成した用語集を丸ごと転載してそこから積み重ねるという手法をとる場合は
もう俺の手を離れているので、用語集と追加用のメモファイルと「用語集サイト」の名を譲り(或いは下ろし)
一読者に戻らせていただきます。

ここからは用語集サイト管理人としてではない個人的な意見ですが、効率で言えば俺が上記の作品の用語集を作り続け、
新しく作ろうという方にはそれ以外の作品を担当していただくというのがいいのではないか、と思います。

368 :名無しより愛をこめて:2006/12/27(水) 01:07:17 ID:l0U22ZT80
>>367
コメントありがとうございます。

皆に提案だけど、Wikiの方は「用語集に載っていない作品の用語集」にしないか?
解説の書き方とかは極力用語集さんのを真似て、「用語集の別冊」的な扱いにする。
皆はどう思うかと、あと、Wikiを作った人の意見もお聞きしたいです。

369 :名無しより愛をこめて:2006/12/27(水) 03:01:24 ID:75zgeE3cO
携帯読者です。
正直wiki等に関してはスキルが無く何も言えません。
但し、用語集で訂正や作者さんの意図しない解釈は
作者さんに投下の際、冒頭の続きは>>○○○からの部分で
注釈して貰うってどうですかね?
出展等の参考文献も興味有りますのでその辺りも知りたいです。

370 :名無しより愛をこめて:2006/12/27(水) 03:18:46 ID:EAiBi6YK0
用語集サイトさんお疲れ様です。
この件については、用語集サイトさんのお話を聞いてからでないとと思い、
ずっとロムっていました(ただの読み手です)。

俺的には、用語集サイトさんが纏めてくださったコンテンツを
ずっと楽しませて頂いた読者として、やるんだったら368の意見を支持したいと思います。
正直言って、新しい用語集を作るとしても、用語集サイトの文を丸々転載っていうのは、
苦労してコンテンツを作ってこられたであろう用語集サイトさんを見て来た読者として抵抗があります。
元からあるコンテンツに付与していく形で、新規のデータを構築していく方が効率もいいと思いますし…
どうでしょうか?

371 :名無しより愛をこめて:2006/12/27(水) 21:42:39 ID:On16Sc2o0
>>367_370
それでおk。

372 :名無しより愛をこめて:2006/12/28(木) 14:22:12 ID:NRX/mf2a0
俺が作ったWikiは皆で煮るなり焼くなり好きにしてくれたらいいから、
ひとまず話の流れに従ってトップページを書き換えてきた。
http://www23.atwiki.jp/hibikiyougoshu/

373 :名無しより愛をこめて:2006/12/29(金) 13:45:33 ID:LcktLOLz0
住人どうしの会話の中で出た考察なんかも用語集に入れていけたら面白いと思う。
俺は音撃武器の名前の考察をしてみた。ちょっとした暇潰しだと思ってくれ。

武器の名前には「烈」がつくのがスタンダードだと思っている人もいるかもしれない。
だけどオフィシャルの音撃武器をずらっと並べてみると、

烈火 那智黒 緑勝 剛力 烈風 嵐 台風 烈雷 烈斬 閻魔 刀弦響 鬼太樂

意外なことに「烈」が付く武器はそんなにないことがわかる。
じゃ「烈」って何なのか?
ここでヒントになるのが戦国時代の音撃武器。

烈火 烈風 烈雷 烈翠 烈凍 烈盤 烈節 烈空

これでもか、とばかりに「烈」のオンパレード。
「烈」というのは戦国時代の頃に大流行した名前なんじゃなかろうか。
現代でも一部の鬼はそれを伝統・王道として踏襲している。
たとえるなら船の名前に「丸」を付けるかのように。
そう思って見てみると、「烈」の付く武器を使っている鬼は名家の出身だったり、
伝統とかを大事にしそうな人ばかりな気がしてくる。
猛士のトップ、宗家の威吹鬼の音撃管は「烈風」。
東北の名家の出身、吹雪鬼の音撃管は「烈氷」。
宗家を支える四柱家、光厳寺の荒鬼は「烈旋」。
出雲に十七代続く名家、双柳寺の蒼鬼は「烈光」。
「烈雷」は代々受け継がれてきた希代の名音撃弦。
「烈斬」は現代の最新技術で作られた特別な音撃弦。
「烈火」の響鬼、「烈凱」の凱鬼、「烈光」の一撃鬼も伝統を重んじそうな人たちだ。
(一撃鬼の場合は本人がというより師匠の裁鬼がそんな感じ)
明治時代には蒼鬼が「烈雅」、景鬼が「烈迅」を使っている。

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